ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

地球卍リベンジャーズ。『地球防衛軍6』レビュー

今更とか言わないで(挨拶)

地球を救ったり、地球を守ったりするゲームは幾らでもある。
しかし、地球を防衛するゲームは一つしかない。
たった一人でも生き残り、歯を食いしばって戦う。
どこかの知らない誰かのために戦うことに浪漫を感じる男も女も沢山いると思う。

そんな人のためのゲームがある。たった一つだけあるのだ。
というわけでそんな人のために地球防衛軍6』についてレビューしよう。

ではよしなに。

 

□概要

 

───絶望の未来を生きろ。

 

宇宙人「プライマー」の襲来、そして撃破から三年。
10分の一まで減った人類はわずかに復興の兆しを見せていた。

本隊は去ったものの未だ残る宇宙人の残党をすきっ腹を抱えて狩る日々。
人類の希望をつなぐため、遠い未来を思いながら───。

だがその日々は唐突に破られる。

空に浮かぶ巨大な環。
それが発する光に包まれた自分の体は、意識は、地平の彼方へ遠のいていく。

それは長い長い旅の始まり。
地球を、絶望の未来から防衛る(まもる)物語。

The Earth Defence Force 6
Begins Now.

基本的には本作は敵を撃って倒す、というシンプルなゲーム性である。
基本ジョブであるレンジャーにおいてはスタイリッシュなアクションも無ければ超能力も不可能。
主人公は実質名無しの権兵衛で特殊な素養はない。コールサインとして”ストームワン”はあるが)

だからこそ面白い。

一般人だからこそ英雄足りえるゲームだからこそできるドラマの面白さがある。

ではレビューしていこう。

 

□我らは歩兵隊。燃えたぎる闘志のタフガイだ。さあ、雄叫びをあげろ。


↑少し遠いからわかりづらいが巨大な蜂がアホほど大量に迫ってくる。すべて打ち落とせ。さもなければ死あるのみ。

めて地球防衛軍シリーズについて説明しよう。
先ほども言ったように基本的には敵を撃って倒すだけのシンプルなゲーム性だ。

ただし、一般的なFPSが人間、あるいは人間型の敵であることが多いのに対して
本作は大量の巨大な化け物が迫りくるという形式である。


↑敵は必ず怯む。そして一部は部位破壊出来るようになっている。画像は表面だが四肢を切断できる敵も。

本作、というより地球防衛軍シリーズにおいて最も良い点として、
一部の巨大すぎる敵を除いて
銃で撃ったら怯む様になっている。
まずそれが楽しい!

こちらを狙って射撃をする敵がいるが、当然敵の照準はこちらの攻撃で怯んでブレる。
結果的にこちらへのダメージが低減、0になる。
まさに攻撃こそが最大の防御というゲーム性を生み出している。

 

また、敵の数は非常に大量に出てくるため、どの敵を攻撃するのかという戦略性もある。
最も近くの敵なのか、こちらを狙ってくる敵なのか。

↑大量の敵。そして次の瞬間襲い来る弾幕。躱せ、当てろ、逃げろ。そのうち気持ちよくなってくる。

しかし、そうこうしているうちに大量の敵がこちらを狙って突っ込んでくる。
大量の敵と弾幕をかいくぐり、リロードで生まれる隙に恐怖しながら
撃つ。
撃つ。
撃つ。
走る。
走る。
走る。
避ける。
避ける。
避ける。

これを繰り返していると────
ハイになる。脳が、灼ける。

とにかく大量の情報が突っ込まれて処理をしているとランナーズハイのような興奮状態に陥る。
これこそ地球防衛軍シリーズ最大の魅力。

しぬしぬしぬしぬぅぅぅうう!!と必死になりながら敵を倒している。
本作は武器が二本持てるが片っぽを使ってる間にオートでリロードはしてくれない。
だから決定的なスキが生まれる。この瞬間の恐怖がより必死さを与えている。
死にそうになりながらもプレイしている間の顔は笑顔。

笑顔とは本来攻撃的なものであり獣が牙をむく行為が原点である。
敵を打ち落としほくそ笑み、全滅させてにたりと笑う。
天国なんてつまらない、と創作作品でよく聞くが同意する。
地獄にこそ笑顔は宿る。
そして、戦場は偉大な救世主だ。地獄の混沌が真の英雄を生み出す。

グングンと戦果を挙げていく主人公、すなわちプレイヤーが周りから英雄と言われて称賛されていく様は非常に気持ちいいぞ。

 

□皆が居なくなり、敵だけが残ったこの街で。 もう戦う理由は、一つもありはしない。

↑乗り込んで攻撃できる兵器も、空からの爆撃も可能。きちんと当たったかは表記されるので安心!

作5⇒6からで変更・改良された点として上げておくべきことは三つある。
まずそのうち一つに「ダメージの表記」がある。武器の横の数字ね。

モンスターハンターがワールドにおいてダメージ数を表記するように仕様を変更した際、
「けっ、モンハンは血しぶきの量でダメージを見るんでい!ゆとりはすっこんでろい!」
と言ったことがある。
しかし舌の根の乾かぬ内に
「あへ~~~~~ぇダメージいっぱい出るの気持ちEEEEE!!」
と手のひらを返した記憶がある。

今作も、そうだった。

 

これまでショットガンや超遠距離でのロケランはそもそも当たってんのか?
当たったとしてどれだけ与えてるのか?というのが分かり辛かった。
特にロケランは爆風が出るのでそれが当たったのか地面だったのか周りを巻き込んでるのかわからない。
シンプルながら良い改変だと思う。

 

↑このタコ!昔の人たちは何故宇宙人をタコだと思ったんだろうね?

続いてだが、本作は前作からのステージの流用が多い。
その流用が多い分敵の種類が非常に増えている。
いわゆる色が変わったアリ、デカくなったアリ、という増え方ではなく全く違う骨格だ。

前作5にていよいよグレイ型の宇宙人が登場したが、
本作はなんとタコ型の宇宙人が登場した。
前作はケロロ軍曹めいたカエル型もいたし、
いわゆる人間がイメージする宇宙人をそのまま全部お出ししてきて笑ってしまった。
あとはもう頭が異様に長い汁だくのエイリアンが出ればコンプだろう。

と、楽しみを奪うのもあれなので他の紹介は割愛するが
小型も大型も本当に多くの新型宇宙人が登場し、プレイヤーを飽きさせないようにしている。
アレっ!また新しい敵だ!と進む毎のモチベーションにもなる。
頑張ったなぁメーカー…とちょっとしみじみした。

 

そして、第三の変更点。
まさかの本作、地球防衛軍なのにシナリオが滅茶苦茶面白くなっているってことだ。

 

□もう顔を上げ笑え。英雄が戦う最前線。 再び立ち上がり、我らも共に行こう。

↑新人兵士として改めて始まるシナリオ。しかし・・・?

ナリオについて先に言っておくと、
前作とは非常に密接な関係になっていながら「前作をプレイしている必要はない」
というかなり面白い関係性になっている。
勿論やっている方が小ネタはわかるし、
ああこのセリフ前作にもあったな、みたいなニヤッとする点はあるが個人的には
6を楽しむために5を50時間ぐらいかけてクリアしないといけないってのは違うと思う。

 

そして密接な関係なのに前作をプレイしてなくてもいいってどういうこっちゃ?と思うだろう。

ゲーマー向けにわかりやすく言えば
ドラクエ2を楽しむためにドラクエ1をやらないといけないか?
と聞かれた時に貴方はどう答えるだろうか?

アレフガルドに上陸するときの高揚感、
りゅうおうの孫・りゅうおうの城に置かれたロトの剣といった前作を知っていれば盛り上がるエモいシチュエーションはあるが
そのためだけにそれなりの時間を別にやりたいわけではないゲームに割かなければいけないと考えると僕はNOだ。
今作もこのぐらいの関係性だと認識してくれていい。

 

↑ある設定に深くかかわる”環”。さて、人類と宇宙人の生存を賭けた戦争の行方は・・・?

そして、この妙な関係性を作っているのは
本作の根幹となるある設定のおかげである。
マグロの中でもとびきり美味しい部分ではあるので流石に言及は差し控えるが、
思ってるよりSFな設定。
星雲賞あるでこれ!と言いたくなるほどに。

これまでの地球防衛軍は基本的に滅びに向かって進んでいく絶望的なシナリオで、
ある種淡々と戦局の絶望が増していくだけだったんだよね。
たまにある勝利シナリオで起伏は作ろうとしてたけど、
基本は人類の情勢は右肩下がりが続いていく起伏の薄いシナリオ。
特に前作5はどんどん人が死んでいき、防衛軍自体もあまりの被害に諦めムードすら漂う。

ただ本作は衝撃的な展開が3つも4つも待ち受けており、シナリオの起伏が激しい。
やればやるほど、
こ、この手があったかァ~~~!!ってなる。なった。

絶望の未来に生きる。
本作のキャッチフレーズだがこれ、ダブルどころかトリプルミーニングぐらいになっており、
二番目の意味が分かるとあーーーーーー!!(語彙力)
三番目の意味が分かるとああーーーーーーー!!(語彙力)となる。

本作は飛びきりのカタルシスと飛びきりの絶望が肩組んでスクラム組んで待っている。
そのスクラムに飛び込むために必死に戦い、必死に進めた。
初めてだよ、シナリオが気になって進めた地球防衛軍…!

はっきりと今までの地球防衛軍とは比べ物にならんほどシナリオが完成されている。
是非ネタバレレビューや配信は一切見ることなくプレイしてほしい。
このゲーム最大の美味しいところを自分の舌で味”会”わないのは勿体無いぞ。

基本的に本作はレンジャーのHARD難易度でプレイしていたが
余りにもシナリオが気になり過ぎて一旦NORMALでクリアまで進みてぇ~~~~~!!
でもHARDじゃないと簡単すぎてゲームが面白くなくなっちまう~~~~~~!!
と非常に贅沢なジレンマを抱えてプレイしていたほど。

本当に今作のシナリオは良かった。期待してくれて構わない。
そして想像しろ、越えてくるぞ。

 

余談、かつ隙があるので自分語りをさせてもらう。
クリア済みの友人、同じ進行度の友人、そして自分の三人でマルチプレイでプレイしていた。
プレイ中にクリア前の友人と「この後どうせこういう展開やろうな」と話していた。
が、見事に裏切られたことがある。いい方向にだ。

この時クリア済みの友人が明らかに黙ってたんだよね。
コイツラ見当はずれの予想してやがるブハハw
ぐらいの感覚でニヤニヤしてたんだろうな~~~~と思うワケ。

 

いまさ、俺、どんな顔してると思う?
ニヤニヤしてんだよねぇ・・・!

 

□総評

傑作です。
国産ゲーでは今年暫定トップですね。エルデンリングを越えました僕の中では。

ダメな点として大きいのはステージ周りの流用が激しく、
これは地球防衛軍5(前作)の大型DLC
と言われると否定がしにくいといこと。
このステージ前作でも見たな…は正直結構ある。

また、今作もオペ子こと、オペレータの女性がウザい。
前作は電波を受信したようなトンチキなセリフがアレであったが、
批判を受けてか今作はその部分は薄まっている。

しかし、今作は、
「こういうことを言うキャラがいないといけない」という倫理観のバランスを取る役目になっており、
終盤のとあるセリフは(制作側が狙っているのはわかるが)賛否が分かれるし、
匿名掲示板では実際議論の種になっていた。

 


↑画面奥に見える赤い箱がアーマー箱。遠い…。

あとこれは評価のマイナス部分にならないが、
やっぱ敵撃破後にドロップするアーマー・武器を自動回収しないのはおかしいって。
地球防衛軍は敵からアーマーや武器の入った箱がドロップするが、これを取らずにマップをクリアするとそれが消滅するという仕様が伝統として残っている。

これがいいんだよって歴戦の戦士がいるのは理解するが、
伝統だからって甘えてんじゃねぇぞオラァン。いくら何でも古すぎる。
なにより、敵を一体だけ残して戦場を駆けずり回ってアイテムを集めている様は地球を防衛る人として相応しくない。

本編でONOFF設定を入れて見ろデータを調査しろって。
ぜってぇ皆ONにすっから。

 

そして改めて言うが
本作をプレイするにあたって前作5のプレイは必須ではない。
個人的には
「やりたいもののために、その前提となる”やりたくないもの”をやらなければならない」
という状況はなるべく避けるべきと考えている。

MCU映画でもこの問題が付きまとうが、
やっていない、見ていない時間が思い入れを育てるって部分はあるしね。
同じものを見た人が同じ感動を味わえるわけではないんだ。

始めたくなった時が始め時、これだけは間違いない。
地球を守るゲームはいくつもある。しかし、地球を防衛するゲームは本作だけだ。
地球を防衛することでしか得られない栄養素は必ずある。

面白いらしいじゃんやってみるか地球防衛軍6!って思ったら
前作やらずにやってええからな!ってことだけは伝えておきたい。

 

 

さて、最後にこれだけは言っておこう。

 

地球ん中に人類やられてんのに迷惑だって思ってるやついる!?
人類やられてるのに地球外侵略者に日和ってるやついる!?
いねぇよなぁ!!?

愛美愛主潰すゾ!!!

地球防衛軍は誰の参加も拒まない!
君の入隊を待っているぞ!

ではまた。