ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

同じ魂を持つ虎達へ。『Dead Cells』レビュー。

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あれは何なんじゃ忍者ニンジャ。(挨拶)

「今は効かないがローグライクはいずれガンに効く」
過去の記事でこういうネタを書いたところフォロワーから
「ほーん、じゃあこのローグライクやったか?」と差し出されたのが本作。

当初うわ、余計なこと言っちゃったな、ぐらいの感覚だったんだけど
これがまさかの・・・?!
ということで『Dead Cells(デッドセルズ)』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

 

□概要

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瘴気に包まれた王国がある。
生気を失った王国の牢獄で一つの命が奪われ、そして蘇る。
頭を切られたその男はもう二度と死ぬことはない。

何かに惹かれるように走り・飛び・そして敵の首をはねる。
その先に何があるかは分からない。
何かがあるのかすらもわからない。

 

しかし走らなければならないことは分かる。
まるで飢えの様に。まるで渇きの様に。俺は走る。
俺はそのために生まれなおしたのだと知っているから。

ジャンルとしてはローグライク2Dアクションゲームとなっている。
始めるごとにマップ構成が変わり、レベルが0になる、ということを抜けば
おおよそ一般的な2Dアクションとほぼ変わらない。

また、ストーリーは全くないも同じである。
忍者のような恰好をした主人公には(ゲームを始める前に語られる)バックボーンは存在せず、
ストーリーがプレイヤーを突き動かすことも背中を押すことも無い。
エンディングを見てもよくわからん王様がなんかやらかしたのかな?というぐらいしかわからず。
本当にただただゲームを買ったから前に進む、ぐらいの感覚でしかない。

ただ抜群に面白い。
近年やってきた2Dアクションの中ではトップじゃなかろうかコレ。
というかこれ、俺が作ったゲームじゃなかろうか。
と錯覚してしまうほど”俺”が詰まっている。

それでは自己紹介しながら説明していこう。

 

□そのとき シュワッと風が切れ ぶっとぶ ふたりのあいだ すりぬけて

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↑いわゆる壁をつかんでジャンプが出来る。とにかく流れるような動きをするドット絵に初見は感動もんだぜ。

まず全てのアクションが非常に快適に動く。
足が早くジャンプや崖掴み崖登りが早い。
ローリング(回避)も早いし回避判定も強力。
まるで液体のような流動的なぬるんぬるんしたアクションが楽しめる。
いいねー…アタイこういうの好きだよ…

f:id:exa_axe:20211010002557j:plain↑常時WジャンプOK!快適な操作性がゲームでストレスをためない!

そしてダブルジャンプ…!(本作は常にWジャンプが可能)

春はあけぼの、ダブルジャンプがあるゲームは名作。
これは清少納言の最も有名な詩の一節ですが、今回も適用されます。
本ブログをちょこちょこ読んでくださってる方はご存知でしょうが、
ブログ主はダブルジャンプに対して並々ならぬクソデカ感情を持っています。

こんな感じでマジで俺が好きな要素しかねぇぞこのゲーム。

 

f:id:exa_axe:20211010003105j:plain↑速度が上がり、忍者のようなダッシュを出来るようになる。

敵をノーダメージで倒し続けるとボーナスとして足が速くなります!
ああ…

f:id:exa_axe:20211010003126j:plain↑ダンジョン中には店がある。そして武器には同じ武器でもレアリティがあり、持ってるスキルが違う!

武器にはレアリティがあり特殊な能力があります!
あああ…

f:id:exa_axe:20211010003232j:plain↑スキルでトラップを仕掛けられる。スキルで可燃性の油をまき、もう一つのスキルで炎を燃やせ!

武器同士に相乗効果がありいくつものビルドが出来ます!
ああああ!

好 き が 押 し 寄 せ て 来 る !
チクショウ泣いてる場合じゃねぇよコレ。

 

まず相乗効果、これが素晴らしい。
過去、リターナルの記事*1において、これが少ないがゆえに
(アクションは素晴らしいが)ローグライクへの愛と理解が足りない、と言及したが
本作は愛と理解がゴロンゴロン詰まってる。

f:id:exa_axe:20211010004121j:plain↑ちと分かりづらいが真ん中の敵が凍結し、麻痺してる。この時にダメージアップする武器やスキルがある。

このゲームは敵を状態異常にすることが出来ます。
出血・毒・炎上・凍結・油・麻痺といった具合に。

本作は武器を2つ、スキルを2つ持てるんですが
「敵を必ず出血状態にする」という武器やスキルと
「出血状態の時にダメージ+80%」みたいなアビリティがついてる武器やスキルがある。
これが相乗効果、わかりやすいですよね。

これがあるから最初に取った武器が意外な活躍をしたりするし、
ポーカーであと一枚でフルハウス…のような期待が出来、
その期待をかなえてくれることでプレイヤーは凄ーく感動するワケ。

実際には最高レアの武器には3つも4つもアビリティがついてきて
「型にハマった時」爆発的な火力を生むことがある。
それこそボスが本当に一瞬で沈む、なんてこともある。

 

・・・僕が考えるローグライクの醍醐味は、
「配られたカードで勝負するっきゃないのさ」ということ。
好不調の波があることも含めてポーカー等のカードゲームに近い感覚があります。

  • そこにある武器やスキル、とにかく”あるもの”で何とかする序盤。
  • 一見使えなかったものが意外にも活躍する瞬間。
  • 今持っているものと手に入れたものを天秤にかけてどうするか、という判断。
  • そしてふいに訪れるめっちゃくちゃ無双できる時期。
    ローグライクはどっかで積み上げてきたものが結実しないとダメなんだよ!!)

このゲームにはこの醍醐味がはちきれんばかりに詰まってる。
ローグライクとはなんたるや、を知り尽くしたゲームデザイナーの完璧な工芸品と言っていい。

 

そこに先ほど言った液体のような流動性のあるアクションがバシッとハマる。

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↑静止画では伝わらないだろうが本当に一瞬で敵を切り裂きアイテムを手に入れる。接敵時間は一秒にも満たない!

走り、走り、敵を切る。
切り、切り、アイテムを得る。
この一連のシークエンスがとにかく早い。
癖のない操作とボタンを押して即時反映されるアクションがフラストレーションを貯めない。
本作には経験値は無いが*2「プレイヤーの経験値」は貯まっていき、
プレイヤーはドンドンとクールになっていく。

プレイ開始当初はえいやえいやと何度も殴っては倒していくんだが、
ゲーム後半は忍者のようにすれ違いざまに一瞬でキルしていく。
クールな心と裏腹にプレイヤーのボルテージは”アガ”る。

さらに一定数の敵をノーダメージで倒すと移動速度が上がるバフがニクイ。
コールオブデューティのキルストリークと同じ考えで、
上手くやれればもっと上手くやれる、というのは脳を破壊して汁が出る。
このバフはバフ時間中に敵を倒すと継続されるため脳汁がおかわりしだす。
スッと敵をねじ伏せて加速していく足と心はハート・ビート。
うおォン 俺はまるで人間ドラムだ。

 

嗚呼善き!善き哉、Dead Cells!!

やればやるだけ、
俺のために作られたゲームじゃないかって感じがしてきます。

 

僕はアフガニスタンで虎に育てられ瀬戸内海の荒波に揉まれた快男児で通ってますが、
もしかしたらこの開発者も虎に育てられたかもしれませんね。これは。

 

□こっちとあっちのミステリー 繋げて見せてよ

f:id:exa_axe:20211010012017j:plain↑ステージの合間に休憩エリアがある。その前のステージの成果によってボーナスステージの扉が開く!

後気に入ってるシステムとして、

  • その面を○分以内に突破する
  • その面でダメージを受けずに○人倒す
  • (ボス戦後の休憩部屋のみ)ノーダメージ撃破

という条件を満たすとボーナスステージに入り武器・アイテムを得られるという要素

面自体をとても楽しくプレイできるし目標もあることで張り合いもでる。
これなかったら特に序盤の面で飽きが来てたと思う。
何度も序盤をプレイさせられるゲームがゆえに凄く練りこまれたシステムです。

 

f:id:exa_axe:20211010012154j:plain↑ボーナスステージでは選択式!強いものと凄いもの、さぁきみはどっちを選ぶ?

んで、リターナルの記事にあえて詳細を書かなかった要素として、
リスクとリターンを天秤にかけてそのアイテムを取るか?っていう要素があった。

つまり、あえて火中の栗を拾うか?と取捨選択に悩ませる要素があるんですが、
このゲームは上記のボーナスステージにて
凄いリターンと強いリターンどっちのリターンが好き?と提示して来る。
あ~よくよく考えればこれの方が悩むよなコレ。と感心。

 

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↑道中で宝箱を開けてたくさんのアイテムを手に入れる、武器を作れる設計図を得られる!レアドロップで!最高!

あと武器の設計図がレアドロップするとかアイテムの数が膨大とか。
ヤベェ…俺このゲームに好きな要素しかねぇや…とコントローラーを持つ手が震える。

 

個人的な、ゲームの話をする上の哲学、つまりブログを書く上での俺ルールなんすけど
ダメな点は絶対話すようにしてるんですね。
完璧なゲームってのは無いし、
ダメな点は良い点より共感しやすくなるってのもあるんですが
褒めるだけのレビューって何となく信頼できなくないですか?

そのダメな点を話さないがゆえに読者が
「ここ不満に思わないってエアプじゃねぇの?」って思うのも嫌ですし。
目立つ不満点は絶対言っておかなきゃ!って思うの。
あくまで俺ルールなんだけど。

このゲームのダメな点…ダメな点…
アレ…ねぇな…。ねぇな…???

ゲーム自体がコンパクトでまとまっているっていう点がデカいんですが言うほど不満がねぇよ…。
あえて言うなら、あえて言うなら…。
あ、一点あった。

このゲーム、1周すると難易度が上がる代わりに新しいアイテムが出る様になる。
ボーダーランズのメイヘムモードのようなもんですね。

この仕様も大好き、大好きなんだけど
3周目クリアした辺りでエンディングに変化がないことに気づくわけよ。
で、攻略サイトを解禁してみてみると、
真エンディングには5週必要ってことがわかったんよ。

や、やらねぇ~~~~!!
4週目の序盤すらしんどいのにこれ以上やりたくねぇ~~~!
やるにしてもちょっと時間を置かせて~~~!
ってなる。なった。

とはいえ、僕が完璧主義者だったらこれに憤慨してた可能性はあるんですが
ここまで楽しませてもらってたら十分だろ、最悪動画サイトで済ませればいいや。
ぐらいのアバウトな感覚持ちなのでぜーんぜんマイナスになりません。

無論、ゲームとしてノーマル・ハード・ベリーハードの3周の方がまとまり良くない?
ちと蛇足じゃない?
みたいな感覚はあるんですが何せ”俺”ですから。
あ、長い?別に動画サイト見てもいいよって言ってる言ってる。
あっちの”俺”はそういってるよ。

ここまで好きなもんで作られてるともう何も言えない。

これ・・・これ・・・
これ俺が作ったんじゃねぇかなァ?!

 

□霊験があったら子分になるからさ

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当たり前だが本気で言ってるわけじゃないぞ?
ただ、完全に感性が俺。

 

ゲームって自分でも思ってなかった驚きと楽しさをくれることが多い。
昔、FPSでスナイパーを馬鹿にしてた時期があったんだけど
やってみるとすんげ―面白かったわけ。
今や武器二本持てるときは一本はSRにするくらい好き。
Civilization?なんか名前だけは聞くから面白いんだろってよくわかんないまま買ったら
ちょっと人生を吸われそうになった。ヤバかった。

ただ、ここまで俺のために作られたゲームだと実感したゲームは、ない。

別の面白さをくれるのがゲーム、だと思ってた心が揺らぐ。
お前が好きなものを花のように詰めて詰めてリボンで束にしてやったぞ!オラァァン!
差し出された花束で脳をフルスイングされた気分。

好きなものを真正面から突き付けられたらそりゃ感動するしかない。
なんちゅう…なんちゅうもんを作ってくれたんや製作者はんは。
これに比べたら山岡さんの鮎はカスや。

 

本当に素晴らしい経験をしたと思う。
ゲーマーをやっていて”俺のゲーム”をやれたゲーマーはどれだけいるだろうか?
もしかしたら一生”俺のゲーム”をやれないまま終える人もいるかもしれないんじゃないか?
ゲームの好みってゲームをやっていくうえで構築されていき、そして時期によって変わっていく。
だからこそこれを最高と思える時期にやれた奇跡が嬉しい。

きっと、ゲームをずっとやってきた僕へのご褒美の花束なんだと実感しました。
ある意味、自慢です。ええ、うざったくなるほどに自慢してやりますとも!

 

□総評

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いやまぁ傑作ですよコレ。傑作以外にありませんよ。

2Dアクション好き?買っとけ。
ローグライク好き?買っとけ買っとけ。
どっちも好き?じゃあお前は俺だ。今買え。

俺が詰め込められてDLC込み込みで3000円!
俺の人生が3000円…?と考えると複雑ですが
俺と同じ趣味嗜好を持つアフガニスタンの虎の子達はとっとと買いな。飛ぶぞ!

 

でもなんだろうな、初めてですね。
ここまで俺のために作られたゲームってのは。
それでいて、結構有名なタイトルだったのが盲点でした。
知らなかったことについて喜びもありつつ、悔しさもある。

でも、僕がフォロワーにお勧めされたように、
きっとどこかにいるであろう同じ魂を持つ”虎の兄妹”達がこの記事で気づいてくれたら本望です。

そして教えてくれたフォロワーに感謝を。
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ただ、こうなるともしかして俺がやりたいゲームは既に発売されている、
という可能性もありえますね。
僕がやりたいのは

  • 文明崩壊後の都市が舞台。
  • 人間同士の争いはいらない。あってもいいけどそればっかだと困る。
  • でも可愛い女の子は欲しい。恋愛要素があるとなおよし。
  • スーパーやデパートに入って缶詰や水を拝借したい。
  • 拠点を作る機能が欲しい。
  • 動物を狩りたい。魚も釣りたい。
  • 定番ネタのゾンビはいてもいなくてもいい。

都市型『サバイバルキッズ』みたいなサバイバルゲームなんですが…。
情報提供、お待ちしております。

ではまた。

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↑お前は俺だ!俺が好きならお前もこのゲームを好きなはず!おススメ!

*1:https://exa-axe.hatenablog.com/entry/2021/05/30/190000

*2:道中でステータスアップアイテムを取って強化する