お前も読者だ(((ꎤ’ω’)و三 ꎤ’ω’)-o≡シュッシュ(挨拶)
昔はホラーゲーム、大嫌いだったんすよね。
何故か?バイオハザード1のせいだよ!
今はホラーゲーム、結構出来るようになりました。
何故か?バイオハザード4のせいだよ!
というわけでバイオの水で産湯を使ってバイオに育てられたマッチポンプ男が最新作、
『BIO HAZARD VILLAGE(バイオハザード ヴィレッジ)』をレビューしよう。
例によって重要な要素の直接のネタバレは無いが、
プレイする予定があるなら面白いからやってから読んでくれよな!
ではよしなに。
□概要
イーサン・ミアの2人はクリスの保護下の元、
穏やかな生活を営んでいた。
待望の新たな命、娘ローズと共に。しかしその穏やかな生活は一夜にして崩壊する。
突然の銃弾。切り裂かれる妻の体。
そしてその首謀者は…クリス。見知った顔に襲撃された事実に嘆き慄きながら
そのままイーサン、そしてローズはクリスらに拉致されてしまう。
だが、移送中に事故が起きる。混乱と闇と雪の中に放り出されたイーサンが
道なき道を行くと見えてきたのは、村。
新たなる惨劇と新たなる家族の物語の舞台となる、村。若き父はその運命を知らぬまま村に立ち入る。
娘を助ける、ただそれだけのために。
ご存知バイオハザードシリーズ最新作。
前作7から主人公が続投し完全に地続きとなっている。
これ、実はバイオにしては珍しい作りになっている。
そう、メインどころ大体集合になった6を除くと
主人公続投したナンバリングはこれが初めてだったりします。
ただでさえ一般人の主人公にこんな特例を課した理由があるのか?
それがある。あるのだ。
では早速レビューしていこう。
□量はあるんだけど質はそこそこな飯屋。それがバイオ8。
↑閑散とした村。住民はほぼ全滅しており、その数少ない生き残りも…?
まぁ基本はバイオ7の村版です。
んで、ど直球で言ってしまうけど全体的にゲームとしてはイマイチです。
いや、より正確に言うと全ての要素で及第点を取っているが
ここが良い!というポイントが色々ある要素の多さに比べて少ないんだよね。
まず、村であり開放的な空間であるため
前作のベイカー邸と比べて全体通してホラー色はかなり薄れている。
と、いうかね。緊張感が無いんです。
んで今作はすべての雑魚が確定ドロップしお金、あるいは素材を落とす。
そして素材を使ってクラフトが出来る。
↑弾丸や回復薬を戦闘中も作れる。このためか逃げたり回避する、という従来のバイオの姿はなくドンパチが基本。
敵の目の前でいきなり銃弾を作り出す不審者になるのはさておいて、
弾薬・回復薬がポンポン作れてしまう。ついでに商人からも購入できちゃう。
難易度Standard(標準)で初回クリアしたが、
最初から最後の方まで基本ドンパチバイオ。
弾切れの恐怖もほっとんど無いのが緊張感の欠如に繋がっている。
じゃあそのドンパチが面白いかと言うとそうでもないんですよ。
FPS視点なのでバイオ4のキックのような爽快感溢るる派手なアクションは一切無し。
一般的なFPSよりも動きが鈍重なんだけど、あわせる形で敵の動きもそんな早くない。
(フェイントとかはしてくるが)
雑魚もそうなんだけど特にボスがなんか弱いのもあって、
プレイしてて「やった!」とか「よし!」とかそういう感情が動くことがあんまり無かったなと。
↑拠点に唯一いるのは商人デブ…ならぬデューク。村では基本動物を襲うことになるのはそれはいいのだろうか…。
今作は物語の進行に合わせて拠点たる村から各ステージへ行くというスタイルを取るんだけど
この村を拠点にして探索するスタイル、正直裏目に出た。
村自体は完全に崩壊しており、生き残りは一人もおらず、
唯一商人デュークだけが残っている状態。
戻る意味、ありません!
事実として村に戻ってもやることが無いのだ。
一応進行に合わせて村の閉じたドアが開けられるようになったりするが、
基本的には村でやることは、空き巣して弾薬回収と動物を狩って肉を得るだけ。
ヴィーガンを怒らせることしかできない。
各ステージは城や館、湖と言う形でプレイヤーを飽きさせないように
ロケーションを用意してくれるのは良い。
そこまで行くのも良い。
ただそこから村に戻る行程がクソい。
まずバイオ7から受け継いだ足の遅さでイライラさせられる。
何故マップを広くしたのに足の速さは変えなかったの!?
(調理にて移動速度アップがあるが初週で取るのはすげぇ難しい)
んで、帰り道の最大の問題は見知った道で実質なにも無いから
ただひたすらに走って帰るだけの時間が出来てしまうこと。
安心安全の帰り道にゲーム全体の緊張感が根こそぎ奪われていくんだよね。
ステージをクリアするごとに装備を整えるという意図と意義があるんだろうけど
何ならその行先たるエリアの中に店があるからね。
拠点は崩壊してる村で!拠点としての意味でも崩壊してる!
なんてくだらないオチまで付いてきちゃってるのは正直どうかと。
↑店で売買が可能。改造による強化は嬉しい。弾倉改造による弾回復はバイオ4ファンならわかってくれるはずだ。
んでお店と言えば本作は店がバイオ4から復活した。*1
ここで購入・売却・武器改造が出来る。
ここで一つニヤリとしたのが弾倉増加改造をすることで弾数が全回復するところ。
そこまで弾に困る場面は無いんだけど、これをやることでちょっとした節約になる。
このつるせこ感、せせこましさが堪らないんじゃグフフ。
これ、バイオ4でもそうだったんですが残してくれたのはマジで褒めたい。
↑なんか唐突に語り始めるデューク。あまりにも情報に精通しすぎていて普通に黒幕かと。
ただねぇ、商人が思い切りシナリオに絡んでくるのは少々興ざめだった。
一区切り付き、ここからどうすればいいんだろう、という状況下で
唐突に商人がバーっとこの後どうすべきかを語り始めるわ、
ちょくちょくあーしろこーしろとシナリオにおける次の目標をアドバイス、否、指示するわで。
ここで俺、「ははーん、さては黒幕だなオメー」ってなったのよね。
拠点にいてもいつ裏切るか安心できないキャラになってしまったわけよ。
↑調理によるステータスアップはおまけみたいなもん。村娘は助けてあげたかったなぁ…。
本作はその商人に食材を納品し、
調理によってイーサンのステータスを強化できる要素がある。
正直おまけみたいな要素ではあるんだけど、
これを序盤(体験版の部分でもある)で死んでしまう村の娘を生かしておいて
一緒にご飯を食べるとかありゃ良かったかなと思う。
だって拠点となる村が崩壊し、唯一残ってるのがアスラン・ザラ*2だぜ?
あまり安全地帯として機能してないので、
コイツは裏切らんだろうなっていうキャラを置いといても良かったかなと。
まートータルで見ると正直ゲームとしては
若干どころじゃなくてイマイチでしたね。
このゲームはどんなゲーム?と聞かれたときに答えにくい。
特にタイトルに冠している村、と言う要素が重要ではなく印象も弱いのが最大のネック。
言葉が通じない頭のおかしい住人とバトルだ!というバイオ4の方が村の印象強いもん。
狂気が蔓延る村とは言うものの住人は姿形が変化して狼みたいになって喋らなくなる。
しかし逆に中ボス連中は話が通じちゃうし、まっとうに会話までしてくれる。
↑今作の敵連中。彼ら一人一人をぶっ潰す流れだが、下手に意思疎通できるせいで小物感が漂う…。
何なら中ボス連中はこれ最初の一人以外和解できるんじゃね?感があるのもマイナス。
なんつーかナイフを舌でペロペロしながら現れるようなやっすい狂気なんですよね。
お前切れないところを舌で舐めてんじゃん!めちゃめちゃ正気やん!
そして正気の敵って怖くないんですよね…と。
カプコンが「もう一つの主人公は村」と言っていたようだが
この村はシン・アスカです。*3
↑城の中は延々歩き回ってもいいほど綺麗。とにかく手が込んでいる。
―――と、ここまで不満を言いまくったが良かった点は3つ。
まず雰囲気は凄く良かった点。
ゲーム全体が殆ど日中帯なので画面が明るいわけよ。
だからゲーム全体を凄いしっかり見れる。
見てて「オッ」と目を引く程度には城の調度品とかすんごい手が込んでるし
村も見てて「うわー凄い寒そう」ってな空気が伝わってくる感じがする。
画面を暗くすれば暗くするほど細かい点で手を抜けるけど、
あえて明るくすることで手を抜けない、抜かない作りになってる。ここはグッド。
次に2つめ。バイオのホラーとしてのプライドが見えたことだ。
□ホラー要素について
↑追いかけまわされたり幻覚を見たりもするが、基本は怖くない。基本は。
前作バイオ7で恐怖を押し出したせいで取り逃がした客はよほど多かったようで。
今回は「バイオ村で遊ぼう」*4や吉幾三氏を使った曲を宣伝に使うなど、
過剰なまでに「怖くない」ことをアピールしている。
事実、ほぼ怖くない。
所謂ドッキリ要素も殆ど無く、出会い頭にグサッなんてものは無い。
敵が来る前に遠吠えアピールするなど
プレイヤーの心臓に優しい仕様になっている。
また、リスタートポイントが物凄く多い。
画面を見ると驚くほどちょくちょくセーブされている。
プレイヤーの胃にも優しい仕様になっている。
恐怖の鮮度はプレイヤーが死にたくない、と思っている間しか保てない。
それは往々にして一回目の死亡まで、だったりするほど、か細いもの。
しかし銃弾や回復薬はポンポンクラフト出来るから「こりゃー死なないな」と思う。
万一死んでも「こりゃーすぐ復活できるな」とプレイヤーが理解しちゃう。
プレイヤーの脳にも優しい。
ここまで健康に気ィ遣ってくれてるカプコンには悪いが、
さっきも言ったとおりまー緊張感が無い。本当にない。
うちのイーサンなんて最悪死んでもいいやって感じで常時走り回ってたぐらいだ。
一応、カプコンの狙いとしては正しいし、それはゲーム中で成功している。
じゃけんど、流石に物足りねぇなーってのは付き纏っていた。
カプコンちゃんもうちょい我を通しなさいよあなた~って。
否。
我、めっちゃ通してきた。
とあるステージで、カプコンはホラーメーカーの老舗の我を出してきた。
武器を取り上げられて、狭い部屋でパズルを解いていく。
ただこれだけ。
古典的な方法でありながら恐ろしく怖い。
音が、光が、闇が、あるはずのない匂いさえ感じさせる恐怖を生む。
壊れたピアノの旋律のように歌う環境音が恐怖を煽る。
ゾクゾクする何かが血管を伝うように全身を駆け巡る状況で
あまりにもおどろおどろしいモンスターが登場する。
見た瞬間に全身の血が凍るような戦慄がそこにあった。
もう冗談抜きで半泣きになりながら逃げ惑ったねアタシぁ!
あれほど死んでも構わない、というスタンスで走っていた自分が
「こいつにだけは殺されたくねぇ!!」と全力で逃げていた。
「命を惜しんだ」んだよ。
すごない?すごいぜ?すごいんだよ。
またそのステージの中には
本来目を背けたい恐怖の対象に対してしっかりと目を向ける必要があるギミックがあった。
ここマジで「クソッ上手い作り方しやがって!」と嫌がりながらも称賛。
カーッ卑しかゲームばい!
実際、このステージはやってる人は全員褒める部分だと思う。
あれだけ恐怖は売れねぇと本音で語ってきたカプコンが
ここだけならいいだろオラァ!ほーれ怖がれ怖がれ!とぶち込んできたワンポイントリリーフ。
緊張感もクソも無かったゲームがピリッと引き締まる良いステージだった。
んで最後の良かった点3つ目。
家族の物語に集約し、そして主人公であるイーサンが非常に魅力的なシナリオだったからだ。
□落ちる!噛まれる!腕が取れる!DXパパ!イーサン・ウィンターズ!
前作から続投した主人公、イーサン・ウィンターズ。
彼はこれまでのバイオ主人公の中でも最高にタフである。
落ちる!
噛まれる!
腕が取れる!
いやいや腕が取れたらもう戦えないじゃん!と思ってたら次の移動するシーンにて。
よし!
いやよしじゃないが。
100歩譲って切れたとこにグリグリ押し付けて腕がくっつくのはまぁいいよ?いやよくねぇよ?
なんで服までくっつくんだよ。
これは流石にスタッフ遊び過ぎだろうと笑ってしまった。
腕がくっつくのは流石にないものの似たような経験をするバイオ主人公は多い。
しかし、イーサンの凄さは前作からして一瞬で環境に適応し、
「クソッあいつらイカれてやがる!」と悪態一つ呟いて
薬液ダバァぶっかけたら館を練り歩いていた鋼のメンタル。
体よりも心がTOUGH(タフ)。
そう、タフって言葉はイーサンのためにある。
↑なにっ。もしかしてイーサンはバイオ史上最もタフなんじゃないスかね。
前作の時点でもこのメンタルのおかしさに好感を持っていたが
今作はもっとグッとイーサンが好きになる、そう言い切っていい物語になっている。
↑マザーミランダを軸にした家族の子供たちと戦う。そっちになくてこっちにあるもの。それは親子の情だ。
前作もそうであったが、本作もまた、家族の物語である。
前作に引き続き本作の敵たちも家族で、イーサンもまた家族を持つ身となった。
特に敵のボスとはある種表裏となっており、
マザーミランダ(母)の尖兵となる子供たちを、娘を取り戻す父イーサンが倒していく、
という対比する構造になっている。
また、口では忠誠を誓いつつも、親子の情などない敵側と対比して
落ちようが噛まれようが腕がもげようが絶対助けるというイーサンという構図もよく出来てる。
この世で最も怖い生き物を知っているか?
娘を取られた父親だよ!
とリーアム・ニーソンならぬリーアム・イーサンは止まらない。
この全力でお父ちゃんを遂行する!!生き様は
世のお父さんがやればグンと感情移入するところだろう。
まぁ僕は独身ゆえか感情移入はしませんでしたが…。
しかし代わりにイーサンへの好感度はぐんぐん鰻上っていく。
↑まさかの再登場。正体は是非ゲームにて確認してくれ!
また、どんな攻撃を受けてもマイ・ペンライ(大丈夫)という異常なTOUGHさを見せたイーサンの秘密が本作で明らかになる。
前作から引き続いてまさかまさかのとあるキャラクターの再登場も含めて
正に7とワンパックでの物語。
そしてそれが綺麗に完結する。
主人公が続投した意味がきっちりある凄く良い物語でした。
まっストーリーそのものはぶっちゃけ、かなりガバと粗の多い作りではあるんだ。
正直言って最後の展開で誤魔化された印象も強い。
でも最後の展開は非常に優れていて「あっ許そう」ってなる。なった。
ちょっとした不満もエピローグでぐーっと溜飲を下げるようになっており
ガバは多いがもうええわ!許す!と素直に評価を上げた。
正直このゲームは
「イーサンを好きになれるかどうか」で評価が決まる。
だがこのゲームをやってイーサンを嫌いになるやつがいるか?
いや、いない。(反語)
つまり、いいゲームなんだ。
□総評
良作~そこそこの狭間という感じ。
ただし、バイオ7は傑作判定だったため少々パワーダウンはしている。
前作の全編にわたって保たれていた緊張感を知っていると、
長大化した分作りの甘さが目立った感じがする。
バイオ4のように怖くない方向にかじ取りしていると言えば聞こえはいいが
実態としてはバイオ4ほどエンタメ的にも面白い作りに振り切って無かったかなと。
FPS視点にしている意味はあるんだけど、
それゆえにアクションそのものが平坦になっていたし、ステージギミックも無茶が出来なかった。
例えば自動スクロール面とかもないし、ボスも弱いんで
ホラーステージだけの印象がぶち抜けていてそれ以外はここ面白かった!という印象が無い。
なもんで世間よりも俺個人としては全体的に評価はちょっと低め。
ただ、バイオRe3で残念だったトロフィーの内容とかみ合った周回プレイの作りがよく出来てました。
プレイすること、トロフィーを解除することでポイントが貰え、それを使って無限武器などを開放することが可能。
最初は普通にプレイして、無限武器などを開放して細かなトロフィーを取得して、たまったポイントを突っ込んで最高難易度をクリアする…みたいな。
ちゃんと考えてプレイすれば必要な周回数は減る。
しかしちゃんと周回の意味があるし、特殊なプレイを狙う意味があるのは良かった。
バイオRe3のダメさは説明すると長くなるんで省きますが、バイオ7・バイオRe2で出来ててなんで出来んかったんだ!?と首を捻った当時。
今回はしっかり考えられてて良かったです。
そして、娘のためにパパ頑張る。
という普遍のテーマを描いた作品としては良いゲーム。
今回のバイオはこわくなーい♪と公式が歌ってる(文字通り)通り、
あまり怖くないのでホラーゲームが苦手な人でも十分プレイ可能。
たしかに120%楽しむためにはクッソ怖い前作バイオ7をプレイする必要があるが、
初回起動時に前作のあらすじとストーリーも説明してくれるので最悪これだけプレイしてもOK。
是非、タフなパパとして娘を取り戻してほしい。
ではせっかくなのでこの言葉で〆よう。
それじゃあ皆、バイバイオ~~~!(バイオ村であそぼ、より)
↑怖くは無いが危険はいっぱい。どうか、お気をつけて…いってらっしゃい!