ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

まんじりともせず聞け、コエテク。『仁王3α体験版』レビュー。

サプライズニンジャ理論、勝てる作品ってほとんどないのでは?(挨拶)

さて、好きなシリーズだが途絶えたシリーズ、ありますよね?
その作品が復活した!そんなこともありますよね?
でもそれがシリーズのトドメになってしまったことさえも…。

そうはさせない、そうはやらせない。なぜならば今回は意見が言えるから。

ということでサプライズ電撃復活と共に意見を求めるアルファ版を電撃リリースした
『仁王3α体験版(におうすりーあるふぁたいけんばん)』をレビューしよう。

では良しなに。

 

□概要

コーエーテクモが贈る戦国死にゲーその第三作目!
前作、仁王2であまりにも綺麗に終わったためシリーズそのものが終わったかなぁ、と思っていたら奇跡の復活で超驚いた。
ま、2作のシリーズ累計で800万本も売ってりゃ辞めさせないか、とは思うものの…
本当に予想外で、堪らなく嬉しかったのだ。

また、自分自身仁王1アルファ体験版からベータ、そして仁王2アルファからベータと全ての仁王を体験してきた人間として
発表即日配信された体験版、そらやらないとな。と。

では1・2からどう変わったのかという点を含めてレビューしよう。

なお、本作はいわゆるユーザーから意見を聞いてそれを吸い上げるということなので
修正を希望する点は緑色で記載する。
も、もしあっそれいい意見だねと思ったら意見を公式アンケに送ってくれよな!

 

□手放すくらいならいっそとか

さて、仁王というゲームはジャンルとしては「戦国死にゲー」と名乗っているが、
要はソウルライクなわけだ。
だが本作をそこら辺のソウルライクと大きく分ける点としてはトレハン要素も大きいが
「手札の多さ」にあると思う。
例えばダークソウルであればいわゆる脳筋戦士や純魔など特化させたものに魔法戦士ビルドといった良いところどりも出来る。
ただ仁王は最初から制限こそあれど”何でも”できるのだ。
毒を食らわせてもいい、相手をスローにしてもいい、遠距離から撃ってもいい。
「何でもありで強い敵を倒す」というのが本シリーズの特徴と言っていいだろう。

しかし、多くの選択肢があるからと言ってその多くの選択肢を使って戦えるかというと難しい。
それこそソウルシリーズで特化型のビルドを組み、剣と盾とエスト瓶だけしか使わない人も多いだろう。

サムライスタイルとニンジャスタイル。装備も異なるぞ。

前置きが長くなったが
本作の目玉である「転身」という要素がその点を上手く片付けた。
この転身はサムライとニンジャを一瞬で切り替えるシステムだ。

今までが言うならば「何でもできるすっぴん」だったのが
「どっしり戦うサムライ」と「搦め手が使えるニンジャ」とジョブを分けたことで、
プレイヤーは自ずと「何でもあり」に対してアクセスがしやすくなった。

転身自体も一瞬でチェンジしラグもなく即時戦えるのはGOOD。

ニンジャは手裏剣やマキビシ、そして様々な属性弾を打てる。汚いなニンジャ流石汚い。

実際ニンジャスタイルは手裏剣などの遠距離攻撃手段が豊富で
過去作だとアイテム欄に装備するスタイルだったのが
「R1+△・□・×」ですぐに出せるようになり、
攻撃を繰り返すとゲージが回復して再使用できる!
しかもサムライスタイルで攻撃してもゲージは回復する!
凄いなコエテク、心配になってきた。

これまでのコエテクだったら忍術ゲージはニンジャスタイルでしか回復しないよ。を絶対してた。
そういう信頼があったのに言うまでもなくその仕様にしているのは素晴らしい。
ただ、ゲージの回復は社(ソウルで言うところの篝火)で全回復しても良かったのでは。

とはいえ、仁王というゲームにおいて
自身の魅力を輝かせる見事な仕様だと思う。お見事。

 

□誤解しないでよ空が青いのも

もう一つの目玉である
オープンフィールド(以下、OF)はうーん、まぁまぁの域を出ないかなと。

オープンワールドと比べるとおそらく自由度が低くシナリオに合わせてエリアが解放されていくタイプであることからOFと名乗っているとは思う。
実際、OFとしては減点法だと高得点ではあると思う。
しかし加点法だと正直及第点から上に乗せる材料がない、というか…

程よい広さのフィールドに収拾要素は驚くほどあり、
今回で初搭載されたジャンプもあり、マップ自体高低差を上手く使っていて良く出来ている。
しゃがみステルスも出来るし、収集品の種類も沢山あるしけして悪い出来ではない。
適当に歩いていると思わぬ強敵にぶつかる等「あ、わかってんな」と思う部分はある。

周辺の敵を一定数倒すことで掃討出来る拠点は好き。UBI好きとしてもな。

また、UBI好きとしてもマップ内に点在する敵の拠点システムは好き。
達成感も得られるしアイテムも手に入るしで楽しい。
シナリオ付きのサブクエストなんかもあって一般的に求められるOFとしては及第点はあると思う。

ただ、このゲームらしい要素があるか?と言われると無い。

今までがこういったフィールドが無く、
ゲーム的な進化としてフィールド追加はある意味進化の階段としては紛れもなく正道。

ただ、最近の同社開発の『ユミアのアトリエ』のように途轍もなく快適、だとか。
素材集めが楽しいとか。
そういうのがない。

こういうところを二段ジャンプで乗れない。縁に手が引っからない。そうか…。

OFで仁王をやろう、ではなく仁王のミッションの一つにOFがある、という形なので
仁王のルールから逸脱できない点が引っかかる。

結局高いところから落ちると死ぬというスペランカー気質は変わっていないし、泳ぎも出来ないといった仁王のルールから変わっていない。
せめて高いところから落ちるとダメージというのは無くしてほしいのだが。

例えば本作では初期から二段ジャンプが出来るのだが、
ほな屋根に上ってみるかという誰でも考えるようなことが出来ない。

一応屋根上から下にいる敵を暗殺することも出来るし、
登れる二階や屋根もあるのだがそれはあくまで上ってもいい屋根と出来ない屋根がゲームとして明確に区別されている。
実質的な見えない壁が多くて自由度が今一つないんだよね。

オープンワールドをソウルの文法で書き換えたエルデンリングと比べると、
どうしても没個性と言わざるを得ない。

死んだ場所には塚が出来、守護霊が留まる。マップ上でも確認可能だが…

あとこれ、ソウルライク全体の問題ではあるのだが、
死んだ場所に経験値(ソウル)を落とす仕様がイマイチ。

本作も死んだ場所に塚が残り、後で回収すれば経験値を回収できる。
ただこれ、広いマップとの相性が最悪だと思っていて。

エルデンリングでもそうだったように、東で死んだ後逆方向に行きたくても一旦拾いに行くという自由度に制限がついてしまう。
エルデンリングだと極論無視してもいいのだが
本作の場合、守護霊がそこにとどまるためシステム的に不利を背負うことになる。

デモンズから続く古臭いシステム、フロムでさえ手癖で入れているだろうから外してもいいのでは?と思う気持ちと、
これなくなったら単なるアクションRPGになるのでは?という気持ちもあり、
なんか…なんかいい方法ないかなぁ…と代案のない提案という形になってしまう。

驚きの明るさ。とはいえちょっと曇ってるからもうちょっと明るくてもいいかも。

ただ唯一明確にべた褒めできる点がある。
本作はエリアのボスを倒すと暗い世界に青空が広がるようになっている。
これ凄く良い!達成感ある!!

どーこーのメーカーもよぉ!!
ソウルライク=暗い暗い世界にしやがってよぉ!!!馬鹿の一つ覚えがよぉ!!
ダークソウルのほうがまだ世界が明るいことすら多いソウルライクで、
コエテクが別に青空があってもええか、と漸くそこに気づいたかと胸をなでおろした。

製品本編ではフィールドになんかもっと面白い仕組みがあって
僕の心にも青空が広がればいいのだが。

 

□理想論に沿って能動的に大胆に

戦闘の前に褒めておきたいシステムについて語りたい。
まずはスキル。

本作ではOFのどこかに本が置いてありそれによってスキルを習得する。
で、これにより様々な恩恵を得られたりアクションを拡張できる。

赤技に合わせて~転身でカウンター!戦隊ものが変身中に攻撃しない理由がここに!

例えば本作の転身は敵の大技(赤い技)に対するカウンターになっている。
…つまり、カウンターのためにジョブチェンジしなきゃいけないってこと?
俺はサムライだけで戦いたいのになぁというこだわりゲーマーもいることだろう。

仁王はそういうゲームではない、という前置きをしたうえで
上述のスキルにはカウンター時にジョブチェンジしなくていいスキルを用意している。
どうしたコエテク、悪いものでも食ったか?
当然出る不満に対して先回りしていたのはマジで偉いと思う。
ただ、このスキルを見つけたのは本当に後からだったので、こういうのは強制取得でいいぞ…。

 

残心の後の追加攻撃冬月!構えに応じた追加攻撃に派生するぞ!

もう一つ、本シリーズの骨子である「残心」*1追加入力で攻撃技が即出し出来る「冬月」というシステムが追加された。
これ、嬉し~~~!!

シンプルに攻撃の継続性が上がる点が素晴らしく、構えごとに攻撃が派生するのも偉い!
上段であれば前に進みながら、下段なら下がりながら攻撃するというのが面白い。

自分は大太刀で△→冬月→△とチェスト!ちぇすと!!チェストォ!!!と上段三連撃を繰り返したのがお気に入り。

 

あと、OF内で友好的な妖怪と触れ合うことで強化された技を習得できる点も魅力。
これはシンプルに俺の趣味です。
技が強化されるのってロマンじゃない?

 

と、唐突ながら好きなシステムについて褒めさせてもらった。
実際、手放しでほめられるシステムは結構ある。
だが、考えなければいけないシステムもあるもので…

 

□諦めないを諦め追いかけた記憶ごと消してしまえればいいのに

さて戦闘についてだが、
ニンジャスタイルの完成度が既にずば抜けている。

ニンジャスタイルは「残心」とがない代わりに、
回避に特化した要素が2つも存在する。

ジャスト回避は黄色い光と共に発生。

まずは「見切り」。
これは要はジャスト回避システム。
敵の攻撃をベストタイミングで回避することでボーナスが得られる。

もう一つは「霞」というジャストタイミングでボタンを押すと移動するのだが
その移動前の場所に残影を残す。
なんと敵はその残影に攻撃をしてしまうのでこちらはその隙に殴れるわけだ。

ソウルライクって簡単に出せるデコイ(囮)がいると一気にゲームがヌルく、そしてつまらなくなってしまう。なぁコードヴェイン!
そもそもバランスが「デコイありだとヌルイが、デコイ抜きだとキツイ」という中途半端な出来になりがちである。なぁエルデンリング!

だが本作はプレイヤースキルで一時的なデコイが作れる、と考えるとよく練りこまれたシステムだと思う。
また、背後からの攻撃にダメージボーナスが付いていることもあり
ニンジャのコンセプトが非常にわかりやすいのも良い。
スタミナ回復システムが無くても前述の飛び道具ポイポイで回復時間も作れるので完成度が非常に高い。

ではサムライはというと…強いのは強いがわかりにくい。

 

敵の攻撃直前でL1!敵の攻撃を弾くのではなく捌く!

まず新システムとして「捌き」というのがある。
仰々しい名前に台無しなことを言うとまぁパリィです。すまない。

実はSEKIROより前の仁王初代からパリィシステムはあったが使い物にならんかった。
仁王2でもパリィシステムは続投し緩和されたがこれもまた使わんかった。
だがようやく本作仁王3で実践レベルで使えるパリィとして帰ってきた。

当初はおっかなびっくりで使っていたが慣れると大分判定が緩めであ、これ楽しいなと。
ボスの連続攻撃を連続パリィするとやはり気持ちいい。この快楽に抗えない。

ボスの連続攻撃時に上手くパリィできたかどうか
BGMに紛れてわかりにくいこともあるので
もう少し音とエフェクトについては派手にしていいと思うが概ねヨシ!だ。

そうそう、ライズオブローニンにおいてもパリィシステムがあったが
こちらは正面は弾いても横の雑魚から殴られるということが頻発していた。
しかし本作はパリィすると別の敵でも(雑魚なら)怯み効果が発生して横やりが発生しなくなっている。
(珍しく)反省が生きているねぇ!と感心した。

しかし…

パリィ自体は気持ちいいのだが…回避した方が早いのでは…?

回避した方が早インパラ、という疑問が鎌首をもたげてくる。

敵の攻撃を理解してガードタイミングを覚えて敵と戦う、というのは面白いのだが
ただ敵を倒したいなら攻撃範囲外に回避した方が早いじゃん?
勿論パリィには成功時にスタミナ等のゲージが回復するという利点があるのだが、
回避した方が早く楽に倒せるのでは?という疑問は抜けない。

防御手段として回避の他に手札が増えただけ、と言えば仁王の理念として噛み合っているのだが咄嗟に出すにはダメージというリスクがあり、回避のほうが優秀すぎる。
例えば捌きで炎攻撃を捌くと武器に炎属性が付く、みたいなボーナスが無いと厳しい。

残心というシステムもプレイしていく中でいつの間にか体に染みついたように、
この捌きも体に染みつく可能性は否定しないが、
今のところ何とも置き場所に困っている…。

 

画面右下の白丸が技研ぎゲージ。このゲージがマックスだと…?

もう一つ、「技研ぎ」について。
画面右下のゲージがマックス状態の時に△(強)攻撃と武技が強化される。
そして上記攻撃を続ける限り続くというシステムなのだが…
まず、非常に説明不足である。

正直、OFの後のボスをクリアするまでは「なんか勝手に発動してるよくわからんもの」にしかなっていなかった。
△攻撃で勝手に発動していつの間にか終わってしまうからだ。
だがこれ、一言でいうとフィーバータイムなんですよ。

これが発動している間は通常繋がらない武技が繋がるようになり、スタミナも軽減される。つまり
いくぜっ!幻影陣! (ストⅣ)
の一言で説明が終わってしまうのにすごく分かりにくい説明と発動条件になっている。説明、あるいはエフェクトをわかりやすくするとか改良が必要かなぁと。

 

全くの新規に作れるニンジャスタイルと比べて、
既存のゲームシステムをそうやすやすと崩せないサムライスタイルに不満が集中する形となってしまった。

ただこれも期待の表れ、と思ってほしい。
誰だって…いや、仁王初代のアルファ版から付き合ってきた僕だからこそ
面白くできるって信じているし知っている。

 

□総評

正直、色々言ったけどこのまま出しても
まぁそこそこイケる程度には完成度高いんすよね。

いうて三作目ですよ?よほど大改修をしない限りはそりゃ最初から面白いって。

ただ、もっと良くなる。絶対良くなる。
だから俺の声を聞けコエテク。

というわけで以下、上で書ききれなかった修正希望点を記述する。

  • マップの調査段階レベルシステムは偉い。でもLV3で残りの調査すべきオブジェクトマップに表示して。
  • 開けた宝箱は消すのではなくマップに表示して「〆(チェック)」つけてほしい。
  • 登れる場所・行ける場所がわかり辛い。コンパスで面白くなるわけじゃないしミニマップにしてわかるようにして。
  • 武芸のスティック倒し+△の判定がかなり厳しい。咄嗟に出ない。
  • ノヅチがクソ強いから弱体化して。
  • 血刀修羅のいる場所周辺の雑魚は出ないようにして。
  • 組討ちと技研ぎの相性が非常に悪い。組討ちは△も用意しつつ「□+×」同時押し等で最優先発動させてほしい。
  • サムライとニンジャでキャラクリ性別制限はいらない。
  • ただ、ムービーはどちらかのジョブを優先して表示してほしい。サムライで固定させたい。
  • 妖怪武器のシステムは良いのだが、死亡後に最大HP減少しているのを引き継がなくてよい。

さて、繰り返しになるが僕は非常に期待している。
本作は主人公がキャラクリこそできるものの「徳川竹千代」という名前で固定のようで、シナリオにもワクワクしている。
「竹千代」と聞くと家康か?と思われがちだが、徳川家康の幼名は「松平竹千代」である。
そして徳川になってからの初めての竹千代、そして仁王”3”…
おそらく徳川三代目である「徳川家光」のお話だと思う。
…の割にはキャラクリで女も外人も選べるのはええんか?

それはともかく既に武田信玄も出ており、つまりタイムスリップの話になると思うので
もしかしたら仁王2ともつながるかも…と思うと胸が高鳴るぜ。

 

 

さて、仁王は紛れもなくコエテクの作品である。
しかしファンと一緒になって作った作品でもある。
本アルファ版は期間限定であり、6月18日(水)まで!
その一緒に作る人に貴方もなろうよ!

 

今後来るであろうベータ版、そして製品版に期待を持ちつつ最後はこの言葉で〆よう。

頑張れコーエーテクモ
エクサ17歳はコーエーテクモを応援しています。

ではまた。

さぁ貴方も。仁王を作ってみませんか!

*1:攻撃後に特定ボタンを押すとスタミナが使用した量の一部が返ってくる