ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

おいでよカルトの森。『Cult Of The Lamb』レビュー

やるゲームが無いと言ったら降ってきたでござるの巻(挨拶)

また夏である。PSゲームの発売が少ない夏である。
どうすっかなー龍が如く7やってないしやっかなーと思ってたらこれが来た、ハマった。

なんとたった二日でクリアして速攻レビューを書いてしまった。
たった二日?密度が薄いのか?だと?バカ言っちゃいけねぇ。

滅茶苦茶面白かった
『Cult Of The Lamb(カルトオブザラム)』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

□概要

その時の私は繋がれた子羊だった。
この後の運命も知らず・・・ではなく知っていることこそが不幸だったのか。
恐怖と後悔の混ざった唾を末期の一杯として唇を震わせ、厳かに首を差し出す。
四人の教祖の前で私はぎゅうと目をつむった。

───確かに死んだ。はずだった。

真っ白な世界で私の前に神が現れ、私を蘇らせた。
新しい神は、私に命と、力と、そして使命を与えた。

生めよ、ふえよ、地に満ちよ、他の者を従わせよ。

 

そうして”私”が始まったのだ。
世界と迷えるものを導く教祖としての物語と共に。

エクサの教団 次界創像聖典 第一節 第一章『始まりの概要』より。

ゲームとしてはタイトルの通り!
『子羊の教団』というように主人公の子羊がカルト教団を作り、他の4つの教団をぶっ潰す!
というカルト教団経営ものとなっている。

丁度日本でカルト教団が話題になっている中まさかの超タイムリーなネタで笑ってしまったが、これがいやはやよく出来てて面白い!

というわけでレビューしていこう。

 

□しょーこーしょーこーしょこしょこしょこしょこ

さて、一般的・・・というのもあれだがいわゆるカルト教団の教祖と聞いてどういうイメージを持つだろうか。

やはり信者に働かせて自分は女信者とニャンニャン(死語)するイメージではないだろうか。
では本作の教祖(プレイヤー)はというと。

木を切り。

岩を掘り。

建物を作り。

収穫し。

料理をし。

ウンコの世話までする。

教祖の姿か?これが…?
と、おおよそ一般的なイメージとかけ離れた酒池肉林とは程遠い
教祖(プレイヤー)が一番働くというゲーム性なのである。
本作カルト教団経営シミュレーションというよりは牧場物語に近い。

 

主人公は教団を維持するために信者に対して快適な環境と食事を提供し、
信者はその見返りとしては信心、そしてさらにいろいろなものを差し出す形となる。
意外にもギブアンドテイクの関係が成り立っている。

しかしながら教祖の仕事はこれだけではない。
教祖の仕事と言えば?

そう、冒険である。

 

□聖戦(ジハード)!聖戦(ジハード)!暗殺(ジハード)!

↑まさかのローグライクアクション。攻撃・回避そして魔法のようなものも!

さかの本作、教祖自ら敵対教団の親玉をぶっ潰しに行くことになる。
令和のカルトは現場主義だね!
オ〇ムでも教祖自らはやらなかったぞ?

↑左からルート選択・タロット選択・武器選択。ダンジョンは選択の連続だ!

ゲームとしてはローグライクアクションになる。

当然ながら入るごとに変わるマップ、
Slay the spyreで見たようなルート選択、
タロットカードによる二者択一の強化バフ選択、
複数の武器の種類を選択して装備する、といったような
よくあるというか凄く基本的なローグライクではある。

ただこれ、上手なのが軽快な動きとダメージ時の爽快感の出し方!
敵を切るとバシーン!という音と共に画面が揺れる!シンプルながら気持ちいい!

 

↑クリア後のリザルト画面。ノーダメージボーナスが嬉しい!

また、1ダンジョンの攻略にかかる時間も5~8分程度とかなり短めでテンポがイイ。
ダンジョンクリア後には道中で拾ったアイテムをずらっと羅列して結果を表示してくれるのだがボスをノーダメージで倒すとボーナスが入るのがニクい。
細かいけどぼくこういうテクニック評価系の要素だーいすき!

単なる経営シミュのオマケに見えてたが、中々よく出来ていて面白い!
強化バフタロットにもかなりの種類があり、飽きさせずにプレイさせてくれるぞ。

 

基本的には何度かダンジョンに潜って素材を集めつつ、
その最深部にいるボス、そして敵対教団の親玉を4人倒すことが目的となる。
だが中々敵が強くて勝てない!
そんなときは!
信者の祈りを力に変えるのだ!

 

□総括せよ!

↑森の真ん中の像から信者の祈りパワーを受け取る!うおおおお!信者の皆!俺に元気と現金を分けてくれ!

いですね。
信者の祈りを力に変えると聞くとなんか爽やかに聞こえるもん。
ただ実際、信者は日常の業務を行いつつも合間合間で森の中央の像に祈る。

↑ストレッチパワーならの祈りパワー!設備を強化・拡張して人を増やす余裕を作ろう。

どうだい?祈りのパワーが溜まってきただろう?と
定量貯まると設備を選んでアンロックできるようになる。
これにより教団の設備を拡張し信者により快適な暮らしをさせてあげたり、生活の余裕を作れる。

例えば上の画像で選んだ畑なんかは貴重な食糧リソースの確保につながる。つまり、
設備の拡張⇒人員増加⇒祈りパワー増加⇒設備の拡張…
というサイクルが回っていくわけだ。

 

↑拉致…ゴホゴホ、導かれし者は名前・見た目を変更可能。そして一人一人違った特性を持つ。勤勉とか怠け者とか。

え、人はどうやって増やすのかだって?
例えば森の中で今にもいけにえになりそうなやつを助けたり、
ボス敵は人間が化けた(敵教団に力を与えられた?)やつなので倒すと仲間になったり。
そういった可哀そうな境遇の彼らを洗の…ゴホゴホ。
んーまぁナウい言い方するとブレインウォッシュすることで教団に加え入れるわけだね!
真実っていつも優しい!

 

そしてここから教祖が教祖たる所以。そしてこのゲームがカルトである意味。
説教・儀式・教条について説明しよう。

↑アナタハカミヲシンジマスカ?残念俺が神だ。信者の力を集めて教祖を神のごとく強くしよう!

説教は読んで字のごとく、説いて教える。
ありがたい説教を聞くと、信者からは祈りの力とはまた違ったものを吐き出す。
その力が一定量貯まると教祖の戦闘能力が向上する。
さっきのダンジョンで詰まった場合はこれを一日一回繰り返すことで強化していくんだ。
勿論これも信者の数で量が増減するぞ。

 

↑イエーイ!サタデーナイトパーリーピーポー!祝宴はムッチャムッチャ食べるアニメーションが可愛いぞ。

次に儀式
これは簡単に言えばイベントを起こして様々な奇跡を起こす。
例えば最初は大きな篝火の周りでサタデーナイトフィーバーして信仰心を回復させる、
祝宴と称して信者全員にご飯を振舞って満腹度を回復させる、といった程度だった。
最終的にはいきなり全ての農作物が即成長したり、建築中の建物がいきなり建設されたりと様々だ。

 

↑必ず二者択一で選ぶことになる。さて、どっちの教条が欲しい?

さてそんな儀式も何が出来るようになるのかは教条にて決まる。
教条とは簡単に言うと教団のルール、そして実質教団へのバフでもある。

教条は5つのカテゴリに4レベル、つまり最終的に20種類選べるわけだがそれらを選ぶ際に二者択一になる。
上の画像の様に忠誠心を取るか、作業速度を取るのかといったようにどちらも教団に必要な力で非常に悩ましくて楽しい。

そしてこの教条の取り方によって、
非常にマッドなカルト教団になるのか、
ちょっとまともなカルト教団になるのかを選ぶことが出来る。
あ、カルト教団作りからは逃げられんぞ。

 

例えばカルトらしく信者からガンガン金を巻き上げることもその逆の施す教団にも出来る。

例えば生贄こそが素晴らしいというルールにすることも出来るし、安楽死も出来る。

そして生贄を行うと得られる信者肉、つまり
人肉を喜んで食う教団にも出来るのだ・・・!

キャ~~~~~~~~~!!
カ・ル・ト!カ・ル・ト!カ・ル・ト!

キミの選んだ教条で最強のカルト教団を作ろう!
という血なまぐさくもカルトなやきゅつくを楽しめるんだ。

 

・・・と色々と要素を紹介する感じになってしまったが本作の本質的な面白さは何かと問われると
とかく大量に出るアイテムと選択の面白さだ。

プレイすればするほど見たことのないアイテムや武器や素材に料理。
あとはいける場所も増えていく。
そして勿論、上記に挙げた設備・教祖の強化・儀式・教条。
少しプレイを進める度にやれることと選択することが増えていくため全く飽きが来なかった。
え、どのくらいボリュームあるんだコレ?と感じるくらいには大量の要素がちりばめられており、
とにかく楽しい、とにかくもっとやりたい、とプレイを止める気が全くしなかった。

 

 

さて、話は突然変わるが山本直樹氏が描いた『レッド(Red)』という漫画がある。
これはM作戦(強盗)やあさま山荘で有名な連合赤軍を描いた漫画である。
連合赤軍カルト教団、というのは少しズレるだろうが(教祖などはいなかったわけであるし)、異常な状況下で少人数が集まり生活し、そして異常な状況が作られていく…というと似た点はある。

連合赤軍と言えばやはり山岳ベース*1という仲間同士でリンチを行い、それが正当化されていくという狂気の事件のイメージが強いが、この漫画を読んだ元連合赤軍メンバーは作者山本氏にこう言ったそうな。

「もっと楽しそうに描いて、実際楽しかったんだから」*2

これは勿論、内ゲバやリンチより前の活動部分を差して言っている。
…が、山岳ベースの悲惨さを知っていると中々爆弾発言だと思ってしまう。

しかしながら如何におかしな集団とはいえ皆で一つの場所で集団生活を行い、理想に向かって一緒に力を合わせて生きていくって考えりゃそりゃ楽しいだろうなと。
アカのくせに青春だろうな、と。
そしてこのゲームもそのあたり非常に上手く作っている。

↑教祖が建物を建ててると協力しに来てくれる!嬉しい!一緒に頑張れると楽しいね!ね!

例えば建築物を建てる際に信者が一緒に作ってくれたり、
信者同士が自分のあずかり知らないところで友達になったりと
一緒に生活してる感を出してくれるんですよね。
そして先述の通り何より楽しい。止められないほどに。

シヴィライゼーションや本家牧場物語の様にあと一日、あと一手だけ。とプレイする手が止まらない。
常に新しい発見があり、自分が強くなっていく感覚を味わえる。
こりゃあハマるわと!

 

そしてそれはおそらく実際のカルトも・・・と考えると怖くないですか?
僕はちょっぴり、震えましたよ。

 

□総評

傑作です。
今年ナンバーワン級、と言っても過言ではありません。
プレイ時間自体は約10時間ほどでクリアできるのですが物凄く濃密にハマったハマった。
時間を忘れて、いや忘れさせてほしいと思ったゲームは久々です。

 

ただ、本作よくない点として2つ。
一つはバグが多いところ。
進行不能ではないのですが、ダンジョン内で敵がいなくなってドアが開かず詰んだ。
次のエリアに向かう際に〇ボタンを押しっぱなしだと詰んだ。
おそらくこれが結構頻発します。

もう一つは処理が重いところ。
スイッチ版の動画を見ましたがちょっとこれ結構重いんですよ。
でもね、PS5版もちょくちょくカクつくんですよ。
敵が出す赤い玉が大量に出るとガクッて落ちる。
おそらくコンシューマへの最適化が出来てないのかなと。

 

↑最初はこんな寂しかった森(左画像)がこんな賑やかに(右画像)。しかし建築場所に失敗すると悲惨な町計画に。

あとこれは上記と違って悪い点というか要望になるんですが、
一度作った建築物が壊せないんです。

本作は上の画像の様に森の中をかなり自由にデザインできるようになっていて、
映画「ミッドサマー」みたいな感じにしたい!と頑張ってデザインしてもね。
変なところに建物作っちゃったー!ってやるともう取り返しがつかない。
え、アーリーアクセス版かなんか?とここはちょっと落胆しました。

◇◆ 2022/08/14 19:15 修正 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
読んでくれたフォロワーからの指摘があり、建築物は移動・破壊できるとのこと。
自分も建築メニューから出来ることを確認しましたので上記を修正します。
大変失礼しました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ただ、迷ってるなら即買った方がいいです。
断言できるくらいには出来がイイです。本当にお勧めの一本。

え~~なんか怪しいなぁ、ですって?
いやー皆そう言うんだよね(笑)。
まぁまぁ確かに怪しむ気持ちはわかるんだけどさ(笑)
俺も最初はそう思ったんだよね~~。まぁちょっと怪しい魅力はあるかも(笑)
でもね、本当いい体験になるから!騙されたと思って買ってみなよ!

何なら一緒にボランティアで清掃とかどう?今週の週末の予定は?友達もできるよ!

・・・
・・・
・・・

 

さぁ、いらっしゃいませ我が教団へ。

ではまたこのブログで待ってるから!次はいつ来れる?明日でもいいよ!
そういえばいいもの持ってるんだ!ほらこの壺はね、ちょっと高いけどモノはいいから・・・

*1:詳細を知らない人は知らないままの方がいいです。

*2:参考:https://togetter.com/li/1898015