ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

興味があるなら飛び込んで。『Wild mender』レビュー。

滑り込めセーフライン。(挨拶)

今年後半土日のどっちかが潰れること多かったんすよ。
それでも、とゲームだけはやってたんですがレビューがかける時間が中々取れなかった。

結果的にギリギリになってしまったがこのゲームについてだけは書きたかった!
そんなお気に入りの一本
『Wild Mender(ワイルドメンダー)』をレビューしよう。

 

ではよしなに。

 

 

□旅人はさじを投げつける。

て、いきなりだが自分がプレイしだした時の感情を語ろう。

お、始まったがよくわからんな。

…あーなんか変な聖霊の助けを得てなんかやるタイプか。

UIってかキーコンフィグが独特過ぎる・・・。

水飲めるのね。このオアシスの水って枯れるのかな。
んで種植えて花とか作物作ると。

わからん・・・

あ、どこでも登れるのはゼルダっぽい。
ただまだ何するゲームかがわからん…

あークエストこなすと能力が強化されるのね。
んでフィールドにいるこの幽霊みたいなのに会うとスキルポイント貰えるのね。

オアシスの水の容量は増やせるのねふーん。
自分で掘って水路作っていいんだww
なるほど。
庭造りってそういうことか…

おっ傘みたいなキノコゲットした。
あっ!これジャンプしたらふわっと飛べる(滑空)じゃん!
ああこれそういうゲームね!
わかった!!面白れぇ!!

 

このゲーム、ジャンルとして新しい+洋ゲー特有のとっつきずらさがあるので
とにかくどういうゲームかわからない時間がかなり長い!
フリープレイだとわからんからやーめたってなるタイプのゲーム。
皆にも経験あるだろう?

けどわからんゲームがわかった!ってなる時の快楽って凄い
7年くらい寿命が延びる感じする。

というわけで今のところ寿命210年くらいを予定している僕が本作を紹介・レビューしよう。

 

□バイバイ長い夢いつか完璧な環になるように

↑水を飲め。木を切り倒せ。どこかで見たゲーム性。

れもう平たく言っちゃうと
マインクラフトゼルダの伝説ブレスオブザワイルド。
そこに飯とお金と食料を賄うための庭を作る要素をぶち込んだ、という感じ。
拠点を中心にドンドン活動領域を広げていくのはサバイバルキッズを彷彿とさせるが、
基本はこの2つのゲームをベースにしている。

 

↑水は幾らでも補給可能。腹が減ったらそこら辺のサボテンを食え。

まずサバイバル要素がある。だがこれはそこまで強くない。
水・空腹・HPのゲージがあるが水はオアシスで無限に給水できるし水筒はかなりデカい。
日中帯の強い日差しで水ゲージは減っていくが、冒険は基本夜に行うのでさらに無問題。
空腹についても食料の大半は腐るまでが長く持ち歩ける量も多く、そこら辺の植物をバクバク食える。
ちなみに初期のご飯の八割はサボテンだったりする。
唯一HPだけはそこそこ注意する必要があるがいきなり即死なんてこたぁ無い。

ごくごく一部のアイテムに耐久値の設定があるが、
水筒等の必須アイテムは無限耐久なのもありサバイバルという意味では余裕がある。

 

↑昼は日陰で眠り、夜に探索に行く。といってもゲームになれると昼はとにかく庭いじりに精を出すことになるが。

よってこのゲームは基本的に
夜に冒険に行き、昼は水辺で庭いじりの単純なループとなる。
サバイバルは雰囲気を出すためのフレーバーであり、悪く言えばノイズである。
ただ、この要素がないと本拠地に戻ってくる理由がないというのもあるが…。

 

↑小さなオアシスからすべてが始まる。世界をもう一度緑にしよう。

そして本作の肝、庭いじりだが最初こそ小さなオアシスの周辺の水で濡れている大地をちまちまと弄る形。
ちまちまとを植えて食料とエレメント*1を手に入れる手段としている。

↑鋤を使って土を掘り、水路を作る。濡れている大地が増えてさらに種を植えられる。この作業に凄くハマる。

冒険を繰り返して素材を得てオアシスの水の容量がふえると水路を作ってみ。
NPCから依頼される。
実際それをやってみると濡れている大地がじわっと広がるわけ。
そこにまた種を植える。貰えるエレメントの量が増える…

で、この水路を作る方法は、プレイヤーが鋤(すき)を使って好きに掘れるワケ。
更に木を使って道を作ったりもできるし、当然自分の好きな植物を植えられる。
で、この鋤は掘るだけではなく地面を盛ることも均すことも出来るので、
例えば小高い丘を作ってそこに一本木を植えることも出来るしその逆に深く掘った穴に植えることも勿論。

そう、これはいうなれば3Dのマインクラフトである!
…マインクラフトの時点で3Dじゃねーかってのはまぁ置いておいてよ。

ただ実際方向性は似ているんですよ。
なんも意味ないけど自宅周辺を延々整地する人、いるでしょ?
そういう人、間違いなく滅茶苦茶ハマります。

 

↑種を植える際は周りの植物と干渉しないように。光がさえぎられる場所だと成長が遅くなる等もあるぞ。

種を植えることは単純な食糧・エレメントの補給以外にも
一定数花は花でも別種の花を植えるとステータスが上昇するといった要素がある。
遠くに冒険にいって帰ってきて植物を植えることに意味を持たせている。
悔しいくらいに上手い。
冒険に行くワクワクとスキルアップのワクワク。
ハンバーグに目玉焼きを載せられたようなコンビネーションが素晴らしい。

ただこれ、過剰なまでの庭いじりは無駄である。

 

↑素材を集めて木の本当の力を目覚めさせる。周辺の砂漠が緑化されるぞ。

そして何より白眉なのが、
ゲームを進めると一定以上に育った木に対して更に素材を消費することで
木の色が紫に変化して一気に幻想的な雰囲気を醸し出すようになる。

↑植物の一部は光る。うーん綺麗だ・・・と染み入る。

土地も茶色の土だった砂漠が緑の大地に戻り、エレメントが光る。
緑に帰る世界に青が躍り、紫が歌う。ほうっ…と息をのむ美しさとなる。

オタクとして嬉しいのが、植物のレベルが上がると名前が変わること。
例えるなら「ほうれん草」だったのが「メドウ・ほうれん草」みたいになる。
牧場物語だと「ほうれん草+1,+2…」となるものがメドウ、やぞ?
すっごいカッコよくてたまらん。
これは一生付き合っていく友達のような病気と言われた中二病患者にはビンビン来る。
一定のレベルを超えたコシヒカリは「メドウ・コシヒカリ」と呼ぶようにしようや。

繰り返すが過剰なまでの庭いじりは無駄である。

 

↑水路の周りをまわるように石壁を作る。あと橋を作ったり足場を作ったりとランプを作ったり…と出来る。

勿論、庭は様々な飾りつけもOK。
元々砂漠故に強風が叩きつけられることもあって、風をもろに食らうと植物が枯れる。
(この風はゼルダBotWの赤い月のようなもので、定期的に発生するが道端のドロップ品が復活する)

それに対抗するために壁を作る。
しかしこの壁がもうインテリアの一つ。
無駄に凝って作るのが楽しくてしょうがない。

楽しみを邪魔しないために詳細は伏せるが
鋤を超える庭いじりの強力なアイテムも更に登場する。
入手後は庭に火を放って全てを燃やしてからもう一回庭造りしてぇ~~~となるほど。
心の中にグレタさんが居なければ僕の庭は大変なことになっていただろう。

もう一度言うが過剰なまでの庭いじりは無駄である。

 

何度も言わせるなよ。
その無駄が楽しいんじゃないか。

そう、この無駄な行為が滅茶苦茶楽しいんだ。
メインクエストでやるべきことがあるんだけど
それをほっぽいてサブクエストをやることにハマるタイプの人種にはヤバイツボに入る。

ゲームを褒めるときに
「寝るのを忘れるほどプレイした」みたいな誉め言葉あるじゃないですか。
僕これ2種類あると思ってて。

ゲームの進行上辞め時はしっかりあって、チラッと時計見て
「うあ~名残惜しいけどセーブして辞めるか~でもちょっとだけやるか~」ってなるやつ。
Civilizationなんかは敵のターンの間に時計見ちゃう隙があるじゃん。
時計見たうえでまだやりたいってなるやつね。

でもこのゲームはねぇ。時計、みません。
とにかくプレイヤーの手が離れるシーンが少ないので時計を見れないってのもあるが
何より「時計を見たらゲームを止めなくちゃいけない!!」ってなる。
俺は、なった。
明日の俺とのチキンレースに負けたくねぇからブレーキのことは忘れちまえばいいんだ!と。

いや~深夜1時から4時までノンストップでやったのは自分でも引いたな~~。

 

□迷子になるよ道案内してね

索についても説明しよう。
ワールドは全て自動生成になっており、シード値によって同じマップを作ることも可能ではある。
その生成されたマップは複数のエリアで等分されている、というイメージだ。
マインクラフトと一部似ているシステムだがエリアの広さはバイオームよりもグッと広い。

探索の目的としては
各エリアのボスをまず見つけること。
そしてボスを倒す…というよりは仲良くなる(協力関係を結ぶ)こと。
しかしボスエリアについてはランダムとはいえ一朝一夕ではいけない場所にあるんだ。
(おそらく拠点から一定以上の距離が離れるようにプログラムされてる)

↑マップは当初真っ黒。どんどん歩いて埋めていこう。

ではどうやって行くかというと、
マップの各地にあるワープポイントを開通させて
最初のオアシスを拠点にじわじわと活動領域を広げていくことになる。

 

出かける前に目いっぱい水を飲んでから冒険のスタートだ。

↑砂漠なら滑るように移動可能。後半はさらに便利な移動アイテムがあるので移動関連はストレスフリー。

とある日。
テキトーにマップを走る。
砂丘を滑ったりして探索して未踏の地を巡る。
ワープポイントを見つけてファストトラベル出来るようにする。
明日も一日頑張るぞい。

↑画面中央の光の柱。何かが待ってる。迎えにいこう。

またとある日。
テキトーにマップを走る。
岩壁を登って高い位置に登って光の柱をめがけて走る。
今日はワープポイントを見つけられなかったけど新種のタネを見つけた。
明日も一日頑張るぞい。

グッ…楽しい…!!

何を楽しいところがあるんだと思うだろうが、
本作は基本的に無駄になるところが無い。
ほぼ毎回何かしらのリターンがある、というのが楽しい。

先述の通り新種のタネを見つけて拠点に植えるとステータスアップするから、
新しいタネが見つかるだけでうれしいし、ワープポイントを見つけるのもうれしい。

↑いわゆる作業台。スキル開放で様々な新しいアイテムを作れるようになる。コスチュームも変更可能だ。

そして、本作はスキルポイント制がとられており、
過去存在した人の幽霊(のようなもの)と会話するとスキルポイントを得られる。
ポイントが貯まればスキルを解禁し、新しいアイテムをクラフト出来たりするようになる。

種もワープポイントも幽霊も見つけられないときもある。
けれども、最低でもマップだけは埋まるから次の指針になる。


↑戦闘の要素もあります。ただ、そこまで派手なアクションではないかなり簡素な感じに。

冒険中、たまに敵が襲撃してきて戦闘になることもある。
正直かなり煩わしいが、襲撃をこなすとスキルポイントを貰える書が得られるなど
リターンがかなり大きいのでギリ許す。

とにかくプレイヤーのやってることに対して見返りが妙に大きいんだよね。
小腹が減ったって言ったらカップ麺出してくれればいいのに梨切って出してくれる感じ。
実家じゃん。

そして、ボスを見つけて倒すと能力を得られるのだが、
これまた全体的にとにかく強力な能力になっている。

取っつき辛さはあるものの理解してしまえば基本的には、
何か手掛かりやマップを見て探索、発見、また探索…の繰り返しのよくあるゲーム。

けれどもご褒美が大きく、ゲーム性がグンと変わるものが手に入るため
ゲームの味変がしっかりしてて飽きない。

ちょっと風呂掃除したら餅焼いてくれて砂糖醤油ときな粉両方用意してくれたみたいな喜びがあるんだよね。(実家の実話)

 

□とびうおの群れを飛び越えてすすめ

んだけ詳しく説明しておいてなんだけどさ、
大人になってからのゲームって宝探し的な部分もあると思ってて。

子供のころはコロコロコミックだの単行本だのを買わずに我慢して我慢して
小遣い貯めて情報かき集めて”本命”のタイトルをこうてたわけよ。
うん、ボンボン派の性的異端者は帰ってもらっていいかな。

大人になって色々自由になるお金が増えて興味あるだけでポンとゲームを買えるようになった。
結果ハズレをつかむことが多い。
けれどたまに俺のチャンネルにバチりとハマることがある。
しかも異次元の角度から。

年に一回でもこういうのあるとやめられねぇんだよな…。

このゲームもさ、まずどこでもいいから歩き出す。
すると何かが必ず見つかる。
たまーにハズレもあるけれど、それがあるから当たりが嬉しい。

宝ってさ、やっぱ探しに行かないと見つからないもんだよなって心底思わされた。
童心に帰って楽しめる。庭いじりもそう考えると砂場遊びみたいなもんかも。
本当にちいさくて狭い周波数にバチンとハマった。

他人に勧められない、でも凄く好きなゲーム。
まさに宝物だ。

 

□総評

クソ面白い良作。
傑作では決してない。決してない。だが今年ベスト級に面白かった。
ただ、先ほど言ったように人に勧めるかというと一切勧めません。

まずストーリーが一切わからんということが一つ。
1mmもわからんよコレ。
と、いうのもね。

基本的には過去の確執があって人間一人残して滅んだって感じの話なんだけど
過去回想が真っ暗な背景に文字だけ流れるってやつなのよ。
御覧のありさまだよ!を思い出すようなアイの無い作り。
シナリオがモチベになるタイプのユーザーには全く合わないだろう。

 

更にマイナーなゲーム、マップが自動生成ということもあって
攻略サイトも存在しない、作れない。
翻訳がボロボロなので結構「何すればいいかわからん」状態に陥りがち。
わからん、が分かるようになるのが楽しいのはそうなんだがそういうわからんはいらん…。

 

最後にこれはしょうがない部分ではあるが、
拠点含めどんどん緑化していくとそれに比例するように処理が重くなる。
せめて拠点だけのクリエイトモードが無いのが勿体ないなぁと。

ただ、作り上げた庭はもうマジで感動もん。
探検で見つけたカエルや謎の生物を住まわせて、ただ見ているだけで本当に幸せになる。
”見るマイナスイオン”がここにある。

最初がこれですよ?
ここから本当に美しいものを作ったな、と感動する。
何なら今スクショ見て感動してる。泣いてる。

世界はこんなにも美しい。
間違いなくそう思わせてくれる作品だ。
おススメはしない、おススメはしないのだがもしも興味があるなら飛び込んで欲しい。
貴方のゲーム人生の宝になってくれたら幸いだ。

ではまた。

↑物語は終わる。けどたまに起動して庭いじりするぐらいにはお気に入りになったぜ。

*1:本作におけるお金のようなもの