ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

もっと貴方もスパイダーマン。『Marvel's Spider-Man 2』レビュー。

年取ると自分の年齢がパッと思い出せないってのが本当だったことにビビる。(挨拶)

本ブログ、意外にも5年やってたんですよね。
いや本当にびっくりした。アレもう5年たってるの!?って。

何で思い出したのかって言うとそうコレ。
前作をプレイしてレビューしたんですよね。ブログ初年度に。

5年という月日は短かったのか長かったのか。期待の続編、

『Marvel's Spider-Man 2(マーベルス スパイダーマンツー)』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

□概要

僕、ピーター・パーカーと彼、マイルズ・モラレスはスパイダーマンとしてニューヨークを守る日々を過ごしていた。
親愛なる友人として市民に愛され、僕も町と皆を愛している。


・・・って言っても、スパイダーマン家業じゃおなかは膨れないんだよね。
仕事をしないと生きていけない。
蜘蛛の世界より人間の世界の方が厳しいよ。
さて、ギリギリ間に合ったけど今日から僕は物理の教師として新しい人生の一日を…って、

町が砂まみれ?!

マーティン・リーも脱獄!?

後なんかへんなおっさんも来るって?

 

やれやれ、今日もニューヨークは犯罪者のバーゲンセールみたいだね。
いこうか、マイルス。
大丈夫、二人一緒なら立ち向かえるさ!

ソニー傘下、インソムニアックゲームズが送るオープンワールド(以下、OW)ゲームの続編!

実はマイルズが登場するDLCをやっていなかったのでかなり久しぶりだな、という感覚。
だってPS4版の前作が5年前ですってよ奥さん!
丁度その年、本ブログを始めたんですよね。前作の記事が残ってました。

exa-axe.hatenablog.com

俺はこの5年間いったい何を…?いや何も…?!

 

基本的には前作と似ているがしっかりと全体的にパワーアップ。
それではレビューしていこう。

 

□故きを温ねて新しきを知る男!スパイダーマッ!

↑移動自体は相変わらず楽しい。けどゲーム性自体はちょっと古めのOW。しかし…?

きなりだがOWゲームとしては正直やや古臭い、見飽きたシステムである。
町中に大量の収集物とアクティビティを用意してはい頑張って集めてねーという作りは
インソムニアックってあそこと血縁関係あったっけ?と思うほどにはUBI魂を感じる。

しかし、圧倒的に高いクオリティがUBIとのDNA検査で血縁関係を否定する。

 

↑落書きは町のいたるところに。フォトモードもあるので町と一緒にパシャリ!ゲーム内カメラで町中をパシャリだ!

まず町の作りこみがシェーッと驚くほどに非常に高い。
ミーはおフランスのパリっ子ザンスので
一度もニューヨークに行ったことはないが、
自分の中の誰かがこれはニューヨークであると太鼓判を押す。

前作にもあったけど、町中を彩る壁の落書き…もといグラフィティは見ていてココロオドル
また本作はニューヨークの特徴的な店や人、街そのものを写真にとるアクティビティがあり、
ニューヨークそのものを好きになる仕組みが取られている。

↑スピードのスイング、楽ちんちんちんなウィングで使いわけが出来ている。

その街中をグングンとスイングで飛び回る快感は言い表すのが難しいほど。
ウェブウィングという飛行可能なシステムが追加されたがスイングの方が早く、何より気持ちいい。
これだけで金を払えるほどに町とスイングの出来が良すぎる。
(スイングは速度、ウィングは楽、という使い分けのイメージ)

やっていて「ビ~ルの~谷間のくらや~みに~(スパイダーマン)」と自然と口ずさむ。
そして歌いながらビルの間をスイングしている時間はたまらなく幸福だ。

↑事件はランダムに発生する。そして時折救急車に運ぶことになる。これを放っておくのはスパイダーマンじゃない!

そして町を我が物顔でスイングしていると、事件が起こる。
おいおい俺のニューヨークで何してやがると事件を解決すると、
前作ではただ倒して事件解決だったのだが稀にケガをした人が見つかる。
で、その人を救急車まで運ぶという追加ミッションが発生するんだよね。

はっきり言ってこれ自体は手間が増えただけ、ではあるんだけど、
スパイダーマンならばこれをやる。やるんだよ。絶対に。

↑勿論いるぜJJJ。こいつもいないと寂しいからね。

たとえそいつがJJJであってもね。

単なる敵を倒すヒーローではなく、
ニューヨークの親愛なる隣人スパイダーマンを演じられる。

OWとしては若干の古臭さは有れど
スパイディごっこが出来るゲームとしては間違いなく最先端。

 

↑前作にもあった上からのステルス攻撃!でも今回はちょっと要素が強化されて…?

あともう一つ。アクションとはちょっと違うが、
本作のアクションで非常に好きなのがステルス要素である。

↑画面左にご注目。線を組み合わせて自由に潜入・自由に敵の頭上を取ることが出来る。これ本当に凄い!

ステルスは前作にもありはしたが、
本作の面白い点が
空中に糸を引いて自由に潜入・攻めることが出来ること。
壁や柱に長い糸を張り付けて線を引き、その上を自由に歩けるようになっている。

相手の頭上に近づいてステルスキルが出来るのだが、
そこから更に線をつなげていくことが出来るのにビビる。面白れぇ~~!
技術的にそういうことが出来るんだ!というのに感心するのも勿論だが、
ゲーム的にすごい自由度が高くなるんですよね。
んで、その線に沿ってドンドンステルスキルで釣り上げていく。

↑壮観。あとでスタッフが美味しくいただきました!

蜘蛛にからめとられた獲物がずらっと並ぶ姿は壮観の一言。
このゲームで一番笑顔になる瞬間はどこ?って聞かれたら
ずらっと並ぶ拘束された犯罪者の姿を見てるときと胸を張って言える。

 

ん?何?
なんかグロいって?スパイディはそんなことしないって?
バカヤロー俺のスパイダーマンはそういうことするんだよ!
だったらスパイダーマンごっこで決着つけようぜ!
俺スパイディ!お前犯罪者な!

 

□正直戦闘はおもんなかった男!スパイダーマッ!

れは賛が多そうな中にあえて否をつけるのだが、
前作に引き続き今作も戦闘アクションはつまんねぇわ!
少なくとも自分にとっては、ね。

↑アビリティで攻撃!範囲が広く、まとめて同時に攻撃可能!

本作の戦闘アクションは前作の正統進化系と言っていい出来。
アビリティとガジェットが4つずつに分離し、
プレイヤーは通常攻撃の他に8種類の行動が出来るようになっている。
ざっくりアビリティはダメージ、ガジェットは敵の動きを止めるという役割に分かれる。

↑赤い光に合わせてボタン!敵の攻撃を弾いてこちらのターンだ!

もう一つ、目立った追加要素としてパリィが出来るようになっていて
敵の攻撃に対して赤い前兆が出たタイミングでL1ボタンで弾くことが出来る。
このタイミングは驚くほどファジーかつ最優先の行動に設定されているので
敵を攻撃している最中にぐるりと反転して即パリィ、なんてスパイディらしい戦いも出来る。

ジャスト回避も継続して存在しているが、出来るならパリィの方がリターンが大きい。
本作の戦闘においてこれが無かったら本当にどうにもならんくらいつまらんと思うのでこれは良い点。

↑フォーカスゲージが溜まることで演出が入って敵をダウン!2人で戦ってるときは強力攻撃に変わる!

で本作も敵と戦っていると文字通りの”必殺”技であるフォーカスゲージが貯まっていく。
これは回復能力とゲージが共有されており、
回復一回分と敵へのテイクダウン一発分が同価値になっている。
発動時は当然ながらカッコいいテイクダウンシーンが流れて否応なくテンションが上がるぞ。

しかしながら
本作の戦闘は、多い・固い・ウザいの悪の吉野家
のような作りになっている。

 

ボス戦はまだ演出を見る楽しみもあって結構好きなんですよ。
ただ、本作の戦闘の大半を占める雑魚戦がかなりイマイチ。
とにかく敵の数が全体的に多い。
そして敵の大半が非常にTOUGH。
敵の攻撃頻度が高く、特に遠距離攻撃が苛烈で三国無双2の弓矢を彷彿とさせる。

敵の数やタフさに対してこっちのリソースが全然足りず、
トータルでいうと爽快感に欠ける、という結論に至る。

基本的に雑魚戦は攻撃範囲の広いアビリティやガジェットを率先して使って戦うのだが、
アビ一発では敵は倒れないし、増援がバンバン来る。
んでガジェット自体にはほぼ火力がない。
2つののクールダウン中には通常攻撃で場を繋ぐ形になるのだが
スパイダーマンの通常攻撃が基本一人にしか当たらないのがキツイ。

↑前作にもあった空中に打ち上げてからのコンボ!でもコレ、遠距離持ちで潰されてしまう・・・。

音だけはドゴッ!とかバキッ!とか迫真なんだけどとにかくぺちぺち殴る感じなんだよね。
そのぺちぺちコンボの合間に近距離からの横やりはともかく
遠距離攻撃が飛んでくるのがかなりのストレス。

まずコンボが強制的に止められるのがキツイ。
せっかく空中打ち上げからのコンボをしてても遠距離攻撃には回避以外の対処法が無い。

↑遠距離持ちの敵は大体高台に陣取る。だ、ダルい!

遠距離攻撃は射撃線が表示され、
タイミングよく回避すると回避と同時にカウンターウェブを当てられる。
だが、そこから一々殴りに行かないといけない。

無駄に賢い敵のAIが遠距離攻撃持ちは高台に陣取るため、
プレイヤーが戦場を飛び回って縦横無尽に戦うことになる。
縦横無尽って書けば字面は良いんだけどさぁ!実際には右往左往って感じだよ!

必殺技の仕様も敵の攻撃が苛烈故に必然的に回復に回しがち。
そもそも10人どころか場所によっては20・30と現れるのにその中の1人を倒したところで…とテイクダウンのリターンが低すぎる。

 

敵が固いもんだからスパイダーマンの強化を
攻撃優先で振っていたのだがそれでもなおずっと固い印象が拭えなかった。
クリア後色々試したが、攻撃よりもガジェットを強化した方が楽になる場面が多くハズレを掴まされた感がある。
スパイダーマン本体・ガジェットの強化は同じリソースを使うことになるのだが、
まさに「こっちのリソースが全然足りない」という印象だった。

 

↑真正面からカチコミじゃい!本当に本作のMJはスパイダーマンより強い!

なお、本作も前作で不評だったMJのステルスパートがあるのだが、
今作は意識的にMJを強化することで改善されている。

ただそのMJの武器であるスタンガンが
気付かれている敵でも一撃必殺+遠距離射撃は相手が確実に怯むという超性能なので
スパイダーマン2人よりも一般人の女性の方が殲滅力が高いという結果に。

MJ!ニューヨークのためにスパイディ2人にそのスタンガン貸してやってくれ!

 

ただ、補足しておくと取得出来るスキルの中には以下のようなものがある。

・通常コンボを続けるとガジェットのリチャージが早まるスキル
・ウルトを使用すると必殺技ゲージがマックスまで貯まるスキル
・必殺技ゲージを使用するとアビリティがリチャージされるスキル

要はスキルでサイクルが回せるようになっており、
これらのスキルを取ってしまえばリソースが足りるようになる。
かなり快適に楽しくプレイすることが出来るようになる。

ただ、現実的にはこれらのスキルを全部とれるのはクリア後。
しかも多くのアクティビティを終えてレベルマックスの頃だったりするのが残念である。

 

あと、本作は難易度設定可能であり、敵のHPだけ下げるということも出来る親切設計。
合わないな、と感じたらさっさと下げてしまおう。
中盤までに面白く感じなかったらゲームクリアまで面白く感じることはないと思うので…。

 

□2人がいる意図を理解して涙した男!スパイダーマッ!

作において評価したいのがやはり演出、そしてシナリオ。

この画像はゲームを始めて起動したタイミングで表示される画面。
この背中を「ん?ピーターかな?」と思ってスタートすると

↑ハリー(子)、ノーマン(親)・オズボーン。ノーマンは前作からの続投。

実際にはハリー・オズボーンであり、その後後ろからその父ノーマンが登場する。
ピーターと見せかけて・・・という非常に上手い演出で冒頭からニヤリとしてしまった。

そんで冒頭でオズボーン親子って時点で
ははーん今作のメインヴィランはグリーンゴブリンだなと推測するじゃん?
でもシナリオについては
プレイヤーの予想を一部そのままに、そして一部良い意味で予想を裏切ってくれる。
非常に上手い塩梅でご提供してくれる。

ただし、唯一絶対にして外れない予想がある。

 

それはスパイダーマンは悩むもの。
そして(一時的にでも)大きな不幸に見舞われるということだ。

カップル二人で無職の危機。右は請求書だがよく読むとヒエ~~~ッ!ってなる。

ストーリー冒頭で早速教師の職を失うピーター。
多額の借金を抱えてメイおばさんの家を手放す危機に
恋人のMJもリストラの危機と仕事の悩みを抱えている。

↑爽やかに登場するハリー。ピーターにとっての救いの主…になるのかな~?

そんな中、スイングではなく自家用車で現れるヒーローがハリー・オズボーンである。
ハリーとピーターはやはりこの世界でも親友であり、
学生時代の青春を回想しながらハリーは学生時代に夢見た事業にピーターを誘う。

親友・恋人(MJ)・弟子、そして職をゲットしてしまったピーター。

どうだろうか皆さん。
僕には熱湯風呂を前にしたダチョウ倶楽部にしか見えない。

 

↑左はマイルズのGF、ヘイリー。聴覚に障害があり、手話で会話する。マイルズも手話ペラペラ!

さて、話はもう一人の主人公マイルズに移そう。

こちらはピーターと比べると、
悩みといっても進路やガールフレンドといった可愛らしいもの、
しかし思春期の当人にとっては世界の終わりよりも深い悩みを抱えている。

だが、本作の序盤でとある人物の再登場によりまさに世界レベルの悩みを抱えることになる。

前作のボスであるマーティン・リー(Mr.ネガティブ)である。
5年前の作品故忘れてしまった読者及び自分のために説明すると、
彼はマイルズの父の事実上の仇である。

ただでさえ世界の終わりに等しい悩みを抱えた彼に
厄介な悩みの種が植え付けられ、芽吹いた序盤。
彼はスパイダーマンとして、そしてマイルズという個人として
2つの意味で自分自身のアイデンティティについて悩むことになる。

 

何故マイルズのみ、ピーターのみで続編にせず、W主人公にしたのか。
当初は疑問だったがその”意図”はシナリオクリアでしっかりと理解できる。

2人のスパイダーマンの悩みはストーリーを進めると”線”となる。
そして2人のスパイダーマンが絡まりあい、ぶつかり合い、助け合い、
2人の関係はいつしか”半ばきれない糸”となる。

二人のスパイダーマンの”絆”が紡ぐシナリオは飛び切りの演出とグラフィックで描かれる。

シナリオのエンジンがかかるまでの時間がやや長いが、
一度”黒いアイツ”が出てくれば後はもうとにかく衝動に任せてストーリーにのめりこめるぞ。

後半になるほど勢いが乗るシナリオには興奮を保証する。
ただし、睡眠不足も同時に保証するけどね!

 

 

 

□総評をする男!スパイダーマッ!

良作だろう。
世間一般では傑作判定だと思うが、それでも個人的には良作。
間違いなくPS5のスーパーでアメイジングなパワーを感じられるため、誰にでもおススメできる出来ではあるのだ。

↑ご、ごめん!誰だよ君たち!?DC世界の人?!

しかし「DLCは当然やってますよね?」
と言わんばかりの知らん奴らのラッシュが続く序盤の疎外感
戦闘のつまんなさがすさまじく良く出来ている後半の足を引っ張る。
DLCやってないのは俺が悪かったよ!
悪かったけど序盤で一気にラッシュされるのはDVだよ!

 

で、あとどうしても印象が悪いのが
ファストトラベル(以下、FT)とアクティビティのロックの仕様について。

↑町のマップは3Dで表現。アクティビティは戦闘があったりなかったりパズルだったり種類は多め。

町中のアクティビティはクリアすると経験値と素材が手に入り、
一定数クリアでそのエリアのFTが解禁される。
ただ、アクティビティのロック解除はストーリー進行がキーになっている。

序盤でアクティビィの種類が1つロック解除されたと共に全部こなすのは、
このFT解禁の仕様を考えると現実的ではない。
FTがない時期にちまちま全地域を走り回って解除するかというと流石にキツイじゃん。

どうしたってロック解除されたアクティビティがいくつも出てきて初めて
「んじゃそろそろ地域のアクティビティやるか~」ってなるでしょ?
特に序盤、素材が足りなくてスパイダーマンの強化が追い付かなかったんだよね。

FTを馬の目の前に差し出すニンジンにしたいっていう開発側の意図は分かるんだけど、
なーんか今一つシステムのかみ合わせが悪いなと。
最初から行ったところにはFT可能でよかったじゃんって。

 

まぁそうは言いつつもアクティビティを全て完了させてプラチナトロフィー取りました。
前作同様いいタイミングでしっかり遊びきらせてくれるゲームでした。

その他、どうしても言いたいこととして
サブクエストが用意されており、
特にピーターととある人物との過去回想のクエストや、
マイルズと鳥のクエスト等は本当に胸に来るお話になっており
「いいゲームやってるなぁ…」としみじみ感じ入った。

スパイダーマン”をする・見せるシナリオとしては本当に隙が無い出来で大満足だった。

 

さて、最後に。
本作も前作同様にエンディングロールの後に続編の予告が入る。
(動画で見直すと本作の冒頭、前作のエンディングのそのまま続きみたいなもんだったのね…)

続くということにホッとしているし、ワクワクもしている。
それと、本編の中にあからさまなDLCの匂わせも入っていて
まだまだ俺たちのスパイダーマンごっこは終われない、終わらせてくれないだろう。

はたして何年後になるのか、ということだけがチョッピリの不安だが
クオリティについては一切不安がない。
期待して待つぜ。
是非貴方もプレイしてほしい。
もっとスパイダーマンが増えてくれればきっとさらに大きなものが見れるだろうからね。

ではまた。

↑早くても4年は待たされそう。でも待ってるぜ。出来ればシナリオ覚えてる間に来て欲しいけど!