ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

めんどくさくても愛してくれる?『Pacific Drive』レビュー

ゲームが面白いとブログなんて書いてる暇がありません。つまり?(挨拶)

2か月空きました。本当に申し訳ない。

正直、1月後半から「時間がかかるけど面白いゲーム」がガンガンでてきてしまうわ土日仕事してるわガンダムSEEDFREEDOM見てプラモ作るわで全く時間を作れませんでした。
というわけでリハビリもかねて軽い記事。

『Pacific Drive』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

 

□概要 の前に

このゲーム面白いっすか?
止めとけ。

 

 

 

このゲーム快適っすか?
止めとけ。

 

 

このゲームストーリー面白いっすか?
っっっっ…止めとけ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとなんでブラウザバックしようとしてんだよ。
読んでいけよRTといいねもおいていきなさいよ!!!

はい、こんな感じでちゃんと付き合ってあげないといけないのにめんどいゲームです。

 

□概要

立ち入り禁止だったオリンピック地域(地名)に入っちゃった主人公が
事故の影響で超常現象が起るようになったオリンピック地域を車に乗って冒険して
現実世界に帰るよう頑張るゲーム。

本作はドライビングゲームに、
入るたびに地形やドロップアイテムが変わるローグライク要素が追加されている。
そこにSCP(都市伝説)を一つまみ…wという感じのゲーム。

↑特に序盤はライトの性能が低い為、夜のドライブがとてつもなく怖い。後ろでなんか音がするゥ~~!

このSCPは特に序盤、長い長い夜のドライブ中の得体の知れない感じをじっとりと表現する。
見えないが明らかに画面外で鳴る音にはじわじわと恐怖が忍び寄る。
ジャンプスケア*1などではないが、じっとりとした恐怖に序盤はホラーゲーか?と思ったほど。

 

先に言っておくと基本的には数あるダメな点を持つ雰囲気ゲー。

しかし自分が単独記事でレビューするということはそういうことだ。
どのあたりを褒めるのか、説明していこう。

 

□この度はこんな私を選んでくれてどうもありがとう

ゲームの基本的な流れは

  1. 拠点から目的地を決めて出発。
  2. 行く先々で車から降りて廃屋などからアイテムを漁り、拾う。
    (場合によっては)ストーリー上の目標を達成する。
  3. 出口となる光の柱を開き、そこへ突っ込む。
  4. 拠点へ戻り、傷ついた車を修理。持ち帰ったアイテムで新しいパーツなどを開発。
  5. 拠点から改めて目的地を決めて出発。

ある種初代トルネコの大冒険のように、生きて帰ってアイテムを持ち帰る、というのがミソ。
持ち帰った資源を元に様々な要素をアンロックして
車や拠点のアップグレード(以下、UG)・カスタマイズを楽しむゲームである。

↑車のカスタマイズは多岐に渡る。タイヤの他にライトやらエンジンやら。右は拠点のUGシーン。

これ自体はローグライクでは結構お馴染みの
冒険を繰り返して次の冒険を楽にするってシステムなのだが、
こういったゲームは2つのパターンに分かれる。

  1. UGする度に楽になるが初期状態で十分クリア可能な0⇒1のゲーム。
  2. UGする度に楽になるが初期状態ではとっても不便な-1⇒1のゲーム

ニュアンスは近いが実態としては全く異なるこの2つのパターン。
本作は明確に後者であり、正直かなり怠い。
早速のダメ出しだがここを誤魔化すと、
全国で4000円払ってSSDの肥やしとなるデータが大量に産まれてしまうのだから仕方ない。
とにかく序盤の不便さがプレイしてて苦痛。

 

↑車の鍵を入れてギアをドライブに。一々右スティックで視点を合わせる必要があるのがしんどい。

一つ具体例を挙げよう。
車があるゲームは「降りる」というワンアクションと同時にエンジンが止まり動かなくなる。

しかし本作は降りてもエンジンはONだし、サイドブレーキは引かないし、ギアもパーキングに入れない。
そうなるとどうなるか?

↑分かりにくいけど轢かれた上に電撃のラインにぶつかってぐえー!

(坂道が顕著だが)どこかに行ってしまうのである。
場合によっては自分の車に轢かれてしまう。
クルーマス、お前もか!という無駄に日本語訳が上手いトロフィーがにくたらしい。

最低でもギアをパーキングにせずに出ることは自殺行為に近い。
めんどくさくてもなお、ね。

序盤はとにかく品質の低い車で冒険することになる。
中盤以降には車を出ると自動でパーキングになるツールがあるが、そこまでが遠い。

要はコレ不便だろうなってわかったうえでそれを強いてくる。
そしてその不便さを取っ払うことでカタルシスを用意しているゲームなんだよね。
わかってんじゃん!不便なのわかってやってんじゃん!

 

↑診断用ツールがあり、それで修理可能。トロフィーとるためとはいえ苦痛~~。

更に嫌な話をするとだな。
本作にはクワークという原因不明のトラブルが稀に発生する。
例えば勝手にヘッドライトが点灯したり、ハンドルが左に行ったりとかね。

原因不明のトラブルという時点でシステムエンジニアの読者は「うっ」となるだろうが
これは流石にゲーム。
原因を調査するツールがあり、診断(調査)・修正が出来る。やったね!

西野カナァ(めんどくせぇなァ)!!!
ドラクエで言うとなんか急に「どく」「まひ」状態になるようなもんよ?
どくには毒消しそう使いましょうねじゃねぇんだよ!なるな!

一応本作は超常現象が起るエリアの探索なので
そこを通るとそりゃ超常現象が車にも起こる、のはまぁそりゃわかるよ。
異常性を示すフレーバーとしての役割を存分に果たしてる。

いや~~でもこれつまんねぇよ…。
診断して修正したら何らかのポイントが入って買い物が出来るとかUGできるとか
そういう要素があるならいいよ?ねぇよ?

とにかく全体的にただひたすらにめんどくさがらせるための仕組みになっちゃってるのよね。

 

□定期的に褒めると長持ちします。

めんどくせぇゲームである、ということは伝わったと思う。
残念、まだ語り足りねぇんだ。

本作は冒険から帰ってくるとまずやることがある。
バッテリーの充電とガソリンの補充、そしてぶつけて傷ついた車体の修理である。
勿論、まごころをこめて手でやってくれ。

せめてガソリン補充くらいは自動でやれんのかゲームやぞ!と思うだろうが
まごころ、まごころがあればガソリンが温まるんですよ・・・!

修理にはパテが必要なのだが、
ちょっと珍しい素材が必要なので探索時には狙って取る必要がある。

カーめんどくせ!一々手間がかかるのめんどくせ!
西野カナでももうちょっと手がかからねぇぞ!

 

…とめんどくさいと思いつつも探索して素材を集める”せせこましさ”が楽しかったりする。

↑バイオ4を彷彿とさせるアイテム整理。持てるだけ持って拠点でUGだ。

マインクラフトを筆頭としたクラフト系ゲームをやった人ならわかるだろうが、
素材集めをしてる時ってほくそ笑みません?
ふふ、これがあれば戻ってアレが作れる、というわくわく感。
本作では回転のこぎりで道路にある廃車を解体し、素材に出来る。回転するのこぎりに合わせて心も回る。
や、タマキンは回ってないからね(笑)

 

更に車に関して。
先ほど自動パーキング機能すらないと言ったが
最初の車はライトもパネルすらも足りないほどのおんぼろ車だ。
ここからじっくりとカスタマイズして付き合っていくことになる。

毎回冒険から帰ってガソリンを入れながら考えるわけだ。
さて、こいつをどうやってカスタマイズしてやろうってね。

 

↑左が初期。右が後期。色々と内装も変えられるんだぜ。

本作は車のカスタマイズの自由度が非常に高く、
各種パーツのUGの他に色の変更や内装のカスタマイズなんかも出来る。

車の内装もかなりセンスが良いんだよね。
デロリアンのようなむき出しのメカメカしさ。
ちょっと暗めの内装。
そこに輝く文字の蠱惑的な美しさ!
ハンドルやワイパー・コンパスやシールなどコスメティックも変更可能。

↑あっ洋画でみたことあるやつ!

特にうれしいのは車にサイドラックやルーフラックを付けて荷物を外に出して紐でくくる。
海外映画で見たような車に出来ること!子供のころに憧れたアレが目の前に!
なんていうかこう…「ニヘヘ…」という笑いがこみ上げてくる。


なお、シールなどのコスメについてはゲーム内道中で拾えるのだが、
いくつか初期からあるシールが存在する。

それがコレ。思想がつええやつなのか…?
(BLMとレインボーとかバイセクシャルとかそういうのめっちゃ多い。初期はそれしかなくて怖い)

実は本作の序盤、この車はレムナントであり人間を狂わせる魔性を秘めている。
みたいなことを言われるワケ。
だからあえて愛着わかないようにしてたんだけどやっぱ愛着わいちゃう。
そして、その愛車で路上に出る。

 

舞台としては1955年から時が止まったようなアメリカの田舎町。
これをぼーっと走る。
グラフィックは実写と見まごうほど、とはお世辞には言えないが、
本作においては人間のNPCが登場しないため、
「これはゲームである」と感じる瞬間が薄い。

時には雨も降るが、快晴の空の下走るのは無性に気持ちいい。
自分はPS5のコントローラーの振動はあまり評価していなかった。
けれど本作で綺麗な道路とガタガタの道路、そして山道をがっつりと手のひらで味わうと妙な気持ちよさがあった。

あと、本作は坂道がいい。

登っていく際に力尽きて落ちることも序盤に多々あったが、
UG後、改良されたタイヤとエンジンがするすると上に登っていくのが楽しい。
下っていく坂はエンジンでは出せない速度が出せる。
色を白黒のパンダにして下っていくと僕の頭はGの文字。

各パーツがそれぞれ普通より少し良いパーツになった時、序盤を乗り越えた
中盤のクルマの運転の気持ちよさは極上、というほかない。

 

しかし、西野カナは生きていた。

 

□こんな私だけど笑って許してね。

本作最大の残念な点。
それは中盤位までの丁度良い難易度から
後半の激烈クソバカ難易度への落差である。

本作のアノマリーというSCPたちは序盤から中盤までは「そこにいるだけ」という感じはある。
例えば上に乗せた画像の人形や電磁波のような青いエリアは当たらなければよいだけ。
これがすこし不思議なアメリカの田舎を表現していて良い雰囲気ゲーとしてのフレーバーとなっていた。

 

↑人形は触れると爆発する。右は吹き飛ばし効果のある白い線。左はガタガタの道・・・・どうしろと。

後半は明らかに自分を狙って攻撃してくる。
つーか当たるように配置してくる。

後半は事故の起こったグラウンド・ゼロ(爆心地)に近くなることもあり、
超常現象も酷くなり、さらに道も荒れる。
はっきり言ってクリアさせる気がないのではないかと。

のんびりとした田舎町からアフガニスタンに放り込まれる感覚。
逆なろう小説か何かか。

 

さて、そんなクソ難易度にどうやって立ち向かえばいいのか?
ゲームはその回答を用意してくれている。

オプションで難易度を下げろと。
バカが代。

画像のはプレイヤーや車へのダメージ無効という本当にチート級の設定なのでトロフィーが無効になるのだが、
これ以外にも細かな設定が可能で、例えば帰還時に自動で修理されるようになる。
自動で充電・ガソリン補充してくれる等の設定はトロフィー無効にならないまま設定可能。

いやわかるよ?アタイもゲーマーだから開発者の気持ちは。
高難易度を謳うのでなければ難易度ガッツリ下げてでもクリアできるユーザーを増やしてしまう施策があるべきだと。

でもさぁ明らかにこのメンドクサイ要素がこのゲームの骨子なんだよ。
怠い怠い言いながら帰ってきてまずガソリンを入れるところこのゲームなんだよ。

でもラーメン屋で言えば「うちのラーメンはアユの香りが売りだよ!でも味が足りないならラードぶち込んでね!」どころか
「何ならアユ抜きのスープ提供するぜ!」とか言うようなもん。
芹沢さんでもそこまでは闇に落ちねぇよ…。

 

オプションの難易度設定はバランスの不出来さを補うために在るんじゃない。
自信をもってお出しして批判を浴びろよ!…って思っちゃうんだよね。

ゲームの出来と実際貰う評価のどっちが大事なのよ!!
ってなる。

 

…一番メンドクサイのはゲームじゃなくて俺なのでは…?

 

 

□総評

そこそこ。良作というにはちょっとね。

序盤の素材をちまちま集めるせせこましさ、
中盤頃の様々なUGが解放された頃の爽快感は本当に格別。
しかし序盤の車関連のしんどさと、後半の超難易度。
そして難易度の調整はオプションでプレイヤーてめぇで調整しろというスタンスは本当に俺好みではない。

凄く楽しい中盤のために序盤を乗り越え、
そして中盤を美しい思い出にするために後半は急いで駆け下りていく…。
まるで車で山を越えるような作りだった。

本作、オススメは全くしません。
雰囲気は抜群ながらこれを楽しめる人って絶対変人なんですよ。
そんな人はどっかで情報拾って既に買っているはず。

 

ただ続編は欲しいよなぁ、という思いはあります。

変な作品を楽しめる僕は変かもしれない。
こんな私だけど笑って頷いて。

ではまた。

↑また今年もゲームは楽しい、と燃料が入った感覚でした。さぁ楽しい地獄の三月だ!

*1:奇声を上げながら画面にドアップしてくるやつ。いわゆるビックリ系。