さて、『Marvel's SpiderMan』である。
昨今海外ではDCコミックスを中心に硬派でハードなしっかりとしたキャラゲーが作られている。
バットマンアーカムナイトシリーズがその代表格である。
映画ではマーベルに後れを取っている感があるDCだがゲームにおいては何ぼか先を行っていた。
あれだけ大ヒットしたアベンジャーズもゲームはレゴゲーぐらいしかなかったりする中軽口を叩きながらスイングしてやってきたのが
この『Marvel's SpiderMan』。
このゲームを早速東映版スパイダーマンのノリでレビューしよう。
なお、ゲーム本編中に東映要素はありません。ﾚｵﾊﾟﾙﾄﾞﾝ…
□俺はストーリーを説明する男！スパイダーマッ！
↑左は警察内部の協力者ユリ・ワタナベ。普通に日本人。右はフィスク。普通にデブ。
まず時系列だがいわゆるサム・ライミ版やアメイジング、ホームカミングといった現行・少し前の
映画シリーズとはまったく違っており繋がっていない。
てーかいきなりフィスク（キングピン）という
映画に一ミリも出ていない敵とのバトルからスタートするし！
映画に一ミリも出ていないユリ・ワタナベって人と相棒になってるし！
しかも8年も戦ってきたことになっているし！（23歳）
アベンジャーズタワーはあるのにいないし！
グウェン（アメスパの彼女）もいないし！
でもベンおじさんは死んでる！！！いつもどおりだね！
ストーリーに関しては
私スパイダーマン23歳！ちょっぴりドジなスーパーヒーロー！
物語冒頭でフィスクを倒したらた～いへん☆
フィスクが抑圧していたギャングや変な仮面をつけた人たちがNYで大暴れ！
彼女のMJにはフラれるし、知り合いはなんか怪しいし
もう私、これからどうなっちゃうの～～？？？
新番組「ぴかぴかドリームアイドルンバ・ピーター」！
観ればあなたも、すーぱーヒーローっ☆！
何だ？実際大体こういう話だぞ？
既に八年も戦っていることもあり、
主人公ピーターのヒーロー観については既に達観している。
ヒーローとは何か？何故僕が戦わなければいけないのか？
という使い古された悩みなどとうの昔に悟っているため迷わない。
たとえ彼女にフラれようが知り合いが敵だろうが知り合いが殉職しようが
彼は嘆かない。いやホンのちょっとだけ嘆く。
でも自分の正義は揺るがない。
しかし彼は死んだ叔父が残した言葉
「大いなる力には大いなる責任が伴う」を体現しているだけである。
すぐ情緒不安定になる鉄男やDCのコウモリに見せてやりてぇもんだ。
そしてプレイヤーはその彼を自由自在に操れるのだ。
□俺はNYを飛び回る男！スパイダーマッ！
↑歌って踊れて自撮りも出来るヒーロー。タイムズスクエアのユナイテッドする朝焼けと共に。
まずニューヨークの再現度が素晴らしい！
ニューヨーク行った事無いけど
映画キャプテンアメリカのラストで見たから俺はニューヨークには詳しいんだ。
完全にカモンベイビーアメリカでユナイテッドするタイムスクエアでちょっとした感動もん。
そんな再現NYをビュンビュン飛び回れるスイングが本作最大の目玉だろう。
↑ビュンビュン飛び回れッ！スイング一つでNYが自分の庭だッ！
ツイッターでも大きく話題になっているスイングだが
ゲーマー向けにざっくり言ってしまうとスパイダーマン版フリーラン*1だと思ってくれていい。
地形に合わせて適切な移動スタイルを選ぶ。
壁は壁走りをするし、段差があったら飛び越える。
ビルの谷間の暗闇は左右両方に糸を引っ掛け飛び越えるし、
夜のしじまのハイウェイは街灯を引っ掛けてビュンビュン飛ぶ。
突破できぬ道など無いといわんばかりにスパイダーマンは悪を追って空駆ける。
ﾁｪﾝｼﾞﾚｵﾊﾟﾙﾄﾞﾝ！（言いたかっただけ）
↑高いところから落ちる（フリーフォール）と加速する。一定以上加速すると背景が揺らぐ。
このスイングの良い点は移動が早くて競技性があるという点だ。
一点勘違いしてほしくないので強調するが
移動がただ早いだけではストレスがたまらないだけで面白くない。
競技性があるってのはユーザーの操作で早くなるし遅くもなるということ。
びゅんびゅん飛び回るのが快適ではあるんだけどユーザーは自ずとそこから速さを目指し始める。
×ボタンで加速したり、高いところから落ちて加速したりと
ただ目的地に行くだけでも自然とどれだけ早く移動できるかを考え始める。
これが楽しい。
ただちょっと惜しいなと思ったのは現在の時速が出ないことだ。
速さはあくまで体感でしかないので最善手がわからない。
たとえば×ボタン加速とフリーフォール加速とでどちらが早いのかとか。
MOD的につけたり出来ると楽しかったかも。
□俺はお前をスパイダーマンにするゲーム！スパイダーマッ！
↑NY地域の特産品、チンピラの盛り合わせ。わさび醤油に”ステルス”で頂こう。
本作の戦闘は基本複数との戦闘になる。
へぇーチンピラくん、数が多けりゃ僕に勝てると思った？ｳﾜﾅﾆｦｽﾙﾔﾒﾛ！ｼﾆﾀｸﾅｰｲ！
と油断をかまして真正面から戦うとスパイダーマンはあっさりしぬ！
なので絡め手を使うのが基本となる。というかむしろその方が早い。
このコンボ、いい感じだで #PS4sharehttps://t.co/pMra2ep9WB pic.twitter.com/4NuMHuPwP9
— エクサ (@EXA_AXE) 2018年9月14日
↑チンピラ制圧用コンボ。糸を張り付け吹き飛ばして壁にドーーーーン！！
たとえばウェブシューター。
一時的に敵の動きを止める以外に敵を壁や地面に貼り付けることが出来る。
ウェブシューターにもバラエティがあり、
吹き飛ばすものや電気ショックを与えるもの等もあり状況に合わせて選ぶ必要がある。
また、ビルの屋上などで戦う場合は敵を打ち上げて蹴り飛ばしてご退場いただくことも可能だ。
スパイダーセンスにより、敵の攻撃をギリギリまで引き寄せて回避も出来る。
軽口を叩きながら絡め手で敵を飄々と倒す実にスパイディな闘いを楽しめる。
で、プレイしながらちょっと思ったことがある。
↑なるべく被害を与えないように努力する。スーパーヒーロー着地も誰もいない・見てないところでやった
本作はグランドセフトオートばりに町に一般人があふれているが
たとえば一般人にウェブをくっつけることは出来ない。GTA的な暴力は出来ないのだ。
しかしハイタッチは出来るし、助けてくれ！との声は聞ける。
悪意的な干渉はスイングして降りてくるときにわざとぶつかるようにすれば出来るが
プレイしていて「おっと危ない」と自然と避ける自分がいた。
そして思った。
「これってスパイダーマンだよな」と。
上述したとおり危害を加える行為が出来ないし、
悪意的な干渉にも市民からの多少の抗議はあれどデメリットは無い。
それなのになぜかわざと避けた位置に降りるようになってしまっていた。
↑市民はスパイダーマンに暖かい。たとえパンツ一丁でも握手してくれる。
また、メインミッションをこなすために目的地に移動している最中、
市民を巻き込んだ犯罪がいたる所で発生する。
当然、強制されていないのだがついついメインをおろそかにして向かってしまう。
そしてその時上述した自然とどれだけ早く移動できるかを考え始めている！
これがスパイダーマンじゃなくてなんだというのか！
そう、このゲームの一番いいところは
プレイヤーが自然とスパイダーマン然とし始める点にあると思うのだ。
このゲームのトロフィー設定も絶妙で、
トロフィーという馬の目の前に差し出されたニンジンがあるとはいえプレイヤーは自ずと
- サイドミッションで人を助ける。
- 住人とハイタッチをする。
- 様々な脅威から人を守る
これらをトロフィーを取りつつこなしていく。
すると自然とプレイヤーとスパイダーマンがシンクロしていく。
プラチナトロフィーを取る頃には街を、人を守るスパイダーマンに心からなれる。
そうこれは非常に高品質なスパイダーマンごっこが出来るゲームなのだ。
貴方の親愛なる隣人は、きっと貴方の心の中にいる。
さぁ今すぐソフトを買ってマスクを被ろう。
・・・ただま、本当にスパイダーマンごっこをするのであれば
難易度はイージー（最低難易度）にした方が良かったりする。
いわゆるノーマルだと敵が硬く、思っているよりスパイダーマンはしぬので
スパイダーマンごっこしてる感じが薄れる。
難易度によるトロフィーは無いので個人的にはイージーをお勧めするぞ。
□俺は総評を言う男！スパイダーマッ！
なりきりスパイダーマンという意味で非常に高いレベルでまとまっており
高次元のキャラゲーという感じ。
しかしながら、純粋にPS4の性能をバリバリ引き出して作られてるため
次世代のゲームとは何か？を体現した高品質かつ面白い傑作となっている。
時系列はぜんぜん違うので事前に映画を見る必要はなし！
・蜘蛛の力を得た青年がヒーローになって敵と戦う。
・ベンおじさんは死んでる。
ぐらいのゆるい認識で十分楽しめる。
とはいえ2時間程度で最低限の知識は得られるわけなので
サムライミ版１・アメイジング１のどちらかを見とくのは無駄にはならない。
ウィキペディアを見るより断然楽しく知識を得られるゾ。
何よりベンおじさんが死ぬし。
（ちなみにどっちも２が傑作なので気になったら見てあげてね）
最高だったぜ！！
— エクサ (@EXA_AXE) 2018年9月15日
Marvel's Spider-Man
大いなる者 (プラチナ)
全てのトロフィーを集める #PS4share https://t.co/Sy0pqwK6Nx pic.twitter.com/SmSlUop3f6
難易度が低いとはいえ一気にプラチナまで取ってしまった。たんのすぃ～ので本当おススメ。
さぁ始めようぜスパイダーマンごっこ！
そしてあのキメ台詞を叫べ！
地獄からの使者、スパイダーマッ！（違）
↑笑顔の謎の老人。お前いつもマーベル作品出てんな。
