ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

パクリだって?その評価だってひっくり返すのさ。「タイニーメタル」レビュー

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ファミコンウォーズ(以下、FW)の新作を出したらスイッチぐらい買ってやんよ!


ニンテンドーDSってスゲェ名作が多いんですけど、
自分の中でこれが一番時間費やしたなってゲームといったらFWDSなんですよ。

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↑FWDS。ガチ名作なので皆遊べ。

300時間をぶち込んでほぼすべての勲章(ゲーム内実績)を取ってしまった。
それくらいにはどはまりしました。

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↑残念なことになってしまった続編。海外でのみ販売し、国内ではクラブニンテンドーの特典に

ただこのシリーズ、不幸なことに続編の内容が津波を扱っていたことから
いわゆる3.11の災害の影響によりパッケージとしての発売が中止*1されてしまい、
さらにはシリーズ展開もそこでストップという非常に不幸な末路をたどっています。ぽやしみ~。

そういった続編絶望の状態で現れたるわリスペクトゲー。
それにファンとして飛びつくのも当然至極でありましょう。
てなわけでタイニーメタルのレビューです。

 

 

■FW+あるふぁるふぁ-べーたべた=タイニーメタル

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↑視点はこのように変更が可能。なかなかモデリングは作りこまれている。

基本は(簡単になった)FWです。
都市を占領し、都市から奪った金で工場からユニットを作って
相手の首都を占領、あるいはユニットを全滅させたら勝ち。
これにシナリオがついてくる。
なもんで基本的な出来は悪くないというかつーか出来はいいです。
これでつまんなかったら詐欺ってレベル。任天堂最強法務部が動くレベル。

ただ、ベースはFWであるもののこの作品の独自要素として追加されたプラスあるふぁるふぁ的システムは
 1.視界
 2.昇進
 3.支援攻撃
 4.ヒーローユニット
の4つがあります。 

1.視界
2.昇進
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↑左が視界。右が昇進(小さいがユニット上に”RANK UP!”と見えるはず)
視界はそのまんま見えてる範囲ですね。地形含めて赤黒いブロックで囲まれているためユニットが近づかないと見えませんね。
次に昇進。ユニットが活躍すればするほど階級と共に攻撃力が上がりますね。
うん、そこまで特に言及することがないですね。

3.支援攻撃

↑最大4機で行う同時攻撃。いい動画でしょう?余裕の撃破だ、火力が違いますよ。
詳しくは動画を見てほしいが、各ユニット四方からの最大4機同時攻撃。
これにより同格のユニットを被弾無で倒せたり、格上のユニットを撃破するなどFWとは取れる戦術が変わってくる。
タイニーメタルの核をなすシステムの一つと言えます。

4.ヒーローユニット
f:id:exa_axe:20180311225449j:plainf:id:exa_axe:20180311225454j:plain↑少々わかりにくくて申し訳ないが数あるリストから選択すると煙を上げながら降ってくる。
もう一つの核がこちら。
司令塔グリッド(地形)という特定の場所で一回しかできませんが、簡単にいうと
補正の効いた強力なユニットを視界が晴れてる位置どこにでも置けるという効果を持ちます。
敵の誘導に使ったり、敵の攻撃の届きにくい位置に遠距離攻撃ユニットを置くなど戦略の幅を広める面白いシステムです。

 ・ついでにシナリオについても語っとく。
f:id:exa_axe:20180311225132j:plainf:id:exa_axe:20180311225445j:plain↑シナリオは上記のように立ち絵とセリフで進む。スキップは不可能だが、加速は可能

あっ、シナリオは普通でした。

 

■"べーたべた"ことFWDSから抜けた要素。

ただ、このゲームはFWDSから以下の要素が抜け落ちている。
 ①補給に関連する三つの概念(弾薬・輸送・燃料)
 ②ショーグン(ブレイク・チェンジ等がまるっと)
 ③合流

この中でも③!
この合流が無いのは正直かなりのマイナスであり非常に残念
もし、製作陣がこの要素を軽んじてたのであればちょっとFWに対するリスペクトが足りない。

本家FWの場合、例えばダメージを受けてHPが5の部隊と6の部隊*2があったとする。
そうした場合この二つを「合流」させるとHP全快の部隊が出来上がり、あまったHP1分の金額が返却される。
つまり、不要な兵をまとめて部隊全体を「圧縮」出来るわけだ。

タイニーメタルはこの合流というシステムが無いために、HP1という
「攻撃してもされても死ぬしかないようなユニット」
基本的には肉の壁として敵の侵攻を一ターン防ぐ以外に何も無い。

一応都市グリッドの上で回復は出来るが、いかんせん回復量がおおよそ30%程度なので即戦線に戻すのが難しい。
全回復まで約3ターンだが、戦略シミュレーションにおける3ターンの重さは何かしらプレイしたことのあるゲーマーにはよくわかるだろう。
特に飛行系ユニットは飛行場グリッドでしか回復できないためKAMIKAZEとしてころころしたほうが早い。

部隊の圧縮ってそんなに重要?と思うかもしれませんがこれは重要ですよ。
こういったシミュレーションゲーム、そして本作はR1ボタンで順々に部隊を選べますけど絶対にお前はえらばねぇよ!ってやつが出てたらうっとおしくないですか?

・はいマジンカイザー
・いいよねガオガイガー
・やっぱりこれだねHi-ν
・瀕死のカツ
選ぶか?瀕死のカツ。
そもそも何でカツを出してんだって話はおいておくとして選ばないでしょ?
合流による部隊の圧縮っていうのは操作の手間が減ってすごい便利システムなんですよ。

もう一つ、上でも少し触れていますが。合流した際HP最大値を超えて回復する場合には余った金額が返ってくる。
つまり、出してるユニットを上手くやりくりして資金をひねり出して強力で高価なユニットを出すことが出来るわけです。場に出してるユニットが事実上資金のプールとして計算でき、そのまま資金として考えることが出来るというグレートなシステム。
この一捻り分の違いこそが、合流・およびそれに伴う部隊編成システムこそがFWがFWたる所以なんでね。
次回作は合流システムを是非導入してほしいかなと。

 

■ひっくり返すという魅力。

出来はいい出来はいいと散々語ってますが正直一周目は微妙だったんすよね。

ユニットをレベルアップさせるタイプじゃないシミュレーションの魅力って
レベルバランスとシチュエーションなんですよ。

野球で言うと5回表で相手に5点差つけてる状態で代打に出されて燃えられますか? 
ぼかぁちょっと難しい。有利な状況からそのまま戦って勝つ、というのはちょっとむなしい。
そんな感じで1週目は基本的に自分が有利な状況で戦うことが多いため
ヌルイ・・・難易度が低い・・・やりがいが無い・・・
こんなんじゃ俺、地球を守りたくなくなっちまうよ…

てなもんで1週目クリアしたときには
ん~まぁまぁだったな。2週目ねぇ、クリアさえしちゃえばプラチナ取れるわけだからまぁやっておきますかねぇ。気が進まないけどさぁフフン?
あれ、敵の配置変わってんじゃん。
おいここに隠して敵を配置すんじゃねぇよ諸葛孔明かよ!
あ~こういう不利な状況燃えるわ~。あーええやんええやん。
…あ、ごめん、このゲームめっちゃ面白いわ・・・!

と言う感じで手の平ひっくり返してのめりこむ羽目に。
2週目は敵が有利な状況・敵の初期戦力のが多いという状況になるためグッと頭を使うことになる。
野球に限らず、スポーツって逆転勝利こそが華。不利な状況でこそ燃える。
9回裏に1打逆転のチャンスで代打に送られてこそ浪漫!
逆境を戦略(頭)を使って乗り越えられた時の達成感、堪らない!
というわけでこのゲームで本当にひっくり返したのは戦況ではなく僕の心の中の評価だったのかもしれません…

悪かったって寒いのはわかってるからそんな目で見るな。

■トータル総評として

てなわけでプラチナである。
終わってみれば1週目も面白かったんちゃう?(手のひら返し)
となっているほど楽しめた。幅広い戦術と逆境からの逆転を楽しめる実に優れたこいつはどえらいシミュレーション♪であるので是非勧めたい。
インディーズということもあって価格は安く、ニンテンドースイッチ版もある。
興味がある、程度なら損はさせない、購入をおススメする。

騙されたと思って購入してほしい。
ただまぁ、騙されたと思ったら泣き寝入りしてほしい。

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↑開発者の一人、ダニエルからの賞賛を頂いた。続編、楽しみにしてるぜ。

 

*1:任天堂のファンクラブ会員特典のようなもので後に糞高いポイントと交換する形で配布された

*2:部隊の最大HPは10