ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

普通とは一味違う乙女。『Bloodstained: Ritual of the Night』レビュー。

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普通の女の子に戻ります。(挨拶)

二月!あんまりやりたいゲームも買うゲームもない!せっかく買ったゲームもハズレだった!
ということもまぁ正直ありますよね。うん。

そんなときは普段やらんタイプのゲームをやるチャンス!
ということで万一合わなくても懐も痛まないフリープレイで提供された本作!

『Bloodstained: Ritual of the Night(ブラッドステインド リチュアル オブ ザ ナイト)』をレビューしよう。

なお、既にフリプ配布期間は過ぎたが仕事が忙しかったので私は謝らない。ではよしなに。

 

 

□概要

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人間の化学技術の進化が止まらぬ時代。
様々な人間が恩恵を受ける中、古き者はその恩恵を受けられないままでいた。

錬金術師は自らのアイデンティティ既得権益を守るため、
シャードリンカーと呼ばれる半魔半人を作り出した。
そして、彼らを媒介に地獄と悪魔を召喚しようとした。

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その十年後に物語は始まる。
シャードリンカーである主人公ミリアムはかつて友人であったジーベルの変貌の真実を突き止めるため、そしてもう一つの目的をなすため彼女は悪魔の住まう城、悪魔城へ向かう。

 

彼女を突き動かすのはかつて自分を人間だと呼んでくれた友との約束。
―――どちらかが人間でなくなったとき、必ずもう一人が止める。
その約束を果たしに。

悪魔城を生んだクリエイターが独立してキックスターターで資金を集めて作った本作。
キックスタータータイトルでも有数の成功作の一つでもあります。

んで実は僕、悪魔城シリーズをクリアしたこと…なかったんですよね。
いかにもゲーマーでございって人でも有名なシリーズをクリアしてないってよくある話。
僕は全くもってゲーマーではないので割とやっていないシリーズも多い。

あっしがゲーマー?へへッ旦那ぁ人聞きの悪いことは言わねぇでくだせぇ。
悪魔城も魔界村メトロイドロックマン(Xシリーズはやったが)もやってませんぜへっへっへ。
…うん、単に2Dアクションを回避してきただけですね。嫌いじゃー無いんですが。

一応、悪魔城はDSで白髪の少年のやつはちらっとプレイしたことがあるんですが
割と序盤でやめてしまった。
何でやめてしまったのか、そして本作はなぜ最後までプレイできたのか。
そこら辺交えてレビューしていこう。

 

ペッパー警部、邪魔をしないで。

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↑攻撃はコンボにならない。連続攻撃は出来るが小パン連打って感じで爽快感に欠ける。

ゲームとしては基本探索がメインです。
が、先に戦闘について触れておきましょうか。

まず、悪魔城なので基本的にボタンを連打してもコンボにならないです。
ここでいうコンボとはつまり、テイルズシリーズなんかでよくある
袈裟切り⇒逆袈裟⇒縦切りというような攻撃の連続性のこと。
これが無い。

無論、ボタンを押した回数分攻撃アクションを取るが、
決められたモーションを繰り返すだけ、である。
あの白いペッパー君でももうちょいモーションが存在するぞ…?

また、一部の敵を除いて多くの敵がスーパーアーマー…つまり怯まないため
アクション面における爽快感というのは正直殆どない、と言っていいだろう。

僕がDSの悪魔城をちょっとプレイして投げた理由を思い出したよ。
攻撃手段もほぼ鞭だけでなんかアクションの幅の無さがねぇなーって
戦闘に面白みが感じられなかったからだわ・・・と。

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↑武器の種類は非常に豊富。好きな武器種を選んで攻略しよう。

ただ、本作はそのあたりに様々な改修が加えられている。
まず一つは武器が非常に多種多様になっている点。
初期装備はキックだが、ナイフ、長剣、杖、大剣、銃、そして鞭etcと多岐にわたる。
しかし攻撃範囲や発生速度に差はあれどやはり攻撃アクション自体はペッパー君未満である。

 

だが安心めされよ、この主人公はペッパー君以上の性能だ。

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↑格ゲーみたいなコマンドでつながる奥義。種類はたっぷりあって面白いぞ。

本作各種武器に奥義という特殊なアクションが存在する。
この格ゲーじみたコマンド入力によりMPを消費して強力な攻撃を発生させられる。
その一部には連続攻撃が可能な技があるので正直相当救われた。

通常攻撃から繋がったり、そこまで強力な奥義があるわけでもなく
本当に「戦闘に幅が出る」
というだけではあるがそれでもただ漫然とボタンを連打するだけではない、ということはかなり救われる。

ステーキだって上手い肉を買ってきて焼くだけじゃあだめなんだ。
胡椒くらいは振ってほしい。
そして本作はちゃんと胡椒が利いているわけよ。
ペッパー(君)だけにね。

…ペッパーだけにね!!

※2021/03/13追記※
フォロワーより、一部の武器種は非常に強力な奥義があり、
フレーバーではなくバランスブレーカー級の性能を持ってるよ、との突っ込みがありました。

自分はその武器種をほぼ使っていなかったため気づいておりませんでしたが、
追記にて訂正をさせていただきます。どの武器種かはプレイヤーで探してみてくださいね!

 

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↑敵を倒すと得られる魔法。画面内の敵を一掃する魔法や剣や炎を出す魔法などもあるぞ。

あと、いいところとして敵やボスを倒すと
その能力をコピーするかのように魔法(シャード)が手に入ります。

詳細は後述しますが、探索面においては非常に重要な位置を占めますし、
何より戦闘においては様々な種類があって地味な戦闘を華やかにしてくれます。

直接的な攻撃に関するものや移動・補助・ステータスアップなども含めるとすべての敵にこのシャードが設定されており、
なおかつ、シャードの所持数によって性能が強化されるため敵を倒す意欲がとても湧く、非常に丁寧な出来になってます。

 

本当に序盤から(とある個所を除いて)ずっと好印象なんですよね。
実際、以前投げたときのDSと比べると正直ずっとスッと入ってきてプレイできた。
アレ、これこんなに面白かったんだ!ってなりました。

DSのころとは一味違いますよ。
ペッパー…だけに…!

 

□地球の重力に飽きたところよ。

読めば読むほど頭がダメになるがタメにはなることで有名な本ブログ、
今回これだけは覚えて帰ってほしいんですが

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ダブルジャンプできるゲームは良作。

 

…わかったわかったGo!Go!5次元GAME ネプテューヌre Verseを出すな。
Twitterでフォロワーに本当に出された)

※2021/05/30 20:00修正※
対象のゲームが間違っていました。以下訂正します。
誤:Go!Go!5次元GAME ネプテューヌre Verse
正:勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!

ただ、これは割と根拠がありまして。
ダブルジャンプってぶっちゃけバグの温床なんですよ。
地べたに張り付いてるだけならデバックも楽だし、当たり判定も地べたと触れる壁だけでOK。

何よりダブルジャンプ出来るって時点であらゆる”悪さ”を考慮に入れて作らないといけない。
ダブルジャンプが出来る時点で結構いろんな制約やレベルデザインが必要になる。
めっちゃ手間。
ダブルジャンプを許容する作りこみが必要になるんだから。

でも、その作りこみがしっかり作られてたら・・・?
ダブルジャンプして見える景色が作りこまれ、ダブルジャンプが必要な謎解きがしっかりある。
ダブルジャンプに意味があるかどうか。意味を持たせられているかどうか。
自ら高いハードルを設定してそれを超えられてるならそりゃ良作よ。

結論を言おう。
ハードルは見事飛び越えた。
もちろん、ダブルジャンプで。

 

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↑青いところは行ったところ、黒いところはまだ行けてないところ。様々な能力を得て、あとから行けるようになるぞ。

このゲームって最初は主人公が戦う以外出来ないので行ける場所が非常に制限される。
例えばデカい石が邪魔してて通れないとか、それこそダブルジャンプじゃないと届かないとかね。

ただ、先述の通り一部の敵やボスを倒すことで敵の能力の魔法が入手出来る。
特にボスは次のエリアへ移動するためのキー能力も多く、
ボスを倒すことで石をつかんでどかして、あるいはダブルジャンプで越えて、新しい場所への探索が出来るようになっている。
このシンプルな飴と鞭!古来から使い古された飴と鞭の仕組みよ!
んー大好き。

僕は常々ゲームってのは目標があって、それを達成すると見合った報酬が貰えること。
この感覚と間隔が両方優れていることが面白いゲームの条件だと思っているのですが
このゲームは凄くシンプルな飴と鞭の構造ですが悔しいことにどっちも優れてます。
実際、面白いんだもん。

この仕組みに気づくまでは不便さが面白さより上回っていて
足が遅い、ジャンプが低い、行けない場所が多すぎる、そして中途半端に難易度が高い…と
最初は面白いけど一時間ちょっとプレイすると不便すぎてツマンネーって感じになったんだ。

でも、ボスを倒すことで道が開ける、ということを理解していき、
「あっこういうゲームなのね!俺知ってるやつだ!」とカチッと頭のピースがハマる瞬間が来た。
そっからはもう夢中よ。

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↑ゲーム終盤で手に入る加速シャードにより超スピード!青いエフェクトで音速で走る!SEGAの回しもんか?

不満に思っていた足の遅さも様々な改善手段があり、
後半は超スピードで駆け巡り、何ならハイジャンプはおろか、文字通り縦横無尽に移動出来てしまう。
最終的には悪魔城に彼女が入れない、通れない所が無くなってしまう。

当初は悪魔城でちょくちょく死んではおっかなびっくり歩き回る主人公だったが、
様々な能力を得ることで序盤の不便さが後々解消されていき、
終盤はあたかも我が家のように気兼ねなく走り回ることが出来るようになる。
悪魔城の招かれざる客から悪魔城の城主へとゲームプレイで自然と変化していくように計算されているのは流石は悪魔城を作ったオリジナルクリエイターだなと素直に褒めるしかなかった。

 

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セーブポイント。椅子に座ると回復できる。ただ、ここへ直接移動することはできない。その仕様いる?

ただ一点、探索面の不満を言うと、
セーブポイント(兼回復ポイント)と移動ポイントが別になっていること
セーブポイントはセーブと回復、移動ポイントは移動ポイント間でワープが出来るわけだが、
恐らく移動ポイントの使用用途の大多数を占めるのは拠点へ帰還し装備を整えること、
そして回復することが殆どである。

つまり、セーブポイントの役割を実質移動ポイントが賄っているのである。
統合した方が自然というかしていないことが不思議。
一応中ボス戦の前には必ずセーブポイントは用意してくれるんだけど、移動ポイントが別なので拠点に帰って装備を整えた後また戻るのがめんどくさかったのが一つ。

 あとはそこそこ死にやすいのにやられるとセーブした”状態”に戻されることですね。
場所ではなく状態ね、拾ったアイテムやマップの状況が元に戻されてしまうの。

この意図が分からぬ分け方と、死亡後のロードがちょっとイラつくレベルで長いのと、
今時オートセーブもないんかい!っていうのと、
探索したマップくらいは死んでも探索分は残してくれてもいいんじゃない?っていう感覚。

そのシビアさ古くない?この時代にいるかな?っていうのは考えてしまった。

ジャンルを作った生みの親、ということでレジェンドへのリスペクトはあれど価値観のアップデートは欲しかったかなって。

 

□今日もまた誰か乙女のピンチ

このゲームをやっていて多分皆、
最初は気づかないけど途中で必ず気づく要素があるんです。

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↑美人。髪型や服・髪や肌の色まで変更できるぞ。まぁ俺は元のが一番かわいいと思うが。

主人公の女、顔がいい。

いや多分最初マジで気づかないと思うんですよ。途中で気づく。
この女、顔がいいなって。

んで恐らく読者はこういう疑問を持つと思います。
なんで途中で気づくんだよ、顔が変わるわけでもあるまいし、と。
当然の疑問だと思います。
答えを言うと「表情が一切変わらないから」なんですよ。

本作の主人公ミリアムちゃんは一切表情が変わらない。
シリアスなシーンもコミカルなシーンも。
いや流石に瞬きくらいはするんですよ?
でもね、ペッパーくんですらするんですよ瞬きはさ!

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↑協力者となる斬月。彼に至っては瞬きすらしないぞ。そしてどういう表情なんだお前ら。

僕は鎖を使って列車に飛び乗るムービーでいくら何でも無表情過ぎない…?と思い
そこから以降、ムービーやメニュー画面で顔が表示されるたび
流石にここでは表情が変わるだろ、ここは変わるだろ?と顔ばっか見続けることに。

人が死んでるのに顔変わらんな…
料理作ってるのに顔変わらんな…
…あれ、こいつ顔がいいな…と。

そう、あまりにも表情が変わらないために嫌が応にも注目してしまい、気づく。
この女、しかめっ面だが顔がいいと。あとおっぱいでかい。
ただ、常時しかめっ面でありながら行う行動は結構コミカルだ。

 

本作は頭装備とアクセサリ2種類、そしてマントがキャラクターモデルに反映される。
(胴装備、つまり服の類はごくごくわずかのみ変化するものがある)
ただ、頭装備もアクセサリも大分こう・・・ありていに言えばネタに走っているようなものが多い。

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結果として「うぁぁ…き、綺麗なコスプレイヤーが真顔で悪魔城を練り歩いてる!!!」という状況になる。

ブフッwすんげーバカっぽい(笑)。

 

実際、この子はこんな顔しつつも行動そのものがネタっぽいものが多い。
本作は回復手段はいわゆるポーションの他に食事、つまりご飯がある。
また、初めて料理を食べた際には料理の難易度に応じてステータスがアップする。
勿論、作るのは彼女自身なのだが…

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おい!笑えよ!成功した時くらい!
と、おそらく予算の都合上表情が変わらないだけなのだが異常なまでにシュールな状況を生み出してしまう。
また、ポーションの上位種であるハイポーションコスパが悪いため、
殆どのプレイヤーはカレーが主な回復手段となる。(材料が安くて手ごろに作れるため)

敵と交戦し、傷ついた彼女はメニューを開きカレーを選択する。
そして彼女の声優の気合の入った「おいひぃ~~」という掛け声と共に敵の目の前で食事をするのだ。

こんなもん、インド人もビックリだろ!

 

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しかし彼女、いたって真面目なのである。真顔で真面目な乙女である。
そんな彼女への感情移入はゲームのシナリオだけでは正直かなり弱い。

キーとなる十年前のお話は別のゲームであり、ほぼ地続きのため彼女とこの事件の主犯であるジーベルとの関係性は何となくはわかるものの、
本作単体で完結していないため旧友と戦いあう仲となっても感情移入はしがたい。

だが、体を張ってネタを…もとい真剣に戦う彼女にいつしか惹かれていく。
能力を成長させてやりたい、強くしてあげたい、もっとうまい飯を食わせたい、とプレイしていて思えたのだ。

馬鹿な子ほど可愛い。
たとえ全身からカレーの匂いがしたとしても。

シナリオではなくゲームの内容で彼女を魅力的に映すことにこのゲームは成功している。
勿論、先述の通り単に予算が無くて表情が変わらないのを勝手にこっちが愛着を持っただけだが。
でもそれでもいいんだ。カレーのスパイスの匂いがするくらいなんだ。
なんせこの子は顔がいいんだから。

 

ん?スパイス?
スパイス・・・スパイスといったら胡椒…胡椒と言ったらペッパー…
そう!ひと味違うのさ!ペッパーだけにね!

 

□総評

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いや良作!

悪魔城シリーズへの偏見があったんだけどものの見事に解消してくれた。
次回作出たら絶対金払って買うわコレ!と一気に評価が引き上がった。

フリープレイのいいところってこれっすよね。
普段全然目にも止めないような、買わないようなタイトルが次買うぞ!ってなること。
まぁお金を払わないので序盤面白くないタイトルをさっと辞めてしまうことも良くあるんだけども。

まぁね、このブログを読むようなゲーマーの方々は既にプレイしているかもしれないし、
最低でもDLはしないけどフリプチェックぐらいはつけとくか、くらいのことはしてると思うんで、
是非、今からでもDLしてプレイしてほしい。

え、チェックもしてない?
・・・まぁ金出してやるだけの価値は間違いなくあるから!誇称でもなんでもなく面白いぞ!

ん…?誇称?コショウ…こしょう…ペ(以下略)!(もういいだろうよってことで〆!)

f:id:exa_axe:20210307005701j:plain↑本作で一番好きなスクショ。夜の闇は恐ろしいが月明りは優しくその中で謡う様が美しい。