格ゲーマーはお嬢様である。民明書房刊 『ゲーミングお嬢様*1』より。(挨拶)
熱帯の庭に集う乙女達が、今日も天使のような無垢な笑顔で、有線LANの門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、大体パジャマ。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、
ゆっくりとガードを仕込みつつ歩くのがここでのたしなみ。
『グランブルーファンタジーヴァーサス(以下、GBVS)』。ここは乙女の園。
はい、じゃあGBVSレビューしますわよ。よしなになさって!
□概要ですわ。
↑青いルリアと赤いトカゲ。カタリナは頼もしい味方だったのだが…?
赤き竜と蒼い少女、そして少年が出会い物語は始まった。
グラン(主人公)とルリア(ヒロイン)が出会い、
そしてルリアを奪おうとする帝国を打倒して幾日かの時間が経った。2人は仲間であるカタリナを迎えに行くためアルビオンに向かうが
2人を出迎えたのは滅んだはずの帝国の兵、そしてカタリナの刃であった。これまでの冒険を忘れたかのように立ちふさがるかつての仲間達、
何故彼らがこちらに刃を向けるのか?裏で操る敵の正体とは?
と、レビューをする前に自分の格ゲー歴と使用キャラを説明しておこう。
自分はストリートファイター4・5、鉄拳レボリューション・7をあわせて
(ほぼSFシリーズだが)大体300時間はやっており、SF5ではLP2000は超えている。
これがどのくらい強いかというとPSのLP2000トロフィーは約4%*2しかとられていない、
つまりPS4でいうと事実上、上位4%の人間である。
しかし、残念ながらネットにおいてはLP2000は「初心者をようやく卒業した」位のランクである。
えっ上位4%でコレ?!と驚くかもしれないがマジである。
つまるところそれほど強くない、友人とのプレイで時間を費やしたフツーの人である。
そこんとこよろしく。
↑格ゲーは2Dだがモデリングはきっちり3D。グラン君イケメンですね。
さて、原作(ソシャゲ本編)ではRPGだが、
2D(に見える3D)格ゲーとして登場したこのGBVS。
原作プレイヤー向けに本作の時系列を説明すると、
本作の作中で登場する仲間キャラクターは全て顔合わせはすんでおり、
かつ、帝国が滅んでいるため
最低でも第一部(アーカーシャ撃破)は終わらせているという時系列だ。
原作未経験・コンシューマ中心のゲーマー向けに説明すると
DQ6でいうとムドーを倒した後ぐらいの感覚でOKだ。
何、DQ6だと分かりにくい?んじゃFF6でいうとティナが飛び去った後。
何、FF6だと分かりにくい?んじゃポケモンでいうとロケット団を潰した後。
何、ポケモンだと(以下略)
とにもかくにも当面の脅威は倒した後、つまり物語がそれなりに進んだ後、
という認識さえしてくれればよい。
当然対戦格闘なので格闘ゲームとしても楽しめるし、
ストーリー付きのRPGモードもある。あるんだけどね…。
□ファッキンサイゲ。グッバイアークなRPGモードですわ。
↑とってもたのしいあーるぴーじーもーど。おすすめだよ(棒)
直球で言おう、RPGモードはクソである。
おっと失礼汚い言葉を使ってしまった。
RPGモードの難易度ノーマルは排泄物ですわ。
RPGモードの難易度ハードは便器からこぼれた排泄物ですわ。
まずシナリオ。上述したように仲間は既に会った後である。
ただ、そのために物語の展開が非常に一辺倒でクッソつまらないものになっている。
殆どが
・グラン(主人公)!ルリア(ヒロイン)を渡してもらおうか!
⇒〇〇さん!クソッ戦うしかないか!(戦闘に入る)
⇒・・・あれ?なんで戦っているんだ?私は洗脳されていたのか?
よし、罪滅ぼしのために同行する!(仲間加入)
という、「コレ俺でも書けるわ!」と言い放ってしまえるレベルの展開が
キャラクターの数だけ繰り返される。
キャラクターの深堀をされるわけでもなければ初対面ゆえの紹介がされるわけでもない。ファック。
↑まさか令和に見られると思わなかったソシャゲしぐさ。
さらにソシャゲ伝統芸能ともいえる
「おっと話の続きは戦いが終わってからだぜ!」も
頻繁に繰り返され何の面白みもない雑魚を蹴散らす戦闘に入る。
最近のグラブルはかなりシナリオを頑張っている!
…というのが2年前の「失楽園」くらいからずっと言われていて事実クオリティは高くなったと思う。
まさかコンシューマで先祖返りするとは。
しかも失楽園辺りからこのゲームを仕込んでたというインタビューを見て笑い転げた。
おっと失礼。ワタクシのおへそでお茶が沸かせませてよ!!!
↑属性ごとに武器編成が必要。やめろよそういう煩雑なのをさぁ。リリンクではやめてくれよ・・・。
そして武器集め。クエストクリアかガチャから武器をドロップし強化していく。
一応、ノーマル難易度ならば武器編成さえちゃんとやれば
意識的な武器集めは全く不要でクリアできる。
ただこの武器編成に対するUIがクソ、編成の説明もないとクソ塗れである。
編成の説明については正直かなり難しいし長くなるのでここでは割愛*3するが
UIに関してはぶっ叩く。失礼、ぶっ叩きますわ。
ソート設定を記憶すらしないお粗末さ、
一括でレベル上げを出来ない・させない煩雑さ、
上限解放で装備中の武器を上に表示させる頭の悪さ、
このUIを作ったのは誰だァ!アークかサイゲか知らんがお前はクビだ出ていけぇ!
と雄弁に語る俺マジ雄山、無残に言うじゃんマジ雄山(ラップ)。
R-指定が見たら速攻でクビにしそうな質の悪いラップはともかく、
コンシューマでわざわざソシャゲの(中でも劣悪な)グラブルUIを
劣化して継承している点については大幅なマイナス点をつけるしかない。
正直原作よりもUIは醜いですわほんとですわ。
↑ガチャ。ハズレ。
あと原作プレイヤーとしてはこの色を見るだけで体調が悪くなるからやめろ。
それでもノーマルはまだクリアできるから良いんだが、
ハードになるともはや地獄である。
フルオートでプレイ可能ですがAIが排泄物ゆえに手動操作が必要ですわ。
敵がスパアマ持ちで火力が高いから排泄物ですわ。
奥義一発で死ぬとか頭おかしいんじゃありませんこと?
はっきり言ってウンコですわ。失礼、ビチグソですわ。
↑次元断、そしてローズクイーンの防御形態にウキウキしてしまう。
ただそんなぼろ糞言ってるRPGモードだが、大型ボスとの戦いについては評価したい。
ローズクイーン、コロッサス、ユグドラシルマグナ等の
大型ボスとの戦闘はギミックが上手く作用していて面白い。
コロッサスの代名詞となる次元断やローズクイーンのバリア等
いかに格ゲー(2Dアクション)として原作再現するか、という命題に上手く対応している。
↑ルリアが貼ったバリアに逃げ込む。食らったら即死は原作仕様。
特にプロトバハムートについては属性チェンジもそうだが
「大いなる破局」の表現が絶妙。
原作ではファランクス等のカットを使って攻撃をスルーするのだが
本作ではルリアがバリアを貼っているという形に変更している。
この相手の攻撃をやり過ごすという点については成程こういう表現で再現するのね、と
原作プレイヤーとしてはニチャア・・・という笑顔になった。この点はよかった。
ただ、トータルで見ると、
トロフィーとクリア得点である原作で使える石5000個という餌が無ければ
クリアまで至らないレベルの出来であることははっきりと申し上げておく。
んッん~ファッキンサイゲですわ~。
□勝ってる時の格ゲー対戦はクッソ楽しいですわ。負けてるときはクソゲーですわ。
↑プレイヤーマッチはゲームセンター風。めくりはグランがそれっぽいことができるだけ。
んじゃまもう一つの柱、対戦モードはどうなのか?というと
すっげーよく出来てます。ここは手放しでほめる。
ゲーム的にはギルティギアを簡易化したものが最も近い。
空中ダッシュ無(空中ガードはあり)、めくりほぼ無し(ガードボタンで両面対応)、根性値なし、
コンボは一定数を超えると強制的に繋がらなくなる。
技についてはクールタイムが長くなるものの必殺技ボタン(R1)と方向キーで簡単に出せるため
以下の三大初心者が格ゲーで嫌になる要素*4が潰されている。
【三大初心者が格ゲーで嫌になる要素】
・必殺技が出せない
・やられてる(コンボの)時間が長い
・めくりに代表されるわからん殺し
↑立ち通常三連が決まると超必殺技に確定でつながる気軽さ・恐ろしさ。ガンガン使っていけ。
んで、テイルズオブシリーズよろしく
通常攻撃三段から必殺技・奥義(超必殺技)が繋がるようになっているため簡単なコンボなら楽々。
ゲームスピードも遅いので初心者が初心者とやりあう分、
初心者と経験者が喋りながら(煽りながら)ワーキャーやるのも楽しいゾ、と。
(パーティでは試合中会話できないのでディスコードやSkype推奨)
ただ、初心者と経験者の壁はすげぇ分厚い、ということを言っておく必要がある。
つーか自分がめっちゃ実感してる。C1では無双出来るのにB5でぼっこぼこにされるんだが?
本ゲームの仕様として奥義ゲージという、いわゆる超必殺技ゲージが存在する。
これはダメージを受けることで上昇もするがメインは「攻撃を出す」ことで上昇する。
んで一部の攻撃はクリーンヒットすると壁にバウンドして追加コンボを狙える。
さらに先ほどの技を出した後のクールタイム制。
この3つの仕様がマリアージュしたらどうなるのか?
答えは簡単。
壁際で一方的に殴るor殴られ続ける状況が生まれるのだ。
↑勝つのも負けるのも画面端。ウメハラがぁ!捕まえてぇ!ウメハラがぁ!がめんはじぃ!
SF4・5ではリバサ昇竜*5もあってそこまで壁際に危機感が無かったんだけど
(ヌル~くプレイしてたのもあってだろうが)
本作の壁際は相当に危険かつキャラによっては安パイな脱出手段がない。
はっきり言って
このゲームは壁に押し付けるゲームだ。
グランの場合、無敵昇竜で脱出は可能だが、
先述のクールタイム制があるために一度パナして避けられると延々固められる。
おやめなさい!おやめなさい!わかったわかったわかったよ!痛いんだよぉおおおおおおお!!
とお嬢様よりは半裸のホモビ男優みたいな声を出してしまう。
身内ならともかく野良のランクマッチでは
一度逃して自分が固められると一気に窮地になるため
経験者側もごめん譲れない・譲らない・縦・横・斜め Swinging Around。
なのでわからん殺しは無いんだけど、「”返し方がわからん”殺し」みたいな状態になる。
↑パーフェクト(ノーダメージ)だと敵の奥義ゲージは60%前後に収束し打つことすら不可能な状況に。
本作は鉄拳のレイジやストリートファイター4のウルトラコンボのような一発逆転要素はほぼない。
超必殺技にしても最初から一方的に殴られ続けるとゲージが溜まらずそのままやられるからだ。
あと、超必殺技が確定する場面が殆どねぇから逆転が出来ない。(敵が超必殺技出した後ですら隙が無い)
つまり、一方的に壁際でやられる恐怖を教えるか教えられるかという北斗の拳並みの修羅の世界。頭アークかよ。アークだったわ。
どうやって勝つのか?壁際に押し込んで勝て。相手が泣こうが喚こうが押し込んで勝て。
圧倒的暴力でねじ伏せることが勝利の鍵だ。
やるかやられるか、というイヤーなゲーム、と思われるかもしれないが
それでも格ゲー初心者にはお勧めできる作品ではある。
何故か?答えは簡単。
「人口が多い新規ゲームだから」である。
□初心者の殿方&お嬢様に向けて
↑勝った。しかし、相手は負けてしまう。どうあがいても勝者と敗者に分かれてしまうゲームだ。
格闘ゲームというのは残念ながら勝ちと負けが決まる。
誰かが勝った数だけ誰かが負けてしまう。
それこそ「RPGモードクリアしたしちょっとオンライン、やっちゃいますか~?」と口では軽いノリで、そのくせ内心勝利を期待してオンに臨んでボッコボコにされて負けて辞めてしまう、そんなのザラである。
格ゲーのオンってのは10人が5人になり、5人が2人になり、そして2人が一人になることは無く最後には誰もいなくなる。
だからこそスタートでコケずに大量の人口が必要なんだ。
そして本作ではそれが見事に成功している。
ロードもマッチングも凄く早いので辞め時が無くモリモリプレイできてしまう。
少なくとも「初心者を卒業した」程度のユーザーである自分は
大体同じぐらいの実力とマッチングされていて大満足だ。
ただやはり、というかぶっちゃけ期待通り本作でも格闘ゲーム初心者が「勝てないので辞めます」というお気持ち表明ブログが登場した。
格ゲー初心者に向けて俺から言いたいことは2つだ。
一つ。現時点のこのゲームほど格ゲー初心者向けの格ゲーって無いよ。
何故か?
人が多いから、そして新規ゲームだから。間違いなく初心者と未経験者が多い。
格ゲーというのは他のゲームでの経験がある程度生きる。だからほかのゲームで慣らした人は最初から上のほうにすぐ行ける。特にストリートファイターや鉄拳なんかはシリーズでの経験は続編でもすぐさま反映されるからね。
でも本作はアークシステムワークスの他ゲーに似てるとはいえ新規ゲームだから皆初心者からスタートだ。多少、本当に多少だがマシである。
↑どれだけ頑張っても勝率は50%前後で収束する。だけど、だからこそ上を目指すんじゃないか。
そしてもう一つ。今頑張るといいことがあるよ。と。
勘違いされてるが初心者狩りをする人はいるがそんなのごく少数だ。
初心者とプレイして初心者を必死に倒しているのは「ちょっと練習した初心者」なんだ。
いっちばん最初に書いたが僕はストリートファイター5では「初心者を卒業した」レベルのプレイヤーだ。しかし、それでも96%の人間よりも上なのだ。(イキリ)
これが意味するところは何か?
そう、たいていのプレイヤーは初心者に毛が生えた、ところまでやりこまないのだ。
だからこそ今練習してきっちり通常三連からの超必殺技コンボが出来るようになればCランクくらいまでは簡単に行けると思う。
初心者を狩れる「ちょっと練習した初心者」になるのは発売直後の今がチャンスだ。
どんどんやれ。やれる側にまわれ。
そして格ゲーのいいところとして他のゲームが出たときにその経験を生かせる、ということだ。
例えば次に何か新しい格ゲーの新作が出てそこそこ以上にヒットした場合、「初心者のお気持ち表明ブログ」が出ると思う。
「ちょっと勝てる側」に回ってると、このブログが出たら正直、愉悦。
はっきり言うが初心者が何の努力もせずに勝てるゲームはクソゲーである。
スマブラ?バカ言えあれはコンボ練習と知識がもの言うゲームだ。
だから一生初心者が何の努力もせずに勝てるゲームは現れない。
今頑張れば、今GBVSで勝て、そして次の格ゲーでもちょっと勝てる。
お気持ち表明なんてしてる場合か?がんばりゃ未来でもちょっと勝てるんだぜ?
一つのゲームをやりこむことは無限の未来を救うことですよ。
お気持ち表明ブログを見てあぁ^~負け犬の遠吠えが気持ちええんじゃ~~~~となる側に回れ。
めっちゃイキってるように聞こえるだろ?イキってるんだよ。
明日イキるために今日を頑張って生きて(練習して)ほしい。
きっといずれあの時生きてよかったといえる日が来る。
□総評
格ゲーとしては良作といったところ。
RPGとしてはク‥排泄物だが、格ゲーとしては驚異のスタートダッシュをキメ、キャラバランスもまぁ良好である。
強キャラ・弱キャラは勿論いるが、そこは格ゲー。当たり前の話。
全員同じくらいの性能にしろってんなら同じキャラ使えって話だしね。
全キャラ壁際に追い詰めりゃワンチャンある、というバランスは少々とがっているが悪くない。
傑作と言えないのは斬新な要素が特にないから。
少なくとも敷居を物凄く下げたとか、他のゲームでも受け入れ…もといパクられるオリジナルな要素はない。
ただ、既存のシステムの集合体で総合力は高いし、
もう一度言うが人口が多い。
どれだけ斬新な要素があっても人口が少ない格ゲーはクソだし既存のゲームが喉から手が出るほど欲しい要素でもある。
と、いうわけで初心者・経験者共にお勧めだ。
自分もDL版を買っているため逃げられないし、是非対戦しよう。
んで原作にも興味が出てくれれば嬉しいかな、と。
3月はアニバーサリー月でキャラガチャを回せるキャンペーンをやるはずなのでグラブルの古戦場に飛び込むのは今がチャンスです。
ただですねぇ、原作についてシステムの解説はあれど、
ちゃんと説明しているレビューサイトってあんまりないからどういうゲームかわからないって人も多いんだよね。でもですね、
実はですねぇ~ホスピタル病院っていうサイトがとても丁寧かつきちんと説明しているんですよぉ~
(露骨なPV稼ぎで〆)
↑じゃ、原作か格ゲーかはわからないが空で会いましょう。早くお越しになってくださいませ!