書こう書こうと思って書かなかった記事というのは割とブロガーあるあるだと思うのですが、
あまりにもいいタイミングが来てしまったため書いてしまいました。
普段のレビューとは違い、完全に主観であり読者のことをなんも考えて無い記事です。
アレでも一応読者のことを考えて書いた記事なんですレビュー記事。
そしてあんまりタメにならない話です。
それでも良ければ以下、是非よしなに。
□前置き。
最近『LOST EPIC』という2Dアクションゲームをやりまして。
ゲーム自体はそれなりに面白かったんですが
そのゲームをやっててふと、そういやモンハン以来だなこのタイプのゲームってなりまして。
で、誰も語らないというか言い切ると怒られるからか言わないけど俺は言う。
コンシューマにおけるハンティングアクションは「モンハン以外」死に絶えたよね、と。*1
衰退とか言う生易しさではなく絶滅です。
事実として、モンハン以外のハンティングアクションは
2018年12月のゴッドイーター3(以下、GE)を最後に登場していません。
丸四年出てなかったらそりゃ絶滅判定して良いでしょう。
ちなみにモンハンは元気に2018年から5年で4作という驚異的なペースで発売しています。
死に絶えた理由については端的にコレだ!というものはありません。
実際にはいくつもの要素が重なり合ったことが原因だと思います。
ゲーム自体の評価が芳しくないとかPC・海外市場だとかメーカーの方針とか。
特にGEはCSの展開や他メディア関連がいくつもコケたのが大きいですし、
討鬼伝は極商法やSteamでも展開したけど移植回りでトラブってごたついたとか。
ただそれを全て説明するのは流石に面倒かつ煩雑になります。
なので、客観的な大きな理由を一つ。
そして、ゲーマーとして見た時の理由を2つ。
計三つ話そうかなと。
□ぶっちゃけ本来これだけ語ってればいい客観的な問題と理由
早速ですが
客観的な一番の問題は携帯機市場の撤退です。
そしてそれの引き金になったスマートフォンの登場。
スマホが狩りゲーを狩りつくしたと思っています。
DS/PSPの頃は携帯機の絶頂期。
それまで国内で最も売れた据置機はPS2の約2100万台でしたが
それを軽々超えてDSは約3300万台、PSPはそれにほぼ並ぶ約2000万台でした。
そして「モンハン以外」の全盛期はPSP~Vitaへの移行期。
狩りゲー達も共闘学園と言うキャンペーンと共にプッシュされ、
討鬼伝は55万本、GE2に至っては70万本とモンハンの400万本と比べれば霞むものの十二分に売れてました。
当時のPS3で発売されたテイルズ本編であるエクシリアが国内67万本ということを考えるとその規模がわかるでしょう。
時代の炎に抱かれて売れろ、まさに時代と寝たゲームジャンルと言って過言ではないかと。
そんな携帯機の絶頂からわずか一世代で一転、
WiiU/3DS、PS4/Vitaの時代は発売から1~2年ほどで携帯機は一気に苦境に立たされます。
理由は先述の通り、スマートフォンの登場によるものです。
皮肉にも過去の任天堂、そして故岩田社長が目指した「ゲーム人口の拡大」。
その真の成功はスマホによってもたらされました。
過去、通勤電車の半分でDSをやる人がいた00年代後期から
今や老若男女全ての人がスマホで情報を仕入れ、ゲームをする時代に。
お母さんがツムツムにハマったり、お爺ちゃんがポケモンGoをやったり、
おばあさんがヤフー掲示板で荒らしまわったり、渋くてカッコいいお父さんが対魔忍GOGOを遊ぶ時代。
事実上携帯所有者=ゲーム人口ですのでこれ以上のゲーム人口の拡大はありえない。
GREE/モバゲーがガラケーでも出来るソシャゲでブイブイ言わせてた時期は
オタク界隈もヘッあんなのがゲームかよ!と言ってましたが、
モバマスが登場以降は一気にオタク界隈の態度も軟化。
そしてパズドラ・モンスト登場以降は一気に携帯機の価値が急落していきました。
リッチなゲームは据え置きで、出先での暇つぶしや簡単なゲームはスマホで。
という棲み分けが出来てしまった。
特に海外市場はこの傾向が顕著で
- DS⇒3DS:1億5400万台(国内3300万台)⇒7600万台(国内2600万台)
世界:約6割減(国内約2割減) - PSP⇒Vita: 7600万台(国内2000万台)⇒1600万台(国内600万台)
世界:約8割減(国内約7割減)
台数の減少数自体は意外とどっこいどっこいなんですが
PSP⇒Vitaの下がり率が読むグロ画像。7~8割減って。
子供向けのおもちゃとしての分厚い需要の土台があった3DSとの差が出た感じはします。
そして任天堂・ソニー共に携帯機から撤退してしまいました。
その市場が撤退した煽りを顔面で食らうのが携帯機メインのソフト、つまり狩りゲー。
共闘学園でカテゴライズされた
狩りゲー群の多くは売上・評判のどちらか、あるいは両方が足りず自然消滅。
先述のGEや討鬼伝は据え置きにも展開しようとしていましたがそんな上手くいかんかった。
討鬼伝2は25万本と半分以下に減少。
GE2RBは41万本と粘りますが完全に携帯機が消えたGE3は20万本程度。
何故狩りゲーが据え置きで売れなかったのか?と言われると中々難しいのですが
そもそもPSPで400万本売れてブォンブォン言わせてたモンハンでさえ、
当時バカ売れしてたWiiの『MH3』が100万本程度で収まっているんですね。
答えの出ない問題ですが個人的には
- 単純に持ってないハードで出たから買わなかった。
- 無料のマルチプレイタイトルが既に存在したことで友人間の遊びの選択肢から外れた。*2
- 国内の据置への抵抗が思った以上だったうえ、据置中心の海外でも携帯機メインのタイトルの事実上の移植は受け入れられず売り上げの低下をカバーできなかった。
等があったのかな、とすんごい雑に想像してます。
ま、理由はどうあれ
携帯機がメイン市場であるゲームジャンルが
携帯機が無くなった後の据置市場で上手に立ち回れなかった。
ということかと。
□ゲーマーとしての主観考察①「便利なモンハン」からの脱却失敗
さて、ぶっちゃけ結論としては前項で終わっているためここからは完全な主観。
一人のゲーマーとして見た最も大きな敗因、それは
売れ筋だった討鬼伝・GE共に「便利なモンハン」から抜けきれなかったこと。
もっと言えばモンスターハンターが唯一正解を選んでしまっていたから。
あるいはみんなでそれを正解にしてしまったから、ということがあると思います。
いわゆる「モンハン以外」に共通する特徴として、
「人類滅亡一歩手前の世界観」と言うのがあります。
- 狩りゲーである以上敵を何度も倒す必要がある
- ⇒やっべー敵が一杯いる必要がある。
- ⇒それはもう人類全滅手前の状況じゃん。
- ≠人類と敵との生存戦争。
という1+1=2ぐらいの凄まじくシンプルな三秒で作ったような方程式で作られている。
これはGE・討鬼伝に限らずソルサク・ラグナロクオデッセイ・フリーダムウォーズもそう。*3
しかしオリジナルであるモンハンだけが唯一、世界の危機とは無関係な状況からスタートしてる。
敵は野生生物である。
⇒なので鹿とか猪とかと扱いは一緒!
⇒ゆえにある種牧歌的でさわやかな世界観ができる!
この牧歌的な世界観が一般層に売るって意味ではある意味正解だったりするんだけど、
ここで言うのはそういう意味ではない。
例えばGE。
これ、敵と戦ってると敵が補食という意図で移動して光るアイテムを食べだす。
モンハンのモンスターはどこまで行っても(一応)野生生物なので、
敵を倒すよりも自分の生存第一で逃げるのはまぁわかる。
しかしGEはアラガミ、荒ぶる神なのでそれが
モンスターと同じように逃げて飯を食い始めるってのがイマイチ納得がいかねぇの。
しかも隙だらけの背中をさらして、後ろでプレイヤーがタメ攻撃のタメしても無視してる。
認知症のボケ老人でももうちょっとカンがいいぞ荒ぶる神様よぉ!
これもうはっきり言ってしまうんですが
アラガミがHPが減ったから逃げるって行為は体力回復や命の危機だから逃げるのではなくて、
「パクリ元のモンハンがそうだから逃げてる」だけなんですよね。
だってプレイヤーへのリターンが一切ないですもん。砥石すらないからただめんどいだけ!
討鬼伝の鬼も「人間の魂を食らって生命力にしている」という設定がありながら、
プレイヤーを掴んでなんかこう…吸ってくる攻撃とかも無い。*4
具体的に生命力を吸うシーンはImagineしてほしいんですがそういうのは無い。
鬼や神を名乗っているだけで生物だ、と言うとしてもそうすると
生物としての描写の積み重ねが薄い。
寝てるシーンは?ツガイがいるシーンは?争いあうのは?共闘するシーンもない。
アラガミ・鬼には殺しきれないだけでダメージがあるのに砲撃支援が無いのは何故か?
モンハンがそうだからだ。
一人でも死んだら組織として痛手なのに回復アイテムを買うのに何故金が要るのか?
モンハンがそうだからだ。
なんで苛烈な生存競争してるのにたった4人のPTで戦うのか?
モンハンがそうだからだ。
ついでになんでバーストだの極だの完全版商法するの?
もろちんモンハンがそうだからだ。
俺はね、安易にPTの仲間を増やせとか減らせとか言ってるんじゃないんですよ。
いや完全版商法はやめろって安易に言うけど。
自分たちが作った世界観に合わせろ
もっと言えば世界を作れって言ってるの。
これまでのFPSがスクワッド(4人)チームだったのをApexが3人をデフォに変えたように
ジャンルに縛られずに最適解を見つけるべきなのに
モンハンを正解にしてしまってる。
細かいところでモンハンがこうだからこれでいいやってしちゃってる。
ただ事実としてGEにせよ討鬼伝にせよモンハンを研究して
モンハンの不便なところをなくして作ってるんですよね。
砥石なくしたりアイテムの概念無くしたり敵の位置が最初から分かったり。
実際、出来はいいしやってて楽しいんですけど、
「便利なモンハン」を作るってのは時限爆弾を抱えるようなもんでもある。
そして、実際爆弾は爆発した。
本家本元がモンスターハンターワールドにて
「便利なモンハン」になってしまったのだ。
砥石の無限化から始まり敵の位置が分かるなどこれまでの不満を一気に解消。
そして何より
モンスターは生物であり、ハンターも生物である、ともに自然の一つである。
という大前提を元にした世界の構築が為された。
GE・討鬼伝を全シリーズやっているファンとしては
余りにもしなやかに格の違いを見せつけられたような感覚があった。
んでね、モンハンとは全く違うプレイ感を出したタイトルも共闘学園にあったのよ。
それこそソウルサクリファイスであったり、フリーダムウォーズだったりね。
ただ、ソルサクについては熱の強いファンが今でも割といるけどそんなに売れなかったわけ。
結局皆やりたかったのはモンハンだったわけ。
だから似たようなゲーム性の共闘アクションの2つが売れちゃった。
実際に来た今だから言うけれど討鬼伝やGEが曲がりなりにも売れた理由の一つとして
これが売れたら(正解である)モンハンがPSに出てくれるかもしれない。
って思ってた部分も正直、あるんじゃないかなと。
すっごい情けないんだけど個人的にはそういう部分はありました。
おそらく当時を生きたPSファンにも似たような感覚があったんじゃなかろうか、と思っています。
そんで実際PS4に便利で凄いモンハンが出た。
じゃあモンハンやればいいじゃん、と言われた時コピー達の運命は決まっていたのです。
□ゲーマーとしての主観考察②古臭いゲーム性と可処分時間
そしてスマホがもたらしたもう一点の要素として
人間の可処分時間の奪い合い。
冒頭で触れた『LOST EPIC』の話に戻るんだけど、
このゲームって武器を生産・強化する要素がありますが、
モンハンを思い出してください。まんまそれです。
2Dアクションのくせに素材を集める必要があって、目当ての素材が出るまで何度も戦う必要がある。
それが結構めんどくてしんどい。
戦闘開始から数秒で決着する戦いでも、敵まで移動するのが面倒なのよ。
それこそプレイした時の印象としては「面倒」、よりまず最初に
「何この古臭いゲームシステム」って思っちゃったのね。
このゲーム他は割と面白くて80点くらいはあげていいかなと思ってたけど、この仕様だけでマイナス20点してる。
ただそういいつつもグラブルなんかは数秒で終わる戦闘を1000回とか俺はやってるわけ。
これこそ本当に一切データの無い完全な個人の主観であり妄想なんだけど
人間は周回自体はそこまで抵抗なくやれるけど、
周回のめんどくささの許容できる閾値が下がってるように思う。
時間の価値、コスパならぬタイパが上がってるように思うワケ。
だってさ、
レベルを1上げるためにリアルで半年から一年かかるMMOが現代では根絶されたでしょ?
モンハンでさえP2Gの頃の1クエスト30分から最新作は5~10分程度になってるでしょ?
倍速で映画見るってのがマジでやる人がいる「時間の価値が上がっている時代」でしょ?
動画見ながら片手にスマホで”ながら周回”は1000回走れても
両手をコントローラーに置いて集中して同じ敵と何度も戦う。
出るかどうかもわからん素材のために。
パズドラが2012年、グラブルが2014年に登場して日本国民全員がスマホでながら周回やってる時代にこの仕組みもう無理じゃないかなと思うわけ。
モンハンはもうさ、スターバックスが「スタバでコーヒーを飲む体験を売る」様にモンハンをやるという体験を売っているフェーズに入ってると思う。けれど
全く違うブランドでこの古臭いシステムが現代で受け入れられるのか?ってね。
そして実際にめんどくさくて弾かれたのがスマホ氾濫以降の「モンハン以外」じゃないのか?って思ってしまった。
あくまで個人的に…ね。
□最後に。
さて、長々と書いてきましたが冒頭で言った通り、十把一絡げに原因はコレだと言えません。
個々のタイトルが死んだのは要素がいくつも重なったせいです。
GEなんてスマホもアニメもコケたのが致命傷。
実質派生作品のコードヴェインに時間を取られたのがトドメだった気がします。
ブランドを潰す方法を教えてあげようか?5連続でコケることです。いやよく5回も持ったな。
討鬼伝2は着眼点は良かったと思うんですよね。
続編でオープンワールドにしますってことでなんとか便利なモンハンから抜けようとした。
携帯機市場の未来の無さに気づいて世界で売るために大幅に仕様を変更した。
けどオープンワールドはイマイチ、集会所を残してしまったから結局後者ばかりプレイしてた。
あとスマホゲーがクソゲーに片足突っ込んで片腕も持っていかれてました。
等価はブランド崩壊です。
時代に適応できず、時代に嫌われ、時代の先を行けなかった。
時代と寝て、時代に負けたのが「モンハン以外」だと思います。
2016年の討鬼伝2と2018年のGE3、それぞれ次を出してほしいと思いつつも
ああ、死んでしまったんだな、と感じていたのがここ数年でした。
眠るように逝ってしまった戦友たちを愛おしく慈しむ様に
蘇らない彼らを思い出すだけの何もない四年間でした。
…
…
…
そのときふしぎなことがおこった。
は?
9月28日 - 狩りの始まり 🐺
— WILD HEARTS JP (@WildHeartsJP) 2022年9月26日
チャンネル登録と視聴予約をして、#PlayWildHearts の公開トレーラーに備えよhttps://t.co/RmSXb8JjF9 pic.twitter.com/UGT2cQ4f6g
EA×コエテクで中世日本を舞台にしたハンティングアクション!?!?!!?
見た瞬間口から心臓と胃が出た。
EAは正気なのか?いやアイツらいつもおかしいわ。コエテクもだわ。
今回の記事を書いた理由がお判りでしょう。これです。
え?マジでハンティングアクションを復活させるの?令和だぞ?
このTwitterの画像だけ見るとなんか犬になって敵を狩るみたいな
意識高い系が考えて実際には売れないサラダマックのようなタイトルにならんか不安です。
しかしながら、
やっぱモンハンやればよくね?って感じのタイトルになるのも困る。
あと、討鬼伝は売れなかったので討鬼伝ってタイトルは絶対につきません。
もし討鬼伝3だったら桜の木の下に埋めてくれてかまわないよ!
というわけで9月28日23時から、つまりこのあと動画公開。
不安ですが期待しましょう。
頑張れコーエーテクモ。
エクサ17歳はコーエーテクモを応援しています。
(コエテクの記事大体このオチだな)
*1:誤解が無いように言ってくと、ここでいうハンティングアクションは銃を持って鹿を撃つようなものではありません。
*2:F2Pの代表的なタイトルであるフォートナイトは討鬼伝2やGE2RBよりも遅いがそれ以前からバトオペやMAG等無料で出来るマルチプレイゲームはあった
*3:まぁラグナロクオデッセイも未だに存在する公式サイトで生存競争を謳ってるけど妙に明るくてさわやかな世界観ではあったりします
*4:ゴウエンマの特殊行動でそれっぽいのはあったりする。ただ、鬼全体の特徴というには厳しい。