ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

ぅゎ ょぅι゛ょ っょぃ。『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』レビュー。

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エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!!(挨拶)

一旦はPS版のみ延期され、悔し涙で枕を濡らした夜もありました。
しかし無事に発売され、歓喜の涙で枕を濡らした夜もありました。

このゲームの何にそんな魅力を感じたのかって?
とぼけちゃってェ…!君もそうだろう?

と、いうことで『ENDER LILIES: Quietus of the Knights(エンダーリリーズ)』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

 

□概要

絶望の世界で呪いの運命にあらがう少女と騎士

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とある国があった。
先刻滅んだ。

謎の声の呼びかけにより白い少女は目覚める。
崩壊した建物、異形の怪物、何かあったことだけはわかる。
しかし、自分のことが分からない。

白い少女は黒い騎士と出会い、共に建物の外に出る。
そこにあったのはかつて国だったもの。人だったもの。
そして、かつて白い少女を守っていたであろう人のなれの果て。

滅んだ国を彼女は歩く。走る。
その道のりの中で彼女はかつて人だったもの、
そして同じ白い少女だったものと出会い、その意思を継ぐ。

彼女は滅びた国を蘇らせるわけではない。
かつて人だったものを救うわけではない。
終わらせるために往くのだ。

ENDER LILIES(終わらせるもの、リリィ達)として。

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ゲームとしてはメトロイドヴァニア
探索要素の強い2Dアクションと思いねぇ。

大っぴらに売り文句にしているわけではないが高難易度のタイトルである。
とはいえ、復活ポイントも多く遊びやすさは高い優等生的なタイトルでもある。
それでは色々と交えてレビューしていこう。

 

□思い出はいつも綺麗だけどそれだけじゃお腹が空くわ。

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↑攻撃する際は静かなる騎士団の力を借りて召喚して攻撃する。なんと六つも登録しておけるぞ。

リリィは幼女であるため自ら攻撃する手段を持たない。
その代わり、幼女親衛隊…もといリリィを助ける騎士達を召喚し攻撃してもらうことが出来る。
と言っても基本的には他の2Dゲームとほぼ変わらないと思ってくれていい。

そして各モンスターにスタンゲージがあるという特徴もあるが、
とある理由であんまり意味は…。と、ここは後述する。

 

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ロックマンのようにボスを倒すとその能力を得る。しかしロックマンとの違いはそのボスを召喚することが出来ること!

本作最大の特徴としてボスを倒すことでそのボスの特徴を生かしたスキルを習得できる。
例えば最初のボスはモーニングスターを振り回すボスで、
倒すとそのシスターを召喚できるスキルが使えるようになる。

ボス自体はそこそこ手ごわい。
自分は特定のとある一体のボスに物凄く手を焼いたが
基本的には5・6回以内にはクリアできる程度の程よい難易度で遊びやすいぞ。

リリィ自身の回避判定が強烈でキビキビ動くため、
ヒットアンドアウェイに徹しきれば割と簡単にクリアできるだろう。
何度も殺されては立ち向かうこと自体に面白みは正直あまり感じないので
僕はこのくらいで良かったと思う。

 

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↑ボスを倒し、浄化することでムービーを見ることが出来る。過去の回想によりストーリーの全容が語られていく。

また、ストーリー上のボスにおいては撃破時にムービーが挿入され、
死に際の思いを垣間見ることが出来る。
本作は既に”終わった国”が舞台なのでテキストや
こういった過去の回想にてストーリーが描かれるという特殊な作りをしているのだ。

その中で語られる内容では
リリィズ、つまり主人公のような白い少女(以下、巫女)達は複数人存在し
過去にあった各ボスとの交流や情景を見ることになる。
言うなれば、巫女達全ての意思や過去を背負って主人公のリリィは進むことになる。

タイトルがエンダーリリィではなく、
エンダーリリィ”ズ”なのはこれが理由なんですな。

ちなみに、大体のボスたちは生前の巫女たちへの感謝の念が強いので
マジで親衛隊と言ってもいいくらいにはリリィへの特別な感情が強い。
このロリコンどもめ!

 

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↑スタン値は敵の頭上に表示される黄色いゲージ。しかし、スタンの恩恵は殆ど感じられない…

ただ、他の2Dゲーと比べてあまり突出した物とはいいがたい。
全体的にどこかで見たようで、それでいて薄味の印象だ。

具体的な話をすると、まずスタンについて。
スタンゲージがHPバーの下に存在し、これを削りきることで敵がスタンする。

スタンと聞くと一定時間動きが止まりその間殴り放題!
…というイメージがあるだろうが
本作は正直なところ、んなことはない。
スタン自体が本当に2・3秒の一時停止しかしないからだ。
別のゲーム、モンスターハンターで言うならダウンというより怯みに近い。

それ自体が悪いかというとそうではないんだけど、
本作の場合、リリィ自身ではなく召喚による攻撃なので今一つ食い合わせが微妙な印象だ。

僕はモンハンにせよソウルにせよ、
アクションにおける”流れ”が変わる瞬間が好きでね。
モンハンで言うと罠などで大ダウンを取った時に
「流れ変わったな」と最大攻撃を繰り出すのが面白いじゃん。
ただ、本作はそういうのが無い。

通常攻撃代わりとなる初期から存在する黒騎士を召喚し攻撃している間、
別のスキルで攻撃するということがほぼできない。
一応初期のシスターなど同時発生できるボススキルもあると言えばあるが
基本はアクションは共存できないんだ。

それは確かに別の2Dアクションでもそうなんだけど、
本作は折角召喚するタイプのアクションなんだから一斉召喚するような要素は欲しかった。
そう思っちゃったんだよね。
これ…俺なら、敵のスタンに合わせて大量召喚して一気に叩く、みたいな作りにするなって。
ただ、そうはならんかった。少なくともスタンに歓びがあまりない…。
このゲームは他の作品と比べてこういう面白さがありますよ、ってのがどうも弱い。

 

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↑本作にはパリィが存在するがパリィ判定が短く、しかも恩恵が薄いし敵の攻撃は基本連続で役には立たない!

もう一つ、パリィの調整もかなり甘い。
本作は中盤でパリィが可能になるんだけどボス含む敵の多くが飛天御剣流を使ってくる。

つまり、隙を生じぬ二段構えで
一撃目をパリィするとそのまま二撃目に繋がれることが多く、被弾することが多い。
るろうに剣心ならぬ児童に関心かよ。

それこそパリィをすればスタンゲージをガツンと稼いでスタンを奪う。
みたいな作りにしてればおさまりが良かったと思うのだが。
なんというか、もったいないなぁという印象だ。
もうちょっと味付けを濃く出来たんじゃない?と僕は塩を振りたくなってしまった。

 

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↑ネタバレ防止として序盤のスクショにしてるがひっじょーに豊富なスキルと成長要素がある。ここはグッド!

ただ、良い点としてはスキル自体は豊富で成長要素がしっかりある点は見過ごせない。
ゲーム中で手に入れる魂という通貨代わりを入手しそれを注ぎ込むことでスキルは成長する。
特定の段階ではスキルのアクションパターンの増加やアクション速度が上がる。
これよえーなーって思ったのが化ける…ってことはなかったけども
ただ数値が上がるだけよりはかなり気合が入っているのは感じたしそこは素直に良かった。

 

総じて、目立った良さはあまり無いものの
操作性の高さや快適性でプラスになっているかと。

 

□どれだけ歩き回っても3分の一も見つからない。

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↑マップそのものはいつでも確認出来て、アイテムを取り切ったかどうかが分かるようになっていて親切。だが…

このゲームにおける一点大きな問題は
マップの構成の意地悪さである。

メトロイドヴァニアというジャンルは
最初に通るときは行けそうで行けない場所を序盤などに用意しておき、
対応する能力を得てから再度訪問することで行けるようになる。
こういった「また後で来てねポイント」を多数用意したマップ構成をすることが多い。
というより主流と言っていいだろう。

本作もそれらはしっかりとしており、
例えば最初に目覚めるエリアには最後の最後に得る能力で開錠できる扉がある。
なーんて作りにしてある。
こういう王道の作りはいいよね。ベタって最高。

あと、マップにそのエリアで取れるアイテムを取り切ったかが表示される点は嬉しい。
再訪する必要があるかないかを確認できるからね。

しかしながらマップ構成はかなり意地悪だ。

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↑これさえあれば前に見た道が拓ける!と思ったら残念でした!また来てね!はストレスフル。スッキリしない。

一例をあげると、序盤に存在するあからさまな「また後で来てねポイント」。
とあるボスを倒して得た能力を見て記憶をさかのぼり、
「あっこれであそこに行けるじゃん!」とウキウキワクワクブギウギで向かったところ、
これまた更に別の「また後で来てねポイント」が用意されていた。
このガッカリ感よ!

一応補足すると、
スクショの左側には探索する箇所があるんで、とりあえずそこ探索してねって作りです。
しかし、こういった再訪してまた再訪せにゃならん隠し部屋の作りがムカつくって話です。

トンネルを抜けるとそこは雪国であってほしいんだよ俺は!
新しいエリアに繋がるか、その部屋だけで完結してほしいんだけど、
トンネル抜けたらまたトンネルとかワクワクしねぇんだこちとら。
うちの山だらけの実家周辺を思い出すだろ!

ただ、こういったワクワクして再訪したらまた別の能力がいる、はまだマシな方。
かなり腹が立つがまだマシな方。

 

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↑ゲーム中で本気で殺意が沸いたポイント。この能力で行けるようになるんだろ?というわくわく感を返せ!

水中に潜れるようになってウキウキで過去のマップを再訪したら
鉄の扉が。しかも逆側にそのスイッチがあった、というような
とにかくスッキリとプレイさせてくれないマップ構成が多々見られる。

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↑ゲーム中でコントローラーを投げたくなったポイント。全く面白くないし誰が求めるのか?

他にも一見ただの壁なのに実は壊せる壁だった、とか
床下にスイッチがかくしてあるだとか
謎を用意するけどスゲェわかりにくく作ってるのがスゲェ腹立たしい。
この「一見ただの壁…で~す~が~?」はマジで嫌らし過ぎて憤慨した。
ノーヒントでただ難しいだけの謎解きは誰も面白がらねぇぞ?って。

究極的にはマップ探索にせよパズルにせよ
ゲームにおける謎解きは最終的にちゃんとプレイヤーに解かせねぇとダメなんです。
エンタメ性が必要だと思うんですよね。ヒントとか明示してさ。
本作のようなプレイヤーに解かせない無駄な意地悪さはエンタメ性が低すぎる。

マップにそのエリアにはどの能力が必要か、
というのを表示してくれたらよかったんじゃないかなと。ヒントにもなるし。

 

戦闘と探索、どちらも及第点は超えているものの
なんかこー…面白さがもう一つ足りない感じ。
ガッツリとして2Dアクションをやりたいっていう人がいても
ちょっと別のタイトルを勧めてもいいかも、という思いすら湧く。

じゃあおめぇこのゲーム嫌いか?
と言われたら

自信をもってNOと答えるがね。

 

□私まだ懲りて無い、大人じゃわかんない。

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↑非常に美しい自然。そして滅びの中にも美しさが在る。

このゲームの最大の武器は「雰囲気」
そして「リリィ」である。

グラフィック・音楽・シチュエーション。
この三つが雰囲気を作ってグイッとプレイヤーに入り込み、
プレイヤーもまたグイグイと上がりこむ。

街・家などは崩れ落ちていてさみし気な雰囲気を醸し出しているが、
自然は変わらず美しくそこに在る。
人が作ったものは崩壊し、人が作れないものはそのまま残り美しいままという皮肉…
ではあるが、崩壊した建物にもある種の美しさを感じてしまうのは僕が人間だからだろうか。
とにかく背景のグラフィックに関してはちょっと驚くほどよく出来ている。

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↑常にリリィが目立つようになっている。仮に背景が真っ白でも絶対にリリィを埋没させず映えさせる画面だ。

で、主人公の「リリィ」よ。
シンプルに造詣が良く出来てるのが一つ。
白い少女っていうシンプルかつワンアイデアだがめっちゃいい造形してる。

んでこのゲームやってて思ったんですけど
様々なシチュエーションがありつつもリリィ自身が埋没化しないように作ってある。
画面の背景が結構視覚的にうるさい感じにしてるのに対して
背景が白いとうっすらとリリィ周辺を光らせてクッキリさせるようにしてるし、
背景が暗いと素直にリリィの白が映える。
そういった拘った画面構成・作りにしてる。

 

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↑最初は純白から始まる。そしてゲームの後半では…?

その白いリリィはゲーム中のボスを倒していく毎に
ボスの穢れを引き受ける形でじわじわと汚れていく。
こういうの好きでしょ?という開発の声が聞こえるようだ。
あー…いいねぇ、僕そういうの大好きだよ…。

 

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↑健気な少女にぶっきらぼうな年上のお兄さん。白と黒の対比は基本だが素晴らしい。

リリィの相棒は黒い騎士。
ぶっきらぼうな印象もありつつも非常にやさしく頼りがいがある。
白い少女の相方が黒い騎士。ベタだな~とは思う。思うが、
こういうの好きでしょ?という開発の声が聞こえるようだ。
あー…いいねぇ、僕そういうの大好きだよ…。

 

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↑べターン!という音がしそうなスライディング。「少女の懸命な飛び込み」という説明には少々吹き出す。

リリィのアクションの中でも一つ凄い特徴的なものとして
横っ跳びスライディングがある。
幼女が頑張って全身を使ったちょっと痛ましげなアクションをする…。
ゲーム後半では残念ながらエアダッシュに切り替わり使えなくなるが、
こういうの好きでしょ?という開発の声が聞こえるようだ。
あー…いいねぇ、僕そういうの大好きだよ…。

 

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↑このわざとらしい写真を撮ってくれ!というポイント!そりゃ撮るよ!

あと、レストポイントという文字通り(ワープも可能な)休憩所が各地に点在しているが
なんとUIを隠すことが標準装備されている。

本作にはフォトモードは存在しないが、ここでのみ唯一UIを隠すことが出来る。
その目的は何か?そら、リリィを撮るためだろうよ!
リリィが座ること、その際装備しているスキルのキャラがリリィの周りに表示されること、
その2点のおかげで非常に印象的なスクショを撮ることが出来るわけよ。
こういうの好きでしょ?という開発の声が聞こえるようだ。
あー…いいねぇ、僕そういうの大好きだよ…。

 

まーなにがいいたいか、というとだ。
可愛い女の子を作って存分に可愛さを表現できている。
つーことよ。

こうストレートに言っては何だがこのゲームを買ううえで
多くのプレイヤーの購買意欲を煽ったのは間違いなく
「幼女を操作できる」ところだったと思う。

滅んだ国に魅力を感じたか?よくあるだろうよそんなもん!
2Dアクションに魅力を感じたか?アホみたいにあるわそんなもん!
だが幼女を操作して、それらを守る騎士団の力を借りて戦うゲームはあったか?
いや、無い。

君と響きあうRPGが唯一無二であるように、このゲームはまさに唯一無二。
そして本作を手に取る人が何を期待しているかと言えば幼女!
それを理解して一切妥協なくリリィの可愛さを描いている。
開発陣の中には名うてのロリコンがいるに違いない、そう確信させてくれるほどに!

 

ただ、本作ってエンディングが複数あるんですけど全部しっかりクリアできたのは
間違いなく主人公の魅力のおかげです。

きっちり魅力的に描いたスタッフの力量を褒めてあげたいかなと。
あとこういった一本ピンと筋を通したタイトルは俺好きなんスよ。だから素直に褒めてあげたい。
いやロリコンではないですが、スジが通ってるの…いいですよね!

 

□総評 

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良作です。

もうちょっと独自性は欲しかったよね、つー不満はどうしてもあるけれど。
総合的には無難で及第点は超えてますので。
あと、シナリオも非常に分かりやすく面白いのも加点要素ですね。

 

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そうそう、とても久しぶりにプラチナトロフィーを取ったタイトルでもあります。
とはいえ全プレイヤーでも取得率がなんと驚異の25%!(2021年8月15日時点)
エンディング到達後少し頑張れば合計20時間程度で取れてしまうこともあるんでしょうけど

先述の通り魅力的な主人公がいたからこそしっかりプレイできたんでしょう。

幼女の可愛さと健気さ儚さ、そういったものに魅力を感じたならば是非おススメです。
幼女一人のために買う価値はありますよ。
やはりようじょはつよい。
さぁあなたもロリコ…ではなく静かなる騎士団の一人となりましょうや!

ではまた。

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↑終わった国で終わらせる物語ですが、希望のお話でもあります。是非幼女を守護ってあげてくださいな。