ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

君のままで。『WILD HEARTS』レビュー。

楽しいことならいっぱい。夢見ることなら目いっぱい(挨拶)

度々、本ブログでは期待せずに買ったけど面白かったぜ!ということが多い。しかし、
期待したゲームが期待通り面白いことがゲーマーにとって一番幸せだと思うの。
と、いうことで期待を越えて面白かった
『WILD HEARTS(ワイルドハーツ)』をレビューしよう。

なお、思い入れがあるせいでクッソ長いのでそれでもいいって人は、良しなに。

 

 

□概要

さかのコーエーテクモ×エレクトロニックアーツ(EA)という異色のタッグが放つ、
完全新作ハンティングアクションである。

え、EA?EA!?
アンセムとSWBF2とマスエフェクト3のEA!?と素直に驚いたものだ。
なおこれらは全て炎上している。

全部は語れないってくらいに新要素が多く、
約7年前の討鬼伝2を前作としてみると考えられないくらいの技術のジャンプアップをしている。
正直言って最近のコエテクは仁王チームだけ優秀という印象だったので
これ本当にωフォース?お母さん(EA)が作ってるんじゃないの??と疑うレベルの出来になっている。
しかしやってみるとコエテクらしさの出た作風に笑いとがっかり、そして喜びがわく内容。

 

そこらへん含めてレビューしていこう。

 

□何度も季節を重ねたね あの日から

↑モンハンライズで虫を使う有償だった受け身は本作実質無償である。無償で受け身を取れる幸せ!

作のアクションは全体的にキビキビと動き、モーションは討鬼伝2と比べると完全に別物。
動き自体も自然で技術的にも大幅に強化されている。

当然のように受け身モーションがあったり、
岩につかまって登ったり、ジャンプやスライディングが出来るなど快適に操作できる。
また、ダッシュしながらの移動は地形を反映しながらひょいひょいと移動するため
さながらアサシンクリードのフリーランに近い自然なパルクール”風”移動が出来る。
コエテクにこんな技術があったんだ…(大変失礼)

↑デカい!説明不要!怒り時の演出は画面を塗りつぶすように一気に広がるため美しい。

敵モンスター=ケモノは全部巨大で怪獣を相手取るような楽しさがある。
本作は自然と動物が融合したケモノが敵なので、
怒り時にはフィールドを塗り替えてしまう演出が見られる。
この際に、画面全部を埋めつくようなド派手な演出が起こり、そのすさまじさは半端ない。

↑怒った獣が放つ演出でフィールドは塗りつぶされる。冬だろうと常夏にして見せるぜ。

そして各フィールドは春夏秋冬の季節に合わせたフィールドだが、
ゲーム後半には冬マップに夏のケモノが来て、雪のマップを緑に覆うなんて芸も見せる。
そして破壊部位が落ちたところはそのケモノの季節に合わせたフィールドがちょこんとできる。
凍ったり草生やしたりね。
コエテクにこんな技術があったんだ…(本当に失礼)

 

お母さんのお小遣いのおかげか音楽家FF13の浜渦氏などがビッグネームがおり、
全てのボスがラスボス級の出来のBGMを用意されており、アガる上がる。
エフェクトや音に関しても非常にカッコよくて、動物を殴るだけで楽しいぞ。

 

↑本作のオトモ枠、ツクモ。人間NPCは一切手を貸してくれない、とモンハン風味に。

さて、本題。
恐らく多くのプレイヤーが最も気になっているのは
モンスターハンター(以下、MH)との差別化はどうなっているのか」だろう。

 

敵を鬼や神に変えた過去のフォロワータイトルと違い、
本作の敵は直球で”ケモノ”であり、
NPCとのチーム討伐ではなく旧MH同様にオトモ一人つけるのみ。
どちらかといえば逆に寄せに行ったとも言えるため、その疑問は当然だと思う。

実のところ、MHってもうほとんど隙が無いんですよね。
これまでMHフォロワーはMHの不便な点、つまり隙を改修するように出してきた。
例えば、砥石いらないっすよねとか派手な必殺技が欲しいですよねとかそういう部分。
しかし、MHワールドにてほぼ改善されてしまった結果、
フォロワータイトルは軒並み「モンハンでよくね?」という意見に勝てなくなった。

勿論、全くのスキがゼロってわけではないが
隙を埋める形で作っていた討鬼伝ゴッドイーターといったフォロワータイトルをそのまま継続するのは厳しい。
MHを強化する形ではなく、
まったく別種のアプローチを行う必要がある、というわけだ。

 

□髪を切っても メイクを変えても 気付いてくれない君だけど


↑人が住んでいた場所ですら自然に飲み込まれた。この暴走したともいえる「自然」こそが本作の敵である。

思い切ったな、と思ったのはまずテーマ。
自然を敵にしてしまったことである。

MHワールドがどこか自然に対して敬意を払い、
堰き止められた水を使って敵を叩き落すような環境を利用した戦いをしたり、
時には森の仲間に協力してもらうといった自然と共存するスタイルであった。
だが本作は敬意を払うのは命のみ。
もう一度言う。命のみだ。自然なんてクソくらえの域である。

 

本作の大きな特徴として、
狩り場となるフィールドにからくりというオブジェクトを設置することでプレイしやすい環境を整えることが出来る。
マップ自体は非常に広く、破壊された橋があったり、上下に移動するのはまぁ面倒。

だからジップラインを設置するぜ!
なんて堂々たる環境破壊・・・!!

小型の動物は倒すのではなく撫でることで素材を得られる!

だが森の木は切り倒して素材にする!

大型ケモノの命を奪うトドメ(介錯)時には頭を下げる!

だが高い壁があるなら箱並べて登れるようにしろい!
景観もクソもねぇ!インフラでねじ伏せろ!!コンクリートで森を塗り替えろ!

 

コーエーテクモは恐らくSDGsを応援しております!!
EAは世界に対して中指を立てております!!

 

…ただこれ、人間が思いっきりこれまでやってきた”営み”をやってるだけなんですよね。
今更自然を守ろうと綺麗ごとを言ってもやはり人はそういったことをやってきた。

そして自然側も「自然には厳しさもあれば優しさもある」みたいな美化は一切なし!
めっちゃ殺す気で自然が迫ってくる。
綺麗事など言ってられるかと一切包み隠さないロックさには素直にニヤリとする。

 

↑画面真ん中下のテントマークがファストトラベル可能なポイント。制限はあるがマップに複数設置可能だぞ。

マップには作ったからくりはデカいケモノ以外には破壊されずに残るため、
インフラを整えるとずっと楽に移動できるようになる。
更に拠点となるテントを置くとそこにファストトラベル出来るようになる。
本作のケモノはMHと比べて非常に移動距離が長いのだが、
移動するルートと戦闘する場所はほぼ固定なので
きちんとマップ整備すると敵に先回りして罠を仕掛けておくというプレイングもできる。

自然(マップ)を人間の都合の良い様に作り変えられる、というのは
非常に面白く、テーマ的にもシステム的にも斬新な点だ。

 

ちなみに、拠点となる街にもからくりは設置できる。
ジップラインで交通の便をよくすることもできるのは勿論、

好きなキャラの自宅の軒先にキャンプを張って堂々とストーキングも可能。
自分はお姫様の家の庭先で生肉を干し味噌をつけたりしていたが嫌な顔一つされなかったぞ。

 

そしてその本作の目玉である「からくり」。
マップは勿論、戦闘でも非常にうまく機能している。

基礎からくりは六つあり、箱(ジャンプ台)・発(バネ)・火・羽・杭・結。
これだけ聞いてもなんだこれ、となるのはわかる。
これ、簡単に言うとアクションを延長させる要素なんですよ。

↑ぴょい~んっとエアダッシュが出来る。カンガルーのように!

例えばバネ。マップに置く場合は、
ジャンプでは届かないがジップラインを使うまでもないような穴の両端に置くことで
移動距離の長いステップで飛び越えられるようになるんだ。
エアダッシュみたいなもんだと思ってくれたら。

↑強烈な無敵判定で敵の突撃を回避。当たってる?なんのこったよ。

そして戦闘で使う際は
非常に長い無敵時間とその移動距離で敵の攻撃を回避する役目を持つ。
本作はダッシュしながらローリングをするとスライディングとなり、結構な距離を無敵移動する。
しかし、バネはその無敵時間も距離もさらに長い。
からくりは一瞬で目の前に作られるため無理と悟ったら直ぐバネを作って回避できる。

↑ちと分かりにくくて申し訳ないがバネを使った突撃攻撃!コストを使う分火力も上がる!

防御面の使い方のほかに、攻撃でも使用可能。
敵に向かってステップし攻撃ボタンを押すと
通常の飛び込み切りではなく、バネからのオリジナルモーションで敵を切り裂く。

殆どのからくりはこういった攻防一体の仕組みになっており、壊されなければ無限に使える。
発想や直感、状況によって攻守が切り替わるなどプレイが無限に広がるんだ。

また、各からくりから発生させられる攻撃は
武器ごとに特徴のあるオリジナルモーションで見るだけでも楽しい。
新しいからくりを手に入れるとどんなモーションになるんだとワクワクした。

 

↑壁を使った救援。敵の攻撃を一部跳ね返したり無効化も出来るぞ。
極めつけはからくりを所定の出し方をすることで連結からくりというものが出来る。
PVなどでも見たであろう箱を6つ、操作でいうと6連続で□ボタンを押すと
羅生門こと”壁”が出来て敵の突撃が当たるとカウンターとなり弾け飛ぶ

こういったカウンターが可能な攻撃の前は大体予備動作があるため、
あっ!敵が飛んだ!〇〇×〇〇×!
とさながら対空昇竜拳のように敵への対策として打つ。決まると最高に爽快だぞ。

 

↑画面下真ん中の黄色いゲージが+1となっているのが分かるだろうか。これがリソースだ。

ただ、からくりを作るのにコストがかかるようになっている。
勿論からくりを使った攻撃はコスト分の攻撃力上昇がかかってるが、
そのためにと使いまくるとリソースが切れる。

本作上手なのが、敵を攻撃するとそのリソースがチャージされることである。
どういう理屈だよ!って最初は笑ってたんだけど、
わざわざそこら辺の木を砕いてリソース確保に走らず戦い続けられるのはヒッジョーに上手。

 

↑オンラインでのプレイ時に覚えた壁はり救援を試す図。誰かが誰かに技を教えて教えられるのだ。

そしてこれらの要素は
オンラインプレイで他人の使い方が見れる!
マップのどこにジップラインを張ったのか、テントはどこに設置したのか。
敵の攻撃にどのカウンターからくりを当てればよいのか。等ね。

MHで強敵は動画見て動きを参考にする、という話を聞いたことがあるが
バカ野郎こちとらリアルタイムで参考にできるんじゃい。
俺にとっては生の動画を見ているようなモンだよ…
と実際、特に拠点の配置などは非常に参考になる”師”に出会えるのだ。

ただ、ゲーム後半になると他人のマップ構成が下手に見えてくるんだよね。
ちっしょうがねぇなぁ俺の完璧なマップ構成を見るがいいさ!と自ら師になりたくなる。
そして野良の誰かはきっと、
「流派エクサのからくりは王者の風よ」とまた誰かの師匠となっているだろう。


からくりを起点に探索にも戦闘にも大きくMHの差別化がなされているのは間違いない。
オンラインマルチが単なる周回の時間短縮だけに留まらない
というのはからくり導入によって起こった非常に斬新で凄く面白いシステムだ。


ただ、ここまで言っても
討鬼伝が部位破壊中心のモンハン、こっちはからくりを出せるだけのモンハンでしょ?」
っていう人、いると思うんですよ。

違うんだよなぁ~。
そもそも、設計思想がMHと全く違うんだよ。

 

□君は君のままで 僕は僕のままで 全て分かり合えたなら

↑いわゆるドスジャギィポジション。こいつの時点でかなり強い!モンハンと同じ感覚だとめちゃ苦戦する!

MHと比べると全体的な難易度は高め。というか、
如何にMHが序盤で初心者が離脱しないように苦慮していたのかがわかる。

MHはあからさまに「ハイッここで殴ってくださいね!」という隙を作っていたよね。
突進⇒軸合わせの二段振り向きが代表例。
ターン制アクションとも称されるモンハンの特徴の一つ、あからさまな殴ってポイントですね。
本作、敵にそんな隙なんてありません。
オマッ、馬鹿じゃねぇのコエテクゥ!!

 

↑暴れる猪。さてどう攻撃する?

本作は基本的に敵の大きさがぶっ飛んだ大きさであり、
序盤の大きなボスであるイノシシは比喩抜きで山のような大きさ。
ここまでデカいと首を振ってイヤイヤするだけで当たり判定の暴力がプレイヤーを襲う。

さらに本作は敵の攻撃が苛烈!なのに隙が短い!
極めつけは殆どのモンスターが全方位にドーン!と放つ攻撃を持つ!

真正面にブレスを吐いてる隙に安全地帯の横から殴るっていう
MHのリオレイアでよく見る多くの狩りゲーでありがちな攻撃がしにくい。*1

範囲が広いうえに攻撃が苛烈、ついでに言えば本作はガードという概念がない。*2
どう考えてもキツイ。

じゃあどうするかっていうと2つ。
一つは壁を作って敵の行動を弾いてキャンセルさせること。
これは上述のからくりのとこで説明した通り。
もう一つはそもそも本作、敵の攻撃判定が一瞬、しかし回避判定が非常に強烈なんだ。

↑スライディング回避!MHのハリウッドダイブに当たるのだが、より早く、そして攻撃にもつながる!

敵の攻撃に合わせて回避で近づいて殴る。
あるいは、近づいて殴ったら敵の反撃に合わせて回避して離脱する。

全方位攻撃だろうと一瞬の攻撃判定に強烈な回避判定で無理やり避けることが出来る。
なんならバネを使った飛び込み攻撃なら
敵の攻撃エフェクトが画面に残っていても無敵時間で殴りこめる程である。

はいこれ、どっかで見たことないだろうか。
そう、死にゲー(ソウルライク)の設計思想だ。

 

MHも回避重要じゃない?って思う人もいるだろうが、
フレーム回避という概念はあれどMHはフレーム回避をやらないと勝てないゲームではない。
それに何より、最後までクリアすれば必ずダークソウルだったわこれ…と納得する。
絶対にする。花京院とペトルスの魂を賭けていい。

この仕様が独特の緊張感を生んでおり、プレイ中はものすごく集中してプレイすることになる。
戦闘中に部位を破壊した時の爽快感や
敵を倒し、介錯(とどめ演出)をする際のよい意味での疲労感。
死にゲー特有の「緊張からの解放」による快感があった。

↑からくり累々。そのバネ三つは何なんだ?過去の俺。

余談だが、敵と戦った後でもからくりは残る。
ひゃー疲れた疲れたと戦場を見渡すと残ったからくりが激戦を物語る。
からくりや、つわものどもが、ゆめのあと。
疲れからか思わず完全オリジナルの一句を読むほど、しみじみと風流感があって良い。


ただねぇ、長いんですよ。この記事みたい。
開発者インタビューを見ても一体にかかる時間は20分前後を見ているようで、
ソロ攻略時は一部の強敵を除いて(敵の逃亡を追う移動時間込みで)大体そのくらいに収まる。
なげぇよ。令和の速度じゃねぇよ。

流石にMHライズの初見で5分針*3はやりすぎだと思うが
死にゲー並みに回避を重要にさせといて、
集中して20分前後でようやく撃破ってのはちょっとどころじゃなくキツイ。

 

↑右のがジゴクザル。

特筆すべきは一章中盤のボスであるジゴクザル。
隙が少ないうえ縦横無尽に動き回り、長射程の遠距離攻撃と全方位攻撃を持って高火力。
MHでいうとラージャンが村下位クエストに出てきた。ぐらいの感覚でよい。
自分は初ソロ攻略した時は30分近くかかった。

EAがAPEX繋がりで配信者に案件ばらまいたようだが、
あいつら絶対これ越えられんよ、下手だろ?(偏見)

 

装備を見直したりしてようやくソロで撃破したが一章なんて初期装備で緩くクリアさせろアホ。なんで近年のMHがエンドコンテンツ以外ゆる~く作ってた波に乗らねぇんだ。
空蝉ゲーといわれた討鬼伝極のクソ難易度DNAを感じざるを得ない。

そう、このゲームバランスがクソ悪いの。

フォローを入れると、一度倒してしまえば死にゲーヨロシク攻撃タイミングがつかみやすくなって倒しやすくなるし、
また、2章あたりから連結からくりが増えてダウンが取りやすくなったり、いわゆる痺れ罠が解禁されてぐっと楽になるんだけど、罠なんてのは最初っから使わせんかい。

なんというかね。
本作は一方的にほめるのが難しいんですよね。
一個ほめると一個ダメな点が見つかるというか。

それこそ緊張感のある本作のバトルは俺は好きなんだけど、
同時に、気持ちよく殴らせてくれるタイミングの無さが気になるんだよね。

 

僕が当時、MHより討鬼伝が好きだった理由は部位破壊で「流れを奪える」のが良かったの。
一旦右足を破壊してダウンを奪ったらタコ殴りにしてゲージ稼いで
鬼千切り(部位破壊できる必殺技)で左足を破壊して再度ダウンを奪う。
部位破壊を繰り返してダウンを奪い続けるという敵から”流れ”を奪う感じが好きだったのよ。

本作もマルチなら似たようなことが出来るのだが、
ソロだとこれが出来ないしダウンが短くて部位攻撃を狙えないのも多い。

イノシシは大カウンターで大きく吹っ飛び、
空を飛ぶケモノの大半は対空からくりで撃墜して大ダウンを取れる。
しかしカウンターを取れるタイミングがわからない・あるいはないケモノもいる。

そう、ジゴクザルである。マジで何なのこいつ。

 

あとさ、狩りゲーってのは敵が罠にハマったら
それこそ弱点部位を差し出すようなポーズで固定されるべきだと思うの。
弱点は大体頭であり、それが一番地上から遠い場所になるケモノまでいる。

勿論、ジゴクザルである。今年は何年だ?!

 

ついでに発売後の3月のアップデートで新モンスターが追加されるのだが

これまたジゴクザル骨格のモンスターである。
ウッキー!今年は申年!!

 

…と、猿を目の敵にしたが
「してやったり」のようなプレイヤーが俺上手いなって思える要素や
気持ちいいなって思えないケモノがちょくちょくいるのは確か。

攻撃チャンスが少ないのはいいんだけど、
いざダウンしたらそれを取り返せる程度には長時間ダウンするとかさぁ。
狩りゲーでどこに快楽要素を求めるかってのは人それぞれだろうけど
ちょっとこう足りなさと討鬼伝極で見せたアレさが見え隠れ…隠れてねぇわ。


俺このゲームの悪いとこ、幾らでも言えるわ…
けれども…ね。

 

□強くなれたのは 君のおかげ

突にストーリーについてだが一言でいえば「割とあっさり」である。
ただ、要所要所の演出が非常に映える。

コエテクの和風狩りゲーといえば討鬼伝という人も多く、
恐らく本作にも何かしらのつながりを期待している人もいると思う。
ところがどっこい”匂わせ”すらない独立したタイトルだ。本当にゼロである。

だが、恐らく討鬼伝でやりたかったことを叶えている。

 

狩りゲーは割と昔から
めっちゃヤバい敵が来る!拠点壊滅の危機だ!
よし!任せたぞ!
「お前一人」で何とかしてくれ!

といわゆるストーリー上のボスを孤立無援で倒すパターンが多かった。
討伐専門組織になっている討鬼伝ゴッドイーターですら
ラスボス相手になぜか1チームで戦わされてた。
砲撃支援や砦を作って防衛陣を形成するのはMHワールドでようやく…だったりする。*4

 

↑冗談抜きで山と同じサイズのケモノを皆で狩る。熱いシナリオだ。

だが本作はシナリオ上のデカい敵を倒すうえで町民全員で戦うイベントが入っている。
まさに総力戦といった様相の戦いは素直に感動できウオオオオやってやるぜと言わんばかりに体と心が奮える。
専用フィールドではなく、普段戦っている場所(春のフィールド)にジップラインを大量配置した特別仕様もニクイ。
イベント演出もキレッキレ。
これで魂が震えないヤツァいない、と言い切れる名バトルである。

 

もう一つ、討鬼伝2はオープンワールドであったが出来自体は正直悪かった。
これは探索が面白くなかったのもあるが広いフィールドを生かせなかったという点がデカい。

↑狼の怒り時は富嶽三十六景!氷の波が美しく盛り上げる!

本作は敵が逃げるようになっているのだが討鬼伝の鬼は逃げずに基本ずっと同じフィールドで戦う)
パッケージモンスターである氷の狼は、
崩壊した城の一階から体力が減るごとに上に上に上がっていく。
当然、決着は天守閣。
追い詰められたケモノが怒りの咆哮を上げ、振動とともに氷づくフィールド。
これはもうテンションぶちあがりモン。決着をつけてやるぜぇ!と盛り上がる俺。
オレはカンペキに全開だったぜ…相手にとって不足はない最高の競争相手だ!!

この後狼を倒すと天守閣で倒すことを想定したムービーが流れるのだが、
シナリオとシステムがガチっとハマってるのがわかり、ひたすらに感動。
討鬼伝2って本来こういうこと、したかったんだろうな~~ってのを感じる。
時を超えたリベンジを垣間見たように思う。

 

まぁ正直シナリオは薄いんだけど。
あとキャラも大概薄いけど。正直名前があやふやなくらいには薄い!

さっきも言った通り、良いところの後ろに必ず悪いところがある作品になってるんだよね。
巷で言われてる通りとにかく粗い作品になっている。

 

 

だから、本作の悪いところは100個言える…
でもね、良いところは101個言える!

 

本当に目覚ましい進化を遂げて、
コエテクってこんなにも出来るようになったのか、という驚きと嬉しさが詰まっている。

それでいて悪いところも残しているもんだから、
間違いなくコエテクが作ったんだな!とガッカリしつつも笑ってしまう。

長く長くコエテクに付き合ってきたのだ。
悪い点が見えつつもやはりまず褒めたくなるのだ。
如何に討鬼伝と関係なくとも、絶望的と思われたハンティングアクションを復活させ、
モンハンとは似て、そして全く非なるゲームを叩き出したコエテクを!
やりおったぞコイツラ!と!

 

□総評

俺は傑作。普通の人なら良作~凡作って感じかと。

全てが新鮮で、全てが新しい。
技術のジャンプアップと、全く新しいハンティングアクションというだけで
ものすごい加点をしてるのは事実だがそれを引いても非常に楽しかった。

あくまで個人的には、
2章以降はちょっと厳しいがまともなバランスではあり
歯ごたえのある死にゲーライクなハンティングアクションとして楽しんだ。

ただまぁ周回はマルチでやってたし、
ライトユーザーに勧められるかというとNOなので、
難易度低下パッチが出てくるならもろ手を挙げて歓迎したい。
というかやれ。
近接全般の火力と部位破壊力を上げれば大分ゲームとしてまともになるかと。

 

一応、もう2つほど差別化の話をすると
本作はからくり自体に強化要素があり、
経験値のようなものを注ぎ込んで新たなからくりなどを開放したり強化可能。
ハンティングアクションに経験値ってのは邪道ではあるとは思うが、
素材集め周回自体は必須なので、素材集め以外に経験値稼ぎにもなってモチベも保たれる。
ただ、全開放・必要なものだけでもかなりしんどいのは事実。

武器はスキルツリー型になっており、スキルを継承させることが出来たり、
防具は改造が出来、デザインが変わる。
武器改造周りも非常に斬新で面白い、
しかも改造の戻しは素材はいらないなどコエテクのくせに優しいじゃねぇか!と思いつつ
そもそもの要求素材数がイカれており、ああコエテクだと納得する。

…と、こういった良さと悪さが常に同居しつつも、
良い点のほうがギリギリ上回っている危ういバランス。
「全体的なバランスがギリギリ許容できるけどお前さぁ…」という感情が付きまとう。

 


↑わざと頭装備を表示状態にしてますけどいやダサいわコレ。

あとやっぱ装備がダサいのもいや。
その黒い羽根はmobageの課金アバター
MHも大概ではあるが敵の素材を使うってことを諦めたほうが良いのでは。

 

と、色々モノ申したが
新しいことをやるぞ!!ってやって実際凄い個性の塊のようなゲームになったと思う。

新世代のモンハンという人もいたがどこがモンハンだ。
馬鹿めモンハンはもうちょっと優しいわ!

と、ライトゲーマーに勧めにくいのは事実ではあるが
ハンティングアクション・死にゲーを楽しめる人ならばやる価値は十分あるかと。
特に討鬼伝を楽しんだプレイヤーには本当に感動できると思います。

是非新世代のコエテクハンティングアクションを楽しんでほしい。

あと続編出てほしいから買ってほしいな…(本音)。
ではまた。

↑ともに作りたい。WILD HEARTS2という夢を!楽しみに待ってるぜ!

*1:一部ケモノで出来なくはないが基本的に弱いケモノばかりである。

*2:パリィはあるがガードはない。

*3:MH用語。10分未満で倒すこと

*4:ラオシャンロンへの投石も含めれば一応P2Gからともいえるが流石にあれを協力とはちと思えない…。