ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

【コラム】ゲームの「正しく戦わないといけない」という呪いについて

f:id:exa_axe:20220109022304j:plain

あけましておめでとうございます。(挨拶)

レビューを書こうと思ってたんですがちょっと書きたくなったネタが出来たので今回は久々にコラムを書こうと思ったり。
かるーく読んでくれれば幸いです。では良しなに。

 

IGNJapanというゲームメディアにおいてAPEXに関してとある記事が公開され、ちょっと話題になっている。
だがその記事には幾つもの勘違いが存在する。

jp.ign.com

記事を非常に雑に要約すると、曰く─────、

  • APEXのシルバー帯では無双できるが、ゴールド帯では沼り*1キャラ変を余儀なくされた。
  • いわゆるハイド戦法という守備的プレイを取れば勝てるようになりプラチナ帯に上がれた。
    この戦法を続ければマスター(最上級ランク)*2にも上がれるだろう。
  • だが、プレイしていて面白くない。勝つために取るべき行動が”待ち”であり、相手の状況が悪くなることを祈る運ゲーに見える。
  • ゲームの価値はそのゲームルールの枠内で自分で道を切り開くものであり、このように相手の状況が悪くなるのを待つのは現実と同じだ。
  • 運で勝とうとも負けようとも貴方たちは素晴らしいプレイヤーであることを忘れないでほしい。
  • そして、運によって勝った負けたをキメるゲーム性でランクマッチをするのはおかしいのではないか。

まず、ゴールド帯で沼る人がマスター帯に易々と行けると宣う時点で噴飯ものだ。
この時点でゲームへの理解が浅い。見通しも理解も甘々の、海に潜れぬあまちゃんだ。

自分は過去のシーズン7で野良でハイド戦法でダイアまで上がった人間だ。
だからこの戦法をしっかりすればダイアにタッチすること自体は不可能ではないと言う。
exa-axe.hatenablog.com

だが、ゴールド帯⇒プラチナ帯に移行した瞬間、
多くのプレイヤーがゲーム性自体が変わっていることに気づくはず。
ゴールド帯はまだ「いかにポイントを盛るか(=キルするか)」というゲーム性だが、
プラチナ帯は「いかにポイントを減らさないか」というゲーム性に切り替わる。

これはマッチに参加するためのチップ、つまり消費ポイントが高くなるためである。
自分がダイア帯で戦ったのは数戦しかないがこのチップがプラチナよりも高くなっており野良、そして自分の情熱の限界を思い知った。

 

また、このゲームはバトルロワイアルだ。
極論、本作は一発も銃を撃たなくても優勝(チャンピオン)することが出来るゲームだ。
そのゲームで「やぁやぁ我こそ!」はと真正面から戦って道を切り開くことがゲームとして正しいと言うのは勘違いだと言わざるを得ない。

 

その他大小勘違いがあるが一旦置いておく。
正直なところ読んだ感想としては、
「麻雀でdraw4が使えないのはおかしい」と言われてるような感覚だ。

f:id:exa_axe:20220109011332j:plain

 

 

ただこの記事を見て「共感できる」という反応も実は多数存在する。
そして自分もとある一点においては共感できる点がある。

それが表題にしている「正しく戦わないといけない」という呪いについてだ。

 

さて、分かりやすさのためとはいえ
FPSの記事において急に格ゲーの話になって申し訳ないのだが、
この呪いについてはストリートファイター5を用いて説明させていただく。ごめんね。

f:id:exa_axe:20220109011907j:plain

自分がスト5においてよく使っていたのはリュウ
そして画像のようなリュウvsザンギェフというのはリュウが基本有利である。

f:id:exa_axe:20220109012121j:plain
f:id:exa_axe:20220109012124j:plain

なんせザンギェフには遠距離技も高速で球を回避して近づく技もない。
よって下手なザンギェフであれば永遠と波動拳を大連発してれば勝てる。
その波動拳を避けるため、祈りも載せた相手のジャンプをこちらは悠々と昇竜拳で撃墜できる。

この永遠と悠々を徹底できれば相手に何一つさせることなく勝つことが出来る。
ザンギェフの得意な超接近戦を一切やらせることなく勝ててしまう。

 

だがここで、自分の脳裏にふとよぎる。
「はたしてこれで勝っていいのか?」という疑念が。

相手からすれば「何もさせてもらえない」のだから非常に不快な思いをしているだろう。
自分はもしかしてとてつもなく卑怯な真似をしているのではないか?
相手に不快な思いをさせて勝ってもそれは”正しくない”のではないか?
そう、これこそが「正しく戦わないといけない」という呪いである。

そうしてラウンド2からはザンギェフの得意とする超接近戦で戦い、ザンギェフの勝ち名乗りを聞くことになる…。
この呪いが敗因で負けた、そんなリュウ使いはそれなりにいるのではなかろうか。
ではこの呪いは誰がかけたものだろうか。

IGNJの記事における2番目に大きな勘違いは「正しさ」について。

そもそも正しいというのは誰が決めるのか。

ルールか?チートやコンバータ以外はFPSでは特に禁止とされていない。
風潮か?ハイド戦法という言葉である程度伝わる程度には広まった戦法だぞ?
ではマナーか?聞いたこともない!

誰が悪いと言ったのか?誰も言ってないのだ。
正しさで自分を呪ったのは自分なのである。

どこかの誰かが決めたルールではなく何となく嫌だ、という自分からの呪い。
APEXにおいてもこの呪いは鎌首をもたげてくる。だがその蛇は己の中にいるんだ。
自分で自分をつまらなく思うなんて馬鹿らしいにもほどがある。


そして1番大きな勘違いは
「正しく戦わないといけない」という呪いの解呪方法である。
該当の記事では

>悪い刃は、そのバリエーションが、あなたのミスプレイではなく、ランダム要素の組み合わせの運によって、いとも簡単にあなたの交戦能力のスレッショルドを越えてしまうこと。

>しかし、わたしは知っている。たったいま起きたそのすばらしい戦闘のシークエンスは、あなたが心をこめて鍛え上げたエイムと立ち回り、戦略的思考がなければ、切り抜けられなかった。誰がなんと言おうとも、絶対にそうだった。

>あなたはすばらしいプレイヤーなのだ。あなたこそがキャリーなのだ。わたしはあなたのその技術を尊敬するし、あなたはそれを誇りに思っていい。恥ずかしがる必要なんかない。あなたはすばらしい競技者なのだ。

とあるが、つまりこれはおそらく
「運よく勝った、あるいは運悪く負けたことで自分を恥ずかしいとおもうべきではない」と自分を呪わないようにしているのだと思う。
だが、ゲームメディアで卑怯な真似しても貴方は素晴らしい!なんてのはなんかおかしい。
あるいは卑怯な奴に負けただけさ!って言ってもその卑怯な奴は同じゲーマーであることを忘れてねぇだろうか?
これでは呪いが濃くなるだけだ。

 

先述の通り、ハイド戦法はゲームの枠内の戦法であって全くルール違反ではない。
このゲームはバトロワ、チートやコンバータ以外に卑怯という言葉はない。
もちろん、ザンギェフに永遠に波動拳を打ち続けるのもだ。

僕が永遠波動拳の呪いを解呪できたのは友人と戯れに行ったミラー戦。
自分がザンギェフを使った際に相手から鬼のように波動拳を打たれたときである。
「これで勝てるんだったら俺はやる」と一切の恥ずかしさもなく打ち続けてきやがった友人と軽いリアルファイトを行った夏、ようやく呪いは解けた。

つまるところ、この呪いの解呪方法は
かまへんかまへん、皆やっとるからお前さんもやりゃーええんちゃう?ガハハ!
と、大阪のおっさんが如く笑いながら背中をたたくことである。

 

事実、プラチナ帯ではハイド戦法を取るプレイヤーはごまんといる。うっとおしいくらいおる。
終盤になってもチームが半分残ってることは多々ある。

そして少なくとも味方が二名倒されて復活の見込みがないプレイヤーは徹底的に逃げて隠れる。
その行為は女々か?チェスト!と叫びながら真正面から敵に戦いを挑まねば女々か?
否、チェスト逃走である。闘争のための逃走である。
つか倒されたプレイヤーとしても生存点を稼ぎたいから逃げてほしいし隠れてほしい。

 

このハイド戦法、そして漁夫が卑怯だと思って嫌になってAPEXを辞めたというプレイヤーはちょこちょこいるようだ。
そんな人にこの言葉を贈りたい。
かまへんかまへん、皆やっとる。ガハハ!

バトロワは自由だ。別にハイド戦法やれってわけじゃない。
好きにプレイしたらええ。
この言葉で少しでもあなたの呪いが解けたなら嬉しい。

 

そしてもう一つ。どーしても漁夫が!ハイド戦法が嫌だ!って人、いると思う。
気にすんな!他の好きなゲームやれ!
「APEXをやらないとゲーマーじゃない」なんて呪いはない。
draw4を使いたければUNOをやればいいのだ。

CODだろうとGTAだろうとR6SだろうとグラブルだろうとFGOだろうと炎多留だろうと対魔忍アサギだろうと夏色ハイスクル★青春白書 ~転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。~だろうと。
ゲームをやってる人ならゲーマーだ。誇りをもって胸を張りゃあいい。

f:id:exa_axe:20220109025825j:plain

 

貴方が楽しめることが最優先。チャンピオンにはAPEXじゃなくてもなれる。
そう、たとえ
夏色ハイスクル★青春白書 ~転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。~だろうとね。

f:id:exa_axe:20220109025837j:plain

 

貴方がやるべきことは、自分を呪うことではない。恥じることではない。
なんならAPEXですらない。
夏色ハイスクル★青春白書 ~転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。~を自転車に乗って買ってくることである。(あるいはPSNOWでも可)

f:id:exa_axe:20220109025851j:plain

 

さて、あなたの中のゲームで「正しく戦わないといけない」という呪いは、解けただろうか?

 

ではまた。

f:id:exa_axe:20220109022422j:plain

↑オチに使ってすいませんでした。

*1:ランクが長期間にわたって上がらないこと、つまり勝てないこと

*2:シルバー帯⇒ゴールド帯⇒ダイア帯⇒マスター帯という区分