ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

雑に褒めるから雑に褒めてくれ。『デス・ストランディング』レビュー

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ぶっちゃけこのゲームの主役って小島秀夫だろ。(挨拶)

さて自分はメタルギアソリッド(以下、MGS)シリーズは
MGS1(PS)、MGS3HD(PS3)、MGSGZ/TPP、MGSPWとみょーなつまみ食いプレイをしている。
シリーズの中でも物凄くムービーが長いと言われるMGS4は未プレイのため結果的に「確かに長めのムービーはあるけど面白いゲーム」位の感覚だった。
そんなわけで小島秀夫氏にはそこまで愛着が無かったのだがやはりその悲劇的な復活劇というバックストーリーに惹かれて購入。

で、結果はどうだったか?『DEATH STRANDING(デスストランディング)』をレビューしよう。
なお、本記事は概要(と言っても公式サイトを見ればわかる程度の)以外は
ストーリーに関するネタバレを一切行っていないので安心して見てほしい。

 

 

□概要

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↑主人公サム。俳優ノーマン・リーダスが演じる彼がアメリカを再度一つにつなげる。

未来のアメリカ。いや、そこは既にアメリカとは言えない状況にあった。
世界は大規模な災害「デス・ストランディング」の影響で崩壊した。
災害の影響により人々は”つながり”を求めず個々で孤立して生きていた。

その世界の中で主人公たる「サム・ポーター・ブリッジズ」は運び屋として
孤立した人々へ荷物を運ぶ仕事を生業として孤独に生きていた。

アメリカをもう一度一つに繋げる――――。
アメリカ大統領直属の組織「ブリッジズ」はアメリカ復活という目的のためサムに任務を依頼する。
アメリ東海岸から西海岸まで、人が住んでいる場所を訪ね、ネットワークを繋げてほしい」と。

サムは荷物を運ぶ。人を運ぶ。つながりを運ぶ。そして希望を運ぶ。
長い長い、アメリカ横断の旅が始まる。

恐らくプレイしていないほとんどの人は
「これ、どんなゲーム?」となるだろう。

結論から言おう。これは「物を運ぶゲーム」だ。
勿論これは言葉を極力そぎ落とした結果で、
初代マリオを「左から右へ移動させるゲーム」というようなもんだ。

そこらへんも交えて説明していこう。


□最高のディティールと、やる気をそぐムービー

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↑序盤からとかくおおいムービー。プロローグから1章は冗談抜きでほぼムービーだ。

まず、コジマムービーが好きな人には申し訳ないが、ムービー(カットシーン)がすげぇ辛い。

まず序盤であるプロローグは8割ムービーである。
ちゃんとムービーを聞いてると理解できない専門用語はなく、かなり分かりやすいしゲーム全体の雰囲気も掴める。

ただまぁすっげぇ長い。
MGSTPPの序盤からしてゲロクソ長いムービーとひたすら不自由な時間が続いたが
こちらの方が苦痛度としては上。
なんせちょっと自由に動ける時間を貰うとその倍以上の時間のムービーでぶん殴られる。
なるほどこれが映像の暴力…!
この時点ではうわぁこれはクソゲーですね間違いない…。
と思っていたが2・3章あたりからガラッと面白くなった。

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↑ちゃんと地形に沿って足の位置を動かす。こういうところはいいセンスだ。

さて、最初に言った通りこのゲームは荷物運び、つまりお使いゲームである。
序盤の序盤は荷物を背中に背負ってひたすらにランニングするゲームである。

まず驚くのはそのディティールである。
地形がちゃんとプレイヤーに影響する。
例えば足元が悪い場合、スカイリムやFallout3なんかはハヴォック神の導きのままに
斜めの斜面に垂直に立ったりできるが本作ではきっちり足元の地形に合わせて立つ。
そして走る中で手を添えたり、石だらけの足場をSASUKEの最初の五段跳びを超えるみたいにサイドステップで走り抜けたシーンはモーション厨としては絶頂モノ。
あーこういうのもう大好き。

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↑おっかなびっくりパタパタと駆けていく。このモーションはレボリューションだ!

そして何より語りたいのは坂。降りるときの坂。
幼少のころ、急な坂を駆け下りた経験のある子は分かるだろうが
タカタカタカっと小さな歩幅でパタパタと降りる。
これ、MGSTPPでは「ズサー」*1ってなってたであろう場所を
ちゃんと走ることにちょっと感動するんです。

そして記憶の中の僕とゲームの中の主人公の歩き方が合致すること。
技術の進化にマジでちょっとした感動を覚える。
マジで大歓喜。クッハー!これよこれ!

そして美しいグラフィック!
いやもうPS4のゲーム褒める時って大抵グラフィック褒めてますけどね。
えっこんな広さでこんな美しさを両立できるんです?!と驚く限り。

それらの美しい坂や岩をとにかくこけないように、
荷物に傷がつかないようにバランスを取りながら走る。
そして目的地に納品する。
そこが新しい場所の場合、ネットワークを繋げる。
これがこのゲームの基本的な目的だ。

…さて、ここまで見て
モーションが凄いのは分かった、グラフィックがいいのも分かった。
んで配達業は面白いの?と思っただろう。

安心しろ、配達自体は面白くないから。

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↑スコア自体は存在するが結局のところ歩いて配送でOKという雑さ。装備を整えても使わないこともある。

はい、配達そのものは何の面白みもない。
採点・スコア要素はあるんだが、
通常の配達は蕎麦屋の出前のような速度と量を競うゲーム性はなく、
ひたすら「傷がついていないか(コケてないか)」に集約されるため
極論、走らなきゃいい。時間制限もないからね。
少なくともクレイジータクシーのような急ぐゲームではない、と認識してくれ。*2

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↑敵の配置はオレンジ色で表示されている。ステルスにて縛り上げることもできる。

敵もいることにはいるが基本的に生息範囲が限られていて可視化されてるため、
最短距離を目指さなければよけて通ればいい。
本作には獣・動物もいないので森でケダモノに襲われることもない。
狩りごっこだね!わーい!と言うけものはいないし、そもそものけものにされている。

都度都度新たなロケーションを用意されるが
最初に配達する際は「なんでお前こんなとこに住んでんだよ〇すぞ」殺意の波動ならぬ佐川の波動が生まれる。

自分で配送ルートを考えて進む…ということを魅力と上げてる人もいるが
個人的には魅力を感じない。
マップを見てなんとなく進んでても到着するので綿密なルート構築など必要ない。
(と言ってもこれはプラス点。いちいちルート構築するのダルイじゃん)

ただそんなつまらぬ配達がやめられねぇ。

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↑つながることで生まれる絆。信愛度が高まると出迎えてくれるのがニクい。おや左の子は・・・?

このゲームにおいて配達というのはあくまでトリガー、なんですよね。
その配達を行うと何が起こるのか、というと
「繋がる」ことが出来る。

シナリオ的なメリットを言うと
AからB地点へ配送するとB地点と通信が繋がり、世界を広げていくことが出来る。

ゲーム的なメリットを言うと
まず、B地点からの依頼を受けられるようになる。
実質的にメインシナリオが進むというわけだ。
嬉しい!

次に採点に応じて親愛度が上がる。
これによりアイテム、あるいは設計図が貰える。
あと、素材を得られる。
楽しい!!

んで、採点の結果によってはステータスが上がる。
レベルが10刻みで能力がどんどんと成長していく。
大好き!!!

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↑どこかの誰かが作った建造物が見えるようになる。そしてそれを利用可能。

そして最大の利点。
B地点周辺でのほかのプレイヤーが作った建造物が使えるようになる。
到着までは一切表示されないため行きはキツイが、これで帰りは一気に楽になる。
…という直接的なメリットと共に
プレイヤーは「いいね」を与え、そして享受できる権利を持てる。
つまりプレイヤーもネットワークに繋がるということだ。
これがもう超嬉しい楽しい大好きなのだ。

□ゲームとして優れている部分とやっぱりやる気をそぐムービー

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↑トゥモローチルドレンならぬブリッジベイビー。死の世界につながった成長しない赤ん坊というキーキャラ

と、いいねの話をする前にゲームの話を先にさせてほしい。
このゲームは2つ、いい点がある。

本作はいうてもそんな斬新な点は無い。
ユーザーからの斬新だ!と言う感想をちょこちょこ見るが
おめぇらトゥモローチルドレン*3やってなかったんか!?という印象がある。
僕はβ版でこれ面白くないなってなって購入を見送りました。(小声)

若干意味合いは違うけど誰かが作ったものを利用する、ネットワークによる世界の共有ってのは
Fallout76のC.A.M.Pシステムなんかも彷彿とさせるし
山登りやバイクなんかはそこら辺のオープンワールドでいくつも見ている。
荷物の配送という点にフューチャーしたタイトルは確かに珍しいが
それこそ大体のオープンワールドって物運んだりするのは普通である。

でも本作は純粋にゲームとして優れてる。

このゲームで最も優れている点は
コンテンツ(ご褒美)の提供感覚、である。

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↑帽子のような見た目アイテムに、バイクのような移動アイテムも。

このゲームはどんどんと目標(クエスト)を出してくれる。
そして目標を達成するとご褒美をくれる。プレイヤーが喜ぶご褒美をだ。

他のゲームだと使い道のないお金とかだったりするけど
武器や装備、音楽や装備のカラーといった直接的にプレイヤーを補助したり、五感に訴えかけてくるアイテムがどんどこ追加される。
その量はかなり膨大でえっまだそういうアイテム出てくるの?マジで?となる。

ストーリーを進めた場合、新たな建築物が解放されたり武器が解放されたりとすっげぇいっぱいあってゲームプレイのバリエーションがぐんぐんと広がっていく。

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↑左上の幽霊のような敵は序盤は倒せない。しかし後半は巨大な幽霊をぶちのめせるぞ。

凄く良くあるゲームデザインなんですけど
最初は対抗手段の無い敵から逃げるだけしかなかったけど、対抗手段が増えていき倒せるようになる、といったニヤリとするゲームデザインは流石コジマだ。と言うしかない。
これこれ、こーいうのがちゃんとできてるのはおっきくプラス。

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↑はい、配達には飽きてましたから戦(や)ろうか・・・!

思いっきりメタなんですけどそろそろ配達に飽きたな~って頃にボス戦が入ったり、
丁度「ほれっアサルトライフル!」と武器を渡され敵と戦えるようになりました。
「お前気が利くシリアの武器商人かよ~」(誉め言葉)と脳を覗かれた感じに。

ユーザー心理を知り尽くしてる。

でもこれ自体は非常に心地が良いんですよね。
わかっておる脳(のう)小島よ。(激ウマギャグ)

 

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↑初めての雪山はとてつもなく辛い。うわーめんどくせーとなること請け合い。

そしてもう一つ。

ただこのゲームはオープンワールドでもあるけれど、同時にサンドボックスなゲームでもある。
サンドボックスゲーム…目的やタスクが設定されていない、自由に遊べるゲーム。ただし本作はサンドボックス”風”)
先述の通り、新たな地域に始めて行くときはネットワークに繋がっていないため皆同じ苦労するようになっている。
なので、発売1か月後に初めたプレイヤーがマップが整備されまくってて苦労しなくなっちゃうのでは?という心配は不要だぞ。皆最初は苦労する。

ただ、一度ネットワークに繋げ、エリアを開放するとほかのプレイヤーが作った建造物が見えるようになる。
ただ、全プレイヤーが同じワールドにいるわけではない。
どこかの誰かが作ったものがどこかのタイミングで自分の世界に同期される。
(勿論自分が作ったものもどこかのタイミングで同期される)

つまり、他人が適当に作ったものを使って自分だけのオリジナルの世界を作ろう!
という遊びが出来るようになっている。
そうするとまさに砂場(サンドボックス)だ。いろんな遊び方が出来る。

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↑雪山ではほとんど車はつかえない。このジップラインで世界を変えろ。

特に5章頃で解放されるジップラインは一気に世界を変える。
ざっと300mくらいの距離で遮蔽物が無ければ2点をつなげる。
すると高速移動可能な通信網が出来るようになる。
これを悪…うまく運用すると
山の中のサブ配達(何度も受注可能なクエスト)が2分もあれば出来るようになる。
高速配送するための移動ルートを作るのは結構楽しいし痛快だ。

そんなポンポン建造物を作ってもいいの?と不安になるかもしれないが
本作の建造物は本作特有の時雨という現象により経年劣化がどんどこ進んでいずれ消える。
なので雑に雑に建造物を作ってよい。
適当に作ってあ~失敗しちゃったな、と思っても誰かがそれをうまく使うことがある。
なので雑に雑に(略)。
邪魔なものはプレイヤーが自己判断で自分の世界から削ることが出来る。
なので(略)。

好きなところに橋を作り、好きなところにジップラインを作り、好きなところに何かを作り、それが誰かに感謝される。
つっけんどんな優しさがゲームの中に存在している。
そのつっけんどんな優しさが僕らを次の配達に向かわせるんだ。

ただまぁ残念な点としてはゲームプレイ時に細かく細かくガンガンムービーが入ることで配達に行く気力が失せる点。

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↑入るよー洗うよーグレネード出すよーシャワー室から出るよーと面どくせぇ

例えば泥や血等の汚れを落とすためにシャワーを浴びるシーン。以下4つのシークエンスが入る。

  1. シャワーに入るムービー
  2. 洗うムービー
  3. 汚れから生まれる道具(グレネード)が出てくるムービー
  4. シャワー室から出るムービー

すっごいだろこれ。
全部ちょっとずつ時間かかるしムービースキップはそれぞれ一回ごとなんだぜ…!
〇ボタンで飛ばせないんだぜ…!Optionボタンから選択なんだぜ…!!

あとさ、

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ババア!リサイクルする度出てくんな!

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ジジイ!休憩する度出てくんな!!!!

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ノーマン・リーダス!脱ぐなァ!!!!!

普通に考えたら一括でスキップできるようにすると思うんですけどね。

出撃シーンというかちょっとした瞬間に隙あらばムービー、という優しくない仕様。
考慮漏れだと思うんでアップデートで直ってくれたらナァ…と。
ほんっとうにこの点はやる気を削ぎます。

□あなたの雑ないいねを私の中に。雑ないいねをあなたにあげる!

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↑道中で会えるポーター(NPC)。いいねすると親指を立てていいねしてくれる。

さて、本作の根幹、「いいね」の話である。

本作には貨幣という概念そのものが存在しない。
あるのは一人一人がもつ無限のリソースである善意の感情。
「いいね」だけである。

いいねはあくまで集めて嬉しいコレクションではなく、ステータスに直結する。
特にブリッジリンクというステータスは建造物や落とし物等で他のプレイヤーを助けていいねをもらうと成長する。
自分は建造物の中でも「国道」作りにめっちゃハマった。

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↑国道が作られる前は砂利と草が邪魔をする。作ってみると道路のありがたみに涙が出るぞ。

崩壊したアメリカにはアスファルトは影も形もなくなっており、全て砂利道や草原となっている。
車やバイクでも強引に突破することは可能だが、足元が安定しないので転倒のリスクも高い。
ただ、国道は特定の場所にある特定のオブジェクトからでしか作れないうえ素材は膨大に必要だが作ると途端に移動が楽になる。
そして何より大量のいいねが貰える。

元々、この辺りに道路あったら楽だろうなぁ作ってみようかなぁと
殆ど自分のために作ったわけだが作ってみると物凄く感謝される。
いいぞ、現実ではめったに褒められないんだからゲームでぐらい褒めてくれ。

橋のような巨大シンボルもあるが、道路と言うのは復興のシンボルとして非常に大きく分かりやすい。
どんどんと道路を繋げていくと「あぁ、繋がっていくんだな」という実感と達成感がわく。

某缶コーヒーのCMで「世界は誰かの仕事で作られる」というキャッチコピーがあるが
実際にはそれに加えて「世界は誰かの仕事と”報酬”で作られる」のだろう。

ゲームが終わったころには、現実の国道を見るたびにこれも誰かが作ってくれたおかげなんだな、と誰かの仕事に感謝したくなる。
まさか道路で感動できるゲームがあるとは!

んでいいねを貰った時のこの得も言われぬふわっとした高揚感。
僕はゲーム実況自体は肯定派なんですが、
先述のディティール部分も含めてこればっかりはプレイした人じゃないとわからないと思います。

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↑町や配送センターの出口という絶対に回避できない位置に建てられる乞食看板。イラつく人もいるだろう。

無論、このいいねシステムにも…穴はあるんだよな…ゴクリ。
ストレートに言うと、拠点となる町や配送センターの近くに充電装置や橋、
それどころかノーコストで建てられる看板を立ててしまうのが一番手っ取り早く稼げる。

配送センターの出口の、絶対に回避できない位置に置いた看板なんて言い方は悪いが
「いいね乞食」と言ってしまえるほど看板がずらっと並ぶ。
しかもこちらにプラスにならない。
(スタミナが回復したりするが今から走りだすときに、帰るときにスタミナを回復されても…)

しかしだ。
俺たちがそういったヤカラに対してやるべきは目くじらを立てることじゃない。
雑にいいねをブチかますことだ。

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中指を立てるな。

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親指を立てろ。
ファックユーじゃなくサンキューと叫べ。

 

というのもさっきの国道を作るまで、自分は建てられた橋や梯子などを見て利用こそすれ「いいね」してなかったのである。

俺一人がいいねしてもな、と言うのもあるんだがめんどくさかったし、
なにより自分の中の何かを失うような感情があったのだ。

しかし国道でいいねを大量に貰って考えた。
よく考えりゃいいねには何も失うものはねぇじゃん。と。
親指を立てるようになんとなくタッチパッドを押せばいいだけだ。
そうやって誰かに雑にいいねを大量に送り付けることでいいね乞食もまた
「あっ俺もとりあえず雑に誰かにいいねしとくか」となるはずだ。
だって俺がそうだったからね。

 

本ゲームを通して気づいたこととして、これ、強く言いたいんですけど
他人に善意の感情を与えることをサボっちゃいけない。

隙があるので自分語りします
自分がこのブログを続けられてるのは「読者に恵まれたから」なんだよね。

このブログ、基本的には誰かに見てもらうためにテキスト書いてます。
自分の感情の吐露ではなく、単純に誰かに見てもらうためです。
小学生のころ、褒めてほしくて親に学校であったことを喋るようにテキストを書いてます。

そんな小学生マインドを今でも引きずってんのかよ!と思われそうですが
その自称”面白いテキスト”を「書いただけ」ではやっぱ満たされないですよ。
レスポンス、つまるところリツイートといいねが必要なんですね。
自分は始めたばっかりから結構な数のレスポンスを貰えたので続けられました。

しかし、ブログが続かなかった人も同時に見てきました。
大体の人は日々の忙しさから辞めたりするんですが
「反応がもらえないんで辞めます」もいました。

これねー気持ちわかる。自分も記事が2RTだった時メンタルが死ぬかと思ったもん。
ただじゃあその人がブログ更新したとき、
自分が毎回見て毎回レスポンスしたかと言うとごめん、そうでもない。
実際、見逃しててあっ更新してたんだってのがほとんどだけど、中にはTLに流れてきたけどほっといたこともある。

今思うと後悔している。
めんどくさがらずRTしときゃよかったなと。(自分はいいものはいいねよりRT重視なので)
RTしときゃもしかしたら他のだれかが気に入ってもっともっとつながったかもしれない。
その人がブログを辞めなかったかもしれない。

ネットワークがすべての人に繋がった昨今、てーか最近のツイッターってさ。
本来会うべきでない人が会ったことで喧嘩するシーンもよく見るしその諍いを回避できない。
けれども本来は「これまでの時代では会えなかった、会うべき人達が会うこと」
これがネットの役目だろう。

やっぱさ、人はある程度の距離を持ちつつも繋がろうとしないと駄目ですよ。
良いものや好きなものをもっと好きだって、「いいね」って、言わないと駄目ですよ。
そんでね、善意を相手に与えるためにはまず誰かに善意をもらわないと駄目な人がいるわけで。

なのでこのゲームをやってぼくのかんそうは
みんながもっとざつにぜんいをおくるべきだとおもいました。(小学生並の感想)


□総評

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傑作になりきれなかった良作といったイメージです。

中盤はマジで神ゲーだわコレ、ファミ通40点満点もわかるわと仕事中も配送のことを考えるほど楽しんでいたのですがクリア後に改めて考えると
序盤のムービー煉獄を抜けて、終盤のムービー地獄に堕ちた後はまーここはよろしくなかったよなと。

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ムービー自体はすっごいクオリティ高いんです。

マッツ・ミケルセンが煙草を吸うシーンは非常にエロティックでセクシー。
一個の映画として見る分にはすんばらしい。

ただ、コンテンツの提供感覚を見るに、プレイヤー心理を理解できるクリエイターである小島氏が何故終盤になってこんなバランスの悪い作り方にしちゃったのかなぁと。

あなたもう大企業の後ろ盾無いんだから「ついてこれる奴だけついてこい」は効かないでしょって思うんです。
最後までゲームとして作ってほしかったなと。
MGS4のように物語を〆るためにムービー連打する必要もなかったと思うし。
ただこのあたりはやはりKONAMIを離脱したせいなのかなと。
(てか、予算と時間があれば終盤のあのシーンは操作させてましたよね多分)

ただ、ゲーム部分そのものはすっごい面白くって万人向け。
賛否両論ありそう、ってのはぶっちゃけ小島監督という人とムービーのせいかなと。

ただ明確な難点を挙げるなら爽快感が薄いことかな。
いや、国道作って走ってるときは妙に気持ちいいんだけど
敵をねじ伏せたりするようなゲームではないので、直接的な快楽はあんまりないです。

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あと、何度でも言うけどムービー。

MGSを産み会社から追い出された悲劇の天才クリエイター小島秀夫のコンシューマー復帰第一作!という事前情報が無かったら
この映像の暴力は耐えられないぞ。
SEGAあたりの無名の新人クリエイターがやったら
「やっぱSEGAは馬鹿だわ。ゲームの作り方知らねぇんだな」位の罵倒は来る。

ただまぁ本当にムービー、これがすごい勢いで人を振るい落とす。
本稿では一切シナリオには触れていないけど
なんだかんだちゃんと面白いんですよ?面白いんですけどとにかく長い。

しつこい位にムービーはやっぱダメ。
このしつこさがムービーの多さと長さを表してます。
ムービーのクオリティは高かったしお話も面白かったんだけど
ムービーがもっと短かったらもっと褒められたのに、と思うほど。
それぐらいムービーの長さが許せない。誰か止めなかったのか小島秀夫を。

そう、”否”要素の最たるものは小島秀夫です。
主人公はサムですが、このゲームの主役は小島秀夫ですから。

 

だけど小島秀夫にいいねを送りたい。
それでもなお小島秀夫の次を見たくなる。

こんだけムービーボロクソ言いつつもこのおっさんゲーム作るの上手いんスヨ。
本当に楽しくプレイできました。中盤はもう病み付きになった。
だからあなたにもやって欲しい。あなたにもつながってほしい。
バトンは渡します。
受け取ってくれるかはあなた次第。だけど、気になってるなら躊躇しないでください。

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あとま、そのー…なんだ。
その…もし…もしよかったらこのブログにもRTとかいいねを…
(いいね乞食という雑なオチをつけて終了)

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↑お前もいいね乞食かいっ!という突っ込みを入れるノーマンリーダスで〆!

*1:ちょっとした坂でも滑るビッグボスを指すネットミーム。「MGSTPP ズサー」でググれ。

*2:一部には時間制限があり、早ければ早いほどプラスになる配達クエストもあるにはある。

*3:インディーズゲー。共産主義をモチーフにした一風変わったゲームで誰かのために何かを作ったり働いたりする点は似通るがこちらはゲームデザインが甘く、面白くはなかった。