ブァカ者がァアアアア ナチスの科学は世界一チイイイイ!!(挨拶)
フィクションにおけるナチスの人権ってどうなってるんだろうねと思いつつも本作でもやっぱりナチスの頭に風穴を開けてしまうFPS(TPS)プレイヤーの悲しい性。
うっかり購入してしまった本作。
さて、冒頭ではっきりと言ってしまうんだが
「本作独自の褒められる点はほぼない」
もっと言えば明確に2流のシューターである。
だからと言ってつまんねーかというと・・・?
と、いうわけで『Zombie Army 4: Dead War』をレビューしよう。
なお、ネタバレ?するような内容がねぇよ!
□概要
1946年、我らがレジスタンスはあのヒトラーを倒し、地獄に叩き落した!
・・・はずだった。ナチスはゾンビとして蘇り、再度ヨーロッパを侵攻。
そして地獄に叩き落したはずのヒトラーはこの世を地獄と変えたのだ!そこで諸君らには再度ヒトラーを殺害する任務を与える!
二度と蘇らぬよう頭を!心臓を!金玉袋すらもその弾丸で打ち抜き、地獄でも天国でもない世界へ送るのだ!
それでは各人の健闘を祈る!
世界共通のフリー素材(敵役に限る)であるナチス、そしてヒトラーは本作ではゾンビとなり、僕らに撃たれる役目を担っている。いつもご苦労様です。
この「ナチスがゾンビになる」というのはあまりの馬鹿馬鹿しさに斬新さを感じる人もいるだろうが、
実は割と使い古されたネタであり適当なググりかたでも映画が何個か見つかるほど。
おそらくそろそろ教科書にも載るだろう。
↑敵を倒すとコンボが伸びて点数が上がる。キャンペーンはまあそんなに。
まずゲーム性としてはXbox360,PCで発売された「Left 4 Dead」が最も近いだろう。
自分もL4Dに関しては動画勢だが、見た限りだとほぼまんまである。
- 大量にゾンビが出る
- 4人チームで撃つ
- セーフルームがある
- 弾を補給するデカい箱がある。
…うん…まんまだね…。
一応、敵を倒すごとに画面右の数値が上がっていき、
コンボが途切れるとその分が加算され、ステージの終わりにその点数で評価がつく、という要素はあるが、キャンペーンにおいては割とどうでもいい。
↑スローモーションになり、ヒューーーーーンズドーン!って感じで割と気持ちいい。
一応区別される点としては、プレイヤーキャラクターにはそれぞれ特徴があること。また、唯一本作のみの独自性があるという点ではキルカメラがあげられる。
同じ制作会社が作った、ということでスナイパーエリートシリーズおなじみのスローモーションで敵の部位を破壊する演出が見られる。
これ自体は結構楽しい。気持ちいい!と思える。
頭!
内臓(心臓や肺)!
きんたま!
これらを遠距離から打ち抜くとスケスケの助でござるよ!!
うん、まぁそれだけなんですけども…。
□キャンペーンにゃ褒めるとこなどナスナチス。
↑一度死んだヒトラーが復活?!あんまり驚けないのはやっぱりナチスのせいか。
本作はキャンペーンとマルチの二つに大きく分かれているが
先にキャンペーンの方を説明しよう。
先ほど説明した通り復活したナチスおよびヒトラーを再度倒す、というストーリーで進むステージ制、章仕立てのゲームだ。
ただもう飾らずに言うんだけどさ、面白くないんだよね。
うん、面白くない。マジで面白くない。マジ卍。
プレイしていて卍褒める点がねぇ卍と言い切っていいくらい。
しょぼいBGNに当てても気持ちよくない音、エフェクト。
バタバタした走りモーションに代わり映えのしない雑魚敵。
プレイしていて俺の心が覚めていくのが分かる。
やってて「これ、何が面白いんだろう・・・」となっていく。
↑左は遠くて申し訳ないが戦車ゾンビ。ミニガンゾンビはTOUGHだぞ。歩きゾンビを放てッ!
一つの売りとして火炎放射ゾンビ、戦車ゾンビといった
ハチャメチャなゾンビを登場させているが元々がそれほど面白くないために
つまらない芸人が過剰に下品なネタを出したような、目を覆いたくなるような醜悪、悲壮感を感じてしまう。
共感性羞恥、という感情に近い冷めた感情が俺の心にベルリンの壁を作ってしまう。
せめてBGMをユーロビートのようなハイテンションな楽曲にしてしまえば
「あぁ、このゲームは”そういうゲーム”なんだな」と一笑にふせるのだが
大人しめの、どちらかというとホラー寄りの音響を聞いていると
ムッツリとした顔、いやムッソリーニのような顔になる。
いやお前バカなんだからバカやってりゃいいんだよ、と諭したくなる。
とにかくやっていて張り合いがない。
敵の数も中途半端で、ヒトラーの残尿か?ってくらい道中にチョロチョロと配置されている。
先ほどのコンボ数確保のためにダッシュ⇒道中の敵を倒す⇒コンボが途切れる前に次の敵まで走る。
という繰り返し。
しかも道中にコレクションアイテムがあるので、どこかでコンボ数は諦めて探索はそれはそれでしなければならない、というめんどくささ。
↑レベルアップで武器の改造が出来る。右画像の真ん中で燃えてるのがわかるかな?
また、武器にも不満がある。
武器はアップグレードを行うと多少のチャージ時間はいるが属性がつく。
例えば火炎属性は敵に炎のスリップダメージがつくため敵を効率よく倒せるようになる。
また、演出的にもいい効果はある。
それは見た目がカッコよくなる、ということだ。
爽快感って見た目による部分も大きい。エフェクトがちょっとつくだけでもガラッと印象は変わる。
だが属性がつくのはチャージ後の初弾から数発程度だ。
あのさぁ、所詮バカゲーなのにバカに振り切らなくってどうするんだよ。
頼むからバカに振り切ったゲームにしてほしかった。バカなんだから。
こんだけバカバカ言っててかわいそうに思えてくる読者もいるかもしれんが
ナチスとヒトラーがゾンビになって復活する、という設定のゲームを大真面目に作ってたら頭茹り過ぎてユダヤになってるだろ。
ゲームとしては成立しているが面白がれる点がない、とキャンペーンを途中で諦めた俺は、
ひっさびさに外したなぁ・・・ま、ちょっとだけマルチやって別のゲームすっか。
という気持ちになっていた。
しかし、ここから40時間ほど突っ込むことになるとは思わなかった。
□うっかり40時間のホード(マルチ)モード
↑イカれたメンバーを紹介するぜ!ロビーでは最大四人まで集まり、一緒に戦う。
あー、こういうやつね、はいはい。
うーわつまんねwシステムもわかりづらいし・・・
ま、もう一戦するか・・・
負けたわ・・・もう一戦するか・・・
また負けたわ・・・もう一戦するか・・・
もう一戦するか・・・
大体こんな感じでハマった。
本作ではホードモードと呼称されるマルチプレイだが、キャンペーンとの最も大きい違いはWAVE制をとっていることだ。
WAVE制、つまり一定数の敵が登場するためそれらを撃破する。クールタイムが与えられ弾丸の補充や武器の交換をその間に行い再度次のWAVEが始まる、というタワーディフェンスでよくあるアレのことである。
と言っても本作のタワーはプレイヤー達であるのだが。
難易度そのものはぶっちゃけかなり”理不尽”に足を突っ込んでいる。
歩くゾンビ、というのは現実で現れた場合即鎮圧される、というのは定説で本作のゾンビも殆ど歩きゾンビである序盤のWAVEは全く問題なくクリアできる。
だが、後半のWAVEになると走るゾンビ、爆発するゾンビ、重火器を使ってくるTOUGHなゾンビ、スナイパーゾンビ、そしてそれらを指揮し復活までさせてくる指揮官ゾンビとエグイメンツが揃っている。
これと同時になると文字通り”波”のように襲い来る歩くゾンビも脅威となる。
そしてこのゲーム、所持できる弾の数が非常に少ない。武器はピストルと、ライフル、そしてショットガンかSMGの3種持てるが、4人がそれぞれ3つの武器を使い切ってもなお敵は倒しきれない。
もう一度言うがこの状況での歩くゾンビは非常に脅威。
ゾンビ映画の主人公の気分になれる。
敵を近接攻撃で仕留めると弾丸を落とすがワンカートリッジ分しか回収できないため結局弾丸箱に走るほかない、という理不尽なゲーム性となっている。
だが、こうなるとプレイヤー同士で自然と連帯感が生まれていく。
さて、この画像のすばらしさがわかるだろうか?
本作ではフレンドリーファイア、いわゆる同士打ちがある。そのため味方に当たらぬよう、当てられぬようにわざとしゃがんでいるのだ。
本作は一応ボイスチャットは可能だがテキストや簡易メッセージではこういう指示は当然不可能。
完全に思いやりの産物で生まれたフォーメーションなのだ。
あったけぇ・・・フォーメーションなのだ。
このフォーメーションは偶然このマッチで出来たわけではなく、別のマッチでもたいていこうなる。(特にこのマップは細長い一本道なのでほぼこうなる)
↑ちゃんと前後で距離を取り、そしてしゃがむ。当たらないように、当てないように、味方を助けるように。
こんな感じにね。
このフォーメーションのいいところはとにかく弾切れやうち漏らしへのフォローがしやすいって点。
基本的にこのゲームは一度ゾンビにつかまるとそこから前線が崩壊してしまうので近づけないことが肝要。
こうやって一方向に対してフォーメーションを作るとそのリスクは非常に低くなる。
相手が味方のケツから出てこない限り、という条件は付くがこうなると敵が出てきては交代で頭に弾丸をプレゼントする、という無限プチプチをつぶすような無双状態に入る。これがねぇ、楽しいんですよ。
単調になりそうに見えて理不尽な難易度をプレイヤーが協力してぶっ潰してるわけだから。
どういうゲームでもそうだけどメーカーの想定をユーザーの知恵と協力で乗り越える様ってのはマルチゲームの醍醐味だと思うし、非常にドラマチックだ。
ナチスがゾンビ化して攻めてくるなんてシナリオよりよっぽどにね!
マルチをプレイして40時間。これにて
俺の心のベルリンの壁は完全に崩壊した。
たまに切り忘れたのか海外の兄貴共がボイスチャットで喚いているところにグッジョブと声をかけてやりたくなる。ただし、親指ではなく中指を立てながら、だが。(うるさいんだよね海外のボイチャってさ)
とはいえ。
人間がそんな”協力だけ”を出来るわけないのはこのコロナ騒動(2020年5月)を見てればわかるだろう?
本作は画面右上にスコアが表示されている。
マルチプレイの場合、味方の数字も出てくるんだ。
俺より高い点数を取ってるやつがいるとムラッ・・・!っとするよね。
いや点数ってほとんど影響しないんですよ?正直あんまり意味ない。
でも、抜け駆けしたくなるのもゲーマーの性だよね。
↑コンボ稼いで点数丸儲け!俺がトップにならないと面白くないだろうそうだろう。
と、いうわけで敵が落とす大型武器、火炎放射器やミニガンを使って
単独で前に出てコンボ数を稼いで一気に点数を回収するプレイに走ったりする。
いや、わかるよ。そういう身勝手な行動が良くないのもわかる。
でも他人より点数が高いとニヤッとしちゃわない?
Apexとかチーム制のFPSでキル数やダメージ数が味方より多いと誇らしくならない?
俺はなるんだ。だから出し抜くんだ。
ゾンビ映画のお約束として、噛まれたのに隠す奴や犬を追っかけてバリケードを壊してゾンビを引き入れるといったのをよく見るだろ。
アレ、最初はそんな奴おらんやろ~って思ってたけどいるんだよねぇゴメンねぇ。
ただそういうダメダメプレイがたまらなく楽しくて愛おしい。
マルチに関してだけはちょっといい評価を上げてもいいと思った。面白かったよ。
なお、このマルチモードでうっかりやられちゃったらどうなると思う?
↑死に顔コスメでモテデビュー!味方を襲うプレイが出来ないのがとても残念。
ま、こういうことだ。ゾンビ映画のお約束。ゾンビ化して味方を襲っちゃうんだ。
皮肉にもこの状態の味方を倒した時のトロフィーまで完備されている。
「実は前から気に食わなかった」
…こんにゃろ次は俺が頭打ち抜いてやんよー!!
…人は何時までたっても協力は出来ないもんなんですね。
□総評
そこそこ面白いがお勧めはしません。
いや、というのもマルチだけ面白いのにマルチの集まりが正直よろしくないんですよ。
あんまり売れてないのか知らんが世界マッチングの癖にマップを指定してロビー立てると全然集まらん。
マップを指定しない場合、なぜかマルチの最初のマップでしか始まらない。
マップ自体かなり少数なのにそれでも最初のやつばっかなのは正直げっぷが出る。
キャンペーンはどうしたって褒められないのでちょっとお勧めする気が沸かないですね・・・。
ただまぁコロナ騒動で家にいるしかないご時世。
やることがなさ過ぎて気が狂っちゃいそうな人はナチスをぶちのめしてしまうのもいいんじゃねぇかな。
アイツら元々なかった人権が一度死んでもう確実に0だからやりたい放題だぞ。
という最低な言葉で〆よう。ではよしなに。
↑戦争で負けたら未来永劫ネタにされてしまう。次は勝とうな。イタリア抜きで。