ホスピタル病院

自分をモヒカン社畜だと思い込んでいる17歳JKのブログ

魂の同窓会。『【PS5】Demon's Souls(デモンズソウル)』レビュー。

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オッサンども!PS5買えたか?(挨拶)

私事ですが、ええ、買えたんです。PS5。

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6万円となぜかジクジクとするお尻の穴は痛いけれど、
これにて次世代の男です。一つウエノ男と呼んでいただきたい。

となるとソフトはどうするよ?って話。
スパイダーマンは短いらしいし、GODFALLはちょっとあとでいいかな。買うはずだったデストラクションオールスターズはなぜか消えた。
となるとこれしかないよな?ってことでPS5専用タイトル
『Demon's Souls(デモンズソウル)』をレビューしよう。

ではよしなに。

 

 

□概要 

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北の大国ボーレタリア。
国王であるオーラント王は、この地に封じられた“古の獣”を目覚めさせた。
ボーレタリアは獣の生み出す色の無い濃霧に包まれ、そして濃霧は拡散する。
濃霧からは悪魔”デーモン”が現れ人のソウル(魂)を喰らい、世界を呑んでいった。

 

世界は死に瀕していた。
そしてまた一人、また一人と魂を奪われ心を折られていく。
だがさらに一人楔の神殿に向かう冒険者がいる。それは貴方。
デーモンに殺されてなお魂と心折れなかった戦士は楔の神殿で目覚め、魂の存在として冒険に赴く。

はたして貴方は世界を救う最後の希望となるか、それとも世界を・・・?

もう説明不要の死にゲーの元祖にして本家にして金字塔。そのリメイクである。
どうしてもゲームというのは高性能化に伴ってジャンルというのが生み出されなくなっていくが2009年にPS3という高性能機でジャンルを生み出したという偉業を打ち立てた作品だ。

とはいえ新ジャンルってのは中々認められないもの。
有名なファミ通3大クロスレビュー*1の一つ、7・7・9・6の29点という結構低めかつ両極端な評価をされている。
ファミ通クロスレビューをすべて把握している自信は無いが、PS3世代以降で3点差がつくのはデモンズソウルのみ・・・だったはず。それくらい両極端な評価なのだ。
(低評価については擁護の余地がある。発売当時は死ねば死ぬほどソウルが黒くなり難易度が上がるなどのクソ仕様があったり、メッセージが稼働してないし、売れる(=受け入れられる)かどうかもわからなかった等の理由があるため)

そしてもう一つ、当時のSONYは本作に対してよい評価をしておらず、欧米販売を見送るという判断をしていた。
実際、欧米はアトラス・バンナム販売になっていて精神的続編たるダークソウルはバンナムに・・・となっている。
当時の僕はその話を聞いて「なんて見る目がないんだ!」と憤った側の人間だったが今やり直してみると・・・?

レビューをしながら話をしていこう。

 

□今冬が来て君はきれいになった。去年よりずっときれいに…

隙があるので自分語りをするのだが、十年、いや正確に言えば11年前にちょっといいな、と思っていた子がいるんですよね。
その子と久しぶりに会ったんですがうん・・・変わってなかったよ。うん。

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↑死んでも取り戻せるという仕組みは本当にエポックメイキング。今でも燦然と輝くアイデア

もう今更説明するのもあほらしいが一応説明しよう。
本作は探索型のアクションRPGであり、最大の特徴は死が免れないほどの高難易度死そのものリスクが非常に少ないという「死にゲー」のフォーマットである。

事実、死んだところで失うものはソウル*2だけであり、さらにそれを死んだ場所に辿り着ければ回収できる、というアイデアコロンブスの卵が金の卵だったくらいの大革命。

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↑人を呼んだらまず挨拶!友よありがとう今宵も共に!

高難易度ではあるもののRPGゆえにレベルアップを繰り返すことでボスは楽に倒せるようになるのだが、本作はもう一つ素晴らしい要素として救援(青ソウル)がある。

これにより高難易度でありながらプライドさえ捨てれば誰でもクリアできるゲーム、という設計には脱帽もの。
侵入(赤ソウル)というPvPの対戦要素も含めてまさにPS3というオンラインが標準化された時代の寵児いや時代を作った作品だ。

本作(リメイク)はそのPS3のオリジナルをまっとうに引き継ぎ、
当時そのままの難易度はおろかアクションもそのまま忠実に再現している。

ゆえにプレイしていると

うおおおおおおおおおお!!

おおおお

おお・・・

・・・

「俺当時こんなん良くクリアしたな・・・」
割と素でこんな感じでした。

 

□君が大人になってくその時間が降り積もる間に僕も変わってく

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↑今回実装されたフォトモード。しょんぼりコンビで写真が取れるぞ。

いやもうはっきり言っちゃうんですけど、本作をプレイして
「そうそうこれこれェ!」って言える人「えぇ…なにこれぇ…?」って言う人
これで両極端にゲームの評価が分かれる。

というのも、本作は11年前のゲーム。
今年までに開発会社であるフロムソフトウェアデモンズソウルを含めて6作品の死にゲーを開発・販売しているわけですよ。
んで、僕の中で死にゲーってデモンズソウルが一つの基準だったんです。

デモンズソウルより面白いか、否か。

デモンズソウルより面白い死にゲーってフロム製か、唯一仁王シリーズだけだったんですよね。
SEKIRO>仁王2>ブラボ>ダクソ3≧仁王1>デモンズ(>その他有象無象) の順。*3

ただ、どうもリメイクをやってるとその基準としていた「デモンズソウル」が結構イメージと違っていたんですよね。
あれ、こんなに難しかったっけ?って。
さて本稿ではダークソウル3・仁王2・SEKIRO、これらを「最新死にゲー」と呼びましょう。
本作はその最新死にゲーでは削除された要素がたっぷりと詰まっている。 

 

デモンズソウルと他の作品における最大の違いだが、僕は「殺意」だと思っている。
特にマップ構成がのちの作品と比較しても明らかに殺意に満ち溢れている。

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例えばトラップ。本作は最新死にゲーではかなり少なくなったトラップが積極的に採用されている。
スクショのような風雲たけし城を彷彿とさせる大玉転がしや弓矢トラップなどプレイヤーをいかに殺すのか、ということに重きを向けられた作品となっている。
後継作品である最新死にゲー達もトラップが無いわけではない。
ただ、弓矢トラップは結構覚えているのだが、大玉転がしのトラップは正直あまり思い出せない…というかあったっけ?ってのが本音だ。
特に最初のステージであるボーレタリア王城1=大玉、そう結びつくぐらいのインパクトがあったのだ。

 

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↑本作から登場のメッセージ機能。ほかのプレイヤーが不意打ちのヒントをくれる。曲がり角にはご注意を…

んでもう一つ、不意打ち・だまし討ち・挟み撃ちが当たり前の「初見殺し敵配置」。
プレイヤーには一回ここで死んで勉強してもらう!とでも言いたげな敵の配置にはプレイヤーとしては実際、本当に一回二回は死んでしまうのだ。
曲がり角で|ω・`)ノ ヤァ!
敵と戦っていると|ω・`)ノ ヤァ!
通った道の後ろから|ω・`)ノ ヤァ!
ヤァってられるか!と言いたくなるほどに多い!

ただ、実際のゲームでは本作のメッセージ機能でその多くを回避できるが、ダークソウル3やブラッドボーンではそもそも不意打ちの場面が少なくなっていき、またそうなっても無理やりローリングなどで回避できるようになっている。
そしてとうとうメッセージ機能はSEKIROでは削除されてしまい、「初見殺し配置」も無いわけじゃないけど存在感が消えていったのである。
ただ、本作はとにかくバカみたいに初見殺し配置をやってくる。とても強い殺意を感じる。

 

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↑イヤアアアアアア赤いいいいい!無策で突っ込むと死ぬだけの戦いとなってしまう・・・。

そして最後は「落下死」。と、それを誘発するマップデザインである。
とにかく狭い場所、そして落ちたら死ぬ場所に敵を配置するクセがある。
さらに本作は自分の攻撃アクションの”踏み込み”で落ちる、そして死ぬようになっているため狭い場所で戦うこと自体がとてつもなくストレスになっている。

今年2020年に発売された最新死にゲー、仁王2のメディアレビューの中で平たく言うと
「前作の欠点であった狭い場所に大量の敵か強い敵を配置するという点が直っていない」と批判されていたのだが、*4
本作は恥知らずにもほどがある、と言ってしまいたくなるほどこの設計が多用されている。
勿論、本作は2009年の作品であるため当然の話なのだが・・・。
この要素も仁王2やダークソウル3はかなり改善されており、無いわけではないが存在感は減っていて、SEKIROは完全削除と相成っている。

つまり、当時はまだ「どう死ぬか」ということがエンタメだったんですね。

プレイヤーを殺そう、という殺意マシマシの作りにして死ぬことで面白がってほしい、死ぬことで悔しがってほしい、死ぬことで成長してほしい。
こういった考えが根底にあってそういう作りになっている、と思われます。

ただ、フロムソフトウェアの6作品は時代に即したのかジワジワとこれらの要素はなくなった。
ぶっちゃけ、「面白くなかった」んですよ。

より正確に言えば何度も同じような手口では面白がれない。
一度見たホラー映画を本気では怖がれないように、慣れることで飽きる。
飽きることでつまらなくなる。
そしてつまらないとストレスが溜まってしまう。

本作はオリジナルを忠実に再現するってコンセプトなのでどうしてもそういう、後の時代で禁じ手になってしまった要素が出てきてしまう。

 

ンまぁ~~~~
でもね~~~~~~~

これがいいって言う自分もいるんだァ~~~


□私がオジサンになっても。

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↑本作の特徴の一つ、ボスはギミック系が多いということ。ダークソウル3あたりはもう力対力の正当バトル多し。

はっきり言ってね。
これが初めての死にゲーですって子がいたらね、おススメしないんですよ。

だって親切じゃないもん。
進み方が分かりづらいし、ローリングも生まれ次第では使い物にならない。
ショートカットや回復ポイントの位置はクソだからボスで負けて再戦するための戻り作業が辛い。
何より最新じゃないんだもん。

 

初めての子がやっても「面白い」って言ってくれる可能性は否定しないけど多分そこまで面白くないと思います。
特にデモンズソウルをやってないけど最新死にゲーはやってるような人、これはまず合わない。

僕が面白いかどうかはともかく難しい難しい言いながらクリアできたのは
「当時プレイしていた自分に出会えるから」なんですよ。

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ほら、例えばこの↑スクショ。
プレイしたユーザーなら絶対「ああ、あそこであれやってるのか」とわかると思います。
場所も、目的もわかる。

だって僕らは当時絶対”これ”をやったから。

これをやった時、僕はフラッシュバックにも似たような感覚があったんですよね。
「そうだ、俺PS3でも全く同じことをした」って。ぶわっと脳内に思い出が蘇った。

僕が当時難しい難しいって思いながらもクリアできたのは本当に、これが当時の最新ゲームで見るものすべてが新鮮で、面白かったから。わくわくしたから。

だから正直若い子がやったって面白くないさ。
僕らが今回のリメイクへ下す評価ってどうあがいても「思い出補正」込みなんだもの。
正直言って「回顧向け」作品なんです。

 

…僕はゲームっていつだって「最新のゲーム」が一番面白いと思います。
スーパーマリオブラザーズは面白いけれど、今やるならマリオオデッセイとかやりますよね。
DQ1、名作ですが今やるならDQ11をやるでしょう。FFだってFF15が一番面白いさ。

だから僕は若い子がうらやましい。
きっと僕よりも「一番面白いゲーム」を一杯やれますからね。
ちょっとだけ若さを分けてくんねぇかなぁ?血管に刺して針でちゅーちゅー吸えばええかなぁ?!

でもこういうゲームって「オッサンの特権」なんですよ。
若い子がやったって面白くないんだから。オッサンしか楽しめないんだから。
少しばかり意地悪だと思うけど、おっさんが苦しみながらもキャッキャウフフと楽しむ姿を横で指をくわえて見ていてくれよなって思っちゃう。
大丈夫、今の「一番面白い」ゲームをやればいいさ。だって君たちもいずれはオッサンになるのだから。
そういう意味ではオンリーワンで本当に凄い開き直った素晴らしい作品そう思います。

 

□総評

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そこそこですね。
オッサンの特権とかふかしつつも、ゲームとしてははっきり言って現代の基準としては良くできていないですよ。
令和に大手が出すゲームじゃないです。本当に回顧主義に救われてるゲームかと。

一応、持ちきれないアイテムを直で袋(倉庫)に送る機能が追加されたものの改善点はそれだけってくらいには少ないです。
せめて最低限ソウルレベルのリセットぐらいは追加してほしかったし、もっと便利にしてほしかった。
割愛しましたけどソウル傾向の仕様とかステージ制とか後のゲームで削除された仕様には削除されただけの理由があるなと理解できました。ありゃーめんどくせーだけだわ。

 

なもんで、買うかどうか迷ってる人にアドバイスするなら当時PS3でデモンズやったオッサンかどうか。これにつきます。

NOおっさんなら素直にダークソウル3か、少し待ったら仁王2PS5版が出るのでそれ買いましょう。
でもYESオッサンならアリ。あと自分をおねぇさんと言い張れるYESおねぇさんならアリ。

・・・いやしかし、11年でゲームってここまで進化したんだなぁとしみじみ思います。
本当にゲームって便利になって面白くなった。
でも、当時のときめきってのはやっぱ忘れられないもんで。
11年前「ちょっといいな」って思ったあの子、「泥門首爾子(でいもんそうるこ)」ちゃんに久しぶりに会ったら凄く綺麗になってて。
でも当時と変わらない、はにかんだ笑顔と。当時と変わらない殺意でもって迎えてくれたことが少しだけ嬉しかった。

さぁ初恋というには遅すぎる甘酸っぱい思い出を取り戻しに行こうぜ、オッサン共!

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↑さぁもう一度立ち上がれオッサン共!

*1:ジョジョASBとあとほか一つは自分の好きなものを入れよう!

*2:本作でいうところの経験値とお金、両方の価値を持つスコア

*3:ダークソウル1および2は未プレイ

*4:https://automaton-media.com/articles/impressionjp/20200330-118489/