オープンβで好評なゲーム久しぶりに見た。(挨拶)
バトロワ自体は好きなんですが流石にもう飽きてきはじめました。
Apex以降どうしてもシューターというジャンルにおいてメタ(環境)が回らずApexばっかりやられているこの環境。
実際流石にバトロワブームも一旦落ち着き、そろそろ次のゲームが欲しい。と思ってた人もいるのでは。
あるよ。
当たるかどうかはわからんが明るく楽しく健全なシューター、あるよ。
ということで先月オープンβが行われた『FOAMSTARS(フォームスターズ)』。
これが面白かったのでヒットを祈願してレビューしていこう。
ではよしなに。
□概要
スクエニ×トイロジック(開発メーカー)のチームシューター!
そのオープンβが先日行われたためそのレビューをしようと思う。
あっはいそうです。見た目通り、
基本はスプラトゥーンです。
スプラトゥーンをベースにしていることは確定的に明らかで俺の笑いが有頂天。
だが。
あからさまなスプラトゥーンフォロワーではあるものの、
それだけじゃないんだ、と言いたくなる違いと魅力がある。
そこら辺を説明しながらレビューしていこう。
□君と違う僕という呪いが肥っていく
↑敵を泡まみれにしてダウンを取り、サーフィンボードをぶち当てて敵を倒せ!
まず本作は塗りの面積で勝敗は決まりません。
敵を倒すのを繰り返してスタープレイヤー(以下、SP)を登場させて敵のSPを倒すというのが基本ルール。
射撃を当てて敵をダウンさせて、近接攻撃でトドメを刺すことが必要。
しかしダウン中は味方により蘇生も可能というApex等のチームプレイシューターな要素がある
その他の特徴としてキャラごとにアクティブスキル2種とウルトが用意されていること。
(ウルト自体はスプラにもあるが)
そして打ち出すのは墨ではなく泡、ということ。
↑高速移動はサーフィンで。勿論敵の色の泡だと移動速度が極端に落ちるスプラ仕様。
スプラ同様に塗られた箇所は高速移動が出来ますが、
さらに塗り(撃ち)続けることでそこには壁が出来る。
壁を作ることで高所に登れる、シューターで高所に登れる強さは言うまでもないよね。
壁を作ることで撃つときだけ顔を出すのが出来る、シューターで壁がある強さは以下同文。
そして、壁を作ることでそれ自体がヘイトタンクのような役割を持つ。
と、これは後述しよう。
本作はスプラトゥーンと同様で、(塗ったところは高速移動できるようになるため)
弾が敵に当たらなくてもある程度アドバンテージが得られる。という点がある。
しかし、
そうはいっても敵に弾が当たらないと面白くないよね?
とでも言わんばかりに当てやすくする施策が用意されている。
↑リロード中は本当にゆ~っくり歩くだけで何もできない。大ピンチであり、敵からすれば大チャンス。
まず本作のリロードはスプラの墨に潜って移動している間に回復する、
という攻防一体の仕組みだが本作は全くの真逆。
ほんの若干動けるだけの棒立ち、しかもキャンセルは一切できない仕様である。
当然隙だらけなので大チャンスであり大ピンチ。
↑弾のサイズは大体キャラ一人分くらい。遠距離なら楽々避けられるが近づかれると避けられねぇ。
んで基本的に打ち出す弾が大きく、そして遅い。
なので”見てから避ける”が出来る。
けれども弾の大きさのおかげで隙がある敵をエイムの下手さで逃がすということが少ない。
つまり”回避はしやすいが当てやすい”という矛盾が非常に上手いバランスで成立している。
凄く上手い。
あと全体的にアクティブスキルの効果範囲・威力共に強力で、
相手に移動を余儀なくさせてるんだよね。
強い場所や作った壁に立てこもって撃ちまくるような芋砂プレイは絶対できないようになっている。
↑山のような壁!こちらの色であればすぐ登れるが、敵の色だと非常に移動速度が下がる。これをどうするかがカギ。
そして前述した”壁”。
スプラトゥーンはどんな場合でも塗りは一発で塗り返すことが出来る。
ウルトで塗った色でも普通の適当な流れ弾で分け隔てなく平等に塗り返されてしまう。
しかし本作は壁まで作られると一発では塗り返せない。
移動にも射撃にも邪魔なのである程度集中して射撃し壁を塗り返す必要があるのだが、
壁に撃ってると横から敵が…。なんてのがよくある。
スキルで一発で塗り返すことも出来るが、
単なる壁相手にスキルを吐かせられるのは大きなアド。
4vs4の戦いを疑似的に4vs5,6とすることが出来るわけよ。
↑敵を倒してスタープレイヤーが出た時。そして右は倒した時。ゲームの決着はSP次第で全て変わるぞ。
最後にSPについて。
SPは一定回数敵・味方のチーム内でリスポーンが発生すると、
チームの中で一番上手い人がSPになる。
そしてSPを倒すと勝ち・SPが倒されると負け、というのが基本ルールになる。
このSPはやられると負けという弱点でもあるが、SPになると火力が大幅に上がる。
上手いプレイヤーが順当にSPになると盤面を一気にひっくり返すことが出来るぞ。
実際これで逆転、あるいは最低でも相手側のSPを引きずり出すことが可能。
一方的に負けていた状況から、
数字の見かけ上は同じくらいの接戦にまで戻せるのはメンタルに非常に良い。
SPを倒すために囲う・守るために囲うの2つが出来るので
オーバーウォッチのような一つの目標に対して全員で戦い合うようなワチャワチャ感が出来るのも良い。
↑MVPをとった時。マッチ終了後の表彰は上手い人だけ表示されるぞ。
さらにこのシステムの白眉な点は対戦系シューターでありがちな
「味方がアホやから戦いが出来へん」という愚痴に対して
「じゃあお前がSPだったのか?」と言い返すことが出来ること。
上手ければSPになれるんだし、なってない時点でそういうことだよね。
↑時間切れ時はダメージのあるエリアが迫るバトロワ仕様。このルールはかーなーり好き。
とりあえず
オープンβの段階でもシステムの完成度が十分に高い。
スプラやシューターの抱える問題点を上手く改善している。
ただ、スプラのテンポの良さを一部切ることになっているので、
スプラが好きで好きでたまらん人ほど合わない部分が出てくると思うのでそこは好みの問題かな。
悪い点・懸念点としては
まず何がなくともサーバーの貧弱さ。
β中何度も落ちるしスローになった。
PC版ウォーランダーを彷彿させる鯖の弱さはまぁスクエニが何とかするやろ。(楽観)
次に敵へのダメージ・倒すときの音と演出が弱いこと。
ダメージを与えると画面が震える演出があるんですが地味。
下手すりゃ気づいてないプレイヤーがいるんじゃねぇか?
Apexみたいに当てるだけで気持ちいいまでは到達してない。
↑”倒された時”のスクショ。倒した時のスクショ?撮ってねぇよ!とるタイミングがないくらい地味!
あと敵を倒すときは銃弾を当て続けてダウン⇒近接でトドメを当てる2工程が必要なのだが、
このトドメの演出が弱い!正直地味!
味方が敵にトドメを刺してもわかりにくかったり、
味方からのグッド(いいね)がないのもちょっと勿体ないなと。
(Apexみたいにボタン一発で感謝や賞賛が出来ればいいよねーって話)
味方の状況把握できないのもややしんどい。
HP状況がわからなかったり、ダウンした味方の位置がわかりにくい。
(倒れた味方が後ろにいてもマジで気づけない)
↑武器とスキル・キャラは全て固定。見た目はこいつが好きなのに性能でアレで使えない、なんてのがあるかも。
キャラと武器の組み合わせが固定+キャラセレクトはチーム内重複不可なので
好きなキャラを使いにくい点も懸念ポイント。
後何より対戦ゲーのメタ(環境)を回しにくくなると思うし、
別途カスタム要素などがないと飽きが速そうじゃないか?等…。
と懸念事項や改善点は色々あるが
トータルで見ると非常に出来は良く楽しかった。
是非予約してDL版買うか~と行きたいのだが、
ここで一つ令和的な問題が襲い掛かることになる。
□「また会えるよね」って声にならない声
↑キャラたちは全員カッコカワイイ。服装のチェンジも出来そうだぞ。(βではカラー変更を確認)
このゲーム、正直ヒットの予感がビンビンしてます。
シャレオツな雰囲気。
脳が乳に詰まってんのかっていう巨乳等の過剰なセクシーさがない可愛いキャラ。
PSに少ない明るいパーティゲームはSIEや他メーカーでは絶対出せないので、
そういった明るいゲームをやりたいって需要をマルッと持っていけそう。
基本無料なら、ね。
はい。
このゲーム、出来が悪いから基本無料でもないとやってもらえないってわけではありません。
出来は良いです。
しかし基本無料でも厳しいのに、基本無料でないとスタートラインにすら立てない。
という現代的なシューターゲーについて回る問題があります。
コンテンツに対しては金を払え。
というTwitter(現X)で万バズしそうなありがた~い見飽きた説教をするつもりはありません。
まず最初に金を払うという行為がゲーム自体を殺してしまう時代がここに来ているわけなんですよ。
↑オープンβのときのストアスクショ。つまんないわけではないのだがコレで有料!?と悟ったβ。
最近のシューター・マルチプレイ対戦系のゲームは本当に有料タイトルが厳しくなっていて、
有料という時点でもう「やらなくていいタイトル」になってしまう。
カプコンの『エグゾプライマル』なんてオープンβの時点で評価は「微妙」でした。
βから改善したとはいうもののじゃあそれを試してないんですよね。
MSのゲームサブスクには入っているものの、
- ゲーパスに加入してる。
- エグプラが動くPC(XboxSX)を持ってる。
- エグプラをやる気がある。
という地獄の沼の三連クルーンに入る人間が殆どいない。
金を払ったのはゲイツただ一人。
翻って本作はオープンベータ時点で「面白い」とされているけど、有料にしてしまうと
「オープンβ面白かったね~(製品版やってないけど)」という
”いい思い出のゲーム”にジョブチェンジされてしまう。
メーカーとしても思い出の中でじっとしていたいわけではないだろう。
と、いうか何なら「基本無料なら一回は触ってみるか…」ってなります?
自分はフォートナイト以降の無数の基本無料バトロワの大半をやることなく無視しました。
なんなら最近発売された『SIDE BULLET(サイドブレット)』というゲーム、ご存知です?
きっとあなたもそうでしょう。
無料なら必ず触ってもらえるわけでもない。
だがそれでも有料にしちゃうのはカードオタクが風呂に入るハードルより高い。
なお、ストリートファイター6は基本無料じゃなかったがヒットして盛り上がったじゃん、という意見は全然別問題です。
シューターは「へぇこれ面白そうじゃん。でも有料か。
なら○○(あぺでもバロでもフォトナでも嫌いなソフトの名前を入れよう!)やるわ!」
になっちゃうって話なの。
過去はDOAや鉄拳、そして今後LOL格ゲーやグラブルVSがやりますが基本無料格ゲーで当たったと言えるものは無い。
色々理由はありますが、端的に一番強い理由は逃げる先がないから。
「流行してる基本無料格ゲーがない」からです。
しかしてシューターは?もう言う必要がないよね?
時代とどう向き合うかが今のシューターの命題の一つでもあるのですよ。
有料にしてでも売れるという自信があるならもうスクエニを止めません。
…が、ちょっとだけ(2000円くらい)頂くくらいなら潔く無料かフルプライスで頼みたい。
時代の波に乗ってサーフィンするのか。
あえて逆風の荒波を突き進もうとするのか。
B級映画ならどちらもサメが出てきて終わりのシチュエーション。
永久(A級)のコンテンツなのかも含めて、気になります。
期待してます。貴方もしましょう。
まー正直最近のスクエニ見てると上手くいくかはわかんねぇけどなガハハ!!
□君を呪う言葉がずっと喉につかえている
最後にこのゲームで凄い良かった点を紹介して終わりたい。
本稿では一貫してキルという言葉を使わず「敵を倒す」という表現をしていました。
さぞ読みにくかったと思うのですが本作はキルという単語が無いんですね。
本作における敵を倒すという単語は「チル」と言われています。
冷凍食品のパッケージに書かれてるチルドと同じ「冷やす」という意味ですね。
敵を倒す=熱くなった相手の頭を冷やすこと=チルということになっていて
言葉遊びだなぁと苦笑いを浮かべつつもコレ良いなぁと思うんですよね。
シューターが基本無料でヒットしたことで、キルという単語が一般化しました。
ただ、キル=殺すという意味であることからは逃げられない。
しかしながらあまりにもカジュアルにキルという単語が使われすぎている。
このゲームはいっちばん最初にこのゲームは
「パーティ」であり血なまぐさい行為や単語との決別宣言をしているんですよね。
こういった感覚や試みや気概。凄く素晴らしいことだと思う。
これこそこのゲームを応援しようと思った最も大きな理由!
このカジュアルなキルが横行するこの時代にその意気やヨシ!
・・・ただまぁ自分がオープンβやってた時、
「そいつ死にかけ!殺せ~~~!!!」
だの
「アイツ!ぶっ殺すぞ舐めやがって!!」
だの
「は~い俺がキルトップ~w雑魚がよ~~」
とか言ってたんですよね。
フォロワーとやってた時「お前めっちゃ物騒やな。さっきチルって単語褒めてたやん」と言われたんですよね。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
人類はサル…そして愚か…!!
ではまた。製品版で。
↑さぁ飛び込め。頭はクールに、心はホットに!2024年初頭発売予定!